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「ラジオサーバー VJ-10」で聴く遠くの放送イマドキの「エアチェック」 (2/2)遠くの放送は聞こえるか?では,本題の遠距離の放送はどうでしょうか? AMでの近隣諸国からの日本語放送,ロシアの声(720kHz),中国国際放送(1044kHz),KBS World Radio(1170kHz),HLAZ(1566kHz)は,カジュアルなリスニングには十分な受信状態です。(注2) (注2) 朝鮮の声(621kHz),ロシアの声(630kHz)は,もともと受信状態が良くないので,今回のテストでは除外しています。 この種のラジオでは,強力な隣接周波数の地元局の混信が心配されますが,例えばロシアの声720kHzに対するNHK第2放送693kHz,KBS1170kHzに対する文化放送1134kHzは,さほど影響は感じられませんでした。
私がよく聴いている放送は,比較的電波は強く,自宅も木造なのでほぼ満足に聴けます。 ただし,夜間遠くから来る電波は強弱を繰り返しますが,電波が弱まった時の音の崩れ具合はつらく感じられます。もう少し感度がほしいと思うことは多いです。 また「BCLラジオ」に比べれば,混信や雑音にも弱さが感じられます。雑音の多い放送の受信では,本体のボタンやつまみで操作できる「BASS-TREBLE」のような音質調整の機能も欲しくなります。 感度アップを試す遠距離受信では,VJ-10付属のループアンテナは,さすがにショボく感じます。まして,鉄筋の建物の中では感度不足になると思われます。そこで,オプションに「AM用高性能ループアンテナ AN1」もあります。 あるいは,もう少し本格的な,大型のループアンテナの利用も考えられます。ループアンテナなら,自作も簡単にできます。 私の場合,普段ほかの受信機に接続しているAM用ループがあります。ただ,つなげ直したり切替スイッチを用意するのもメンドウです。 ただし,感度を上げると,隣接周波数の強力な局の混信や,室内のノイズも一緒に強くなったりもします。よって,感度アップは,ほどほどが良いのでしょう。^^;A 遠くの放送の予約録音に思わぬ壁さて,この「ラジオサーバー」のメイン,予約録音の機能を遠距離の放送で試してみます。 リアルタイムの録音の操作は,「録音」ボタンを押すだけ。ホントに簡単です。しかも,録音中に"メニュー"ボタンを押すと,何分後に録音を停止するかの指定ができます。 VJ-10にはライン入力の端子もあるので,これで短波ラジオからの録音もできます。ただし,外部入力からの予約録音ができないのは残念です。(ここもなんとかしてほしいのですが。^^;) ([追記2]参照) 予約録音は,最大20件までできます。その録音・再生は,さすがにちょっと操作がややこしく,取説をよく読みながら覚えます。(もっともVJ-10に限らず,デジモノ一般に操作のデザインは,なかなか理想的なものに出会えないのですが....。^^;)
試しに,上記の日本語放送各局ほか複数の局を予約録音してみました。が,ここで問題が出てきました。 比較的弱い遠距離からの電波をきちんと拾うには,感度が良くなるようにループアンテナの向きを変える必要があります。ところが,各局の電波が来る方 向はそれぞれ違っているのです。放送時間にその場にいて,アンテナの向きを変えていたのでは,予約録音の意味がありません。^^;A 考えられる解決策としては,いずれの電波もほどほどに受かるアンテナの向きを見つけるか,もっと感度の高いアンテナを使ってどの電波もある程度以上のレベルで拾えるようにするか,です。 幸い,私の場合は付属のループアンテナだけで,アンテナの向きも落としどころを見つけることができました。これは,受信する複数局の電波の到来方向と,VJ-10の設置場所などとの関係もあるので,苦労することもありそうです。 余談ですが,予約録音をした時間にほかの局やファイルを聴いていると,「まもなく予約録音が始まります」と画面に表示が出て,音が予約をした放送に切り替わります。予約録音をバックグラウンドでしてもらえると,ありがたいのですが....。(^^;) デジモノならではの再生は「ファイル」モードにしてから選択しますが,録音直後のものはすぐ聴けます。ただし,過去のものや自分の音楽ファイルなどを再生するときは「検索」の画面に入ってから指定のファイルを探さなければなりません。ここもちょいメンドウです。 しかし,さすがデジモノ,再生では早聞き・遅聞きが,音程を変えずに簡単にできます。1ファイルに16箇所までインデックスがつけられるのもありがたいです。これらをあわせて使うと,ナナメ聞きや,雑音の多い放送での特定箇所の聞き返しもしやすくなります。 録音したファイルの操作,編集は,VJ-10本体でもある程度できますが,やはりこれは接続したパソコン(Windows Me/2000/XP/Vista対応)からするのが,手軽です。 ただし,パソコンと接続中はVJ-10では電源を含め,一切のキー操作を受け付けなくなります。また,パソコン接続中は,予約録音も機能しません。
音質は,高音質(128kbps),標準(64kbps),長時間(32kbps)が選択できます。 それにしても,容量は37GB,長時間録音のモードなら約2,500時間分録音できます。 以前のようにカセットやMDの残量を気にする必要がない,メディアを交換する必要がない,たまったメディアの置き場所に困らないというのは,ホントに気楽です。 そして「ラジオ」復権の鍵?以上,遠距離のAM放送をVJ-10で聴くという観点でのレビューだったわけですが,私のVJ-10購入の決め手は,実はちょっと違ったところにありました。 最近の音楽リスニングは,MP3などの音楽ファイルをポータブルのプレーヤーかパソコンで再生することが多くなりました。一方,CDもあり短波ラジオもあり,それぞれ別のデバイスで再生しています。それが非常に面倒に感じられるようになっていました。 しかし,これはよく考えてみると,その昔のラジカセと同じような需要にもとづいてもいるわけです。 VJ-10は,「サーバー」という言葉からイメージされるIT機器ではなく,はるかにラジカセやビデオの役割に近いモノです。 実際,VJ-10で予約録音した普段仕事で聴けない平日昼間のラジオ番組が,斬新かつおもしろいことおもしろいこと。 VJ-10は価格もちょっと高め,操作や機能に多少の不満もあります。 (2007/05/30,05/31一部修正)
[追記]上記レビューでは,AM放送の遠距離受信に話題を絞りましたが,VJ-10を1週間程度使ってみての全般的な感想も示しておきます。 ○長所
×短所
!結論
ラジオの予約録音に話を絞れば,完成度は高いです。AM/FMラジオの番組録音が主目的の方になら,オススメできます。 (2007/06/01)
[追記2]ライン入力での予約録音は,2007年10月16日のファームウェアのアップデート(F/W Ver 1.200,DSP Ver 1.007)で可能になりました! これで,外部接続する短波ラジオにタイマーのON/OFF機能があれば,短波放送の予約録音ができます。 (2007/11/10)
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