無意味企画
短波ラジオで「音響派」^^; 1
短波ラジオでつくるヘンテコ音楽入門
ラジオと言いますと,普通はニュースやトーク,音楽などを聴いて楽しむものということになっています。実際,このサイトのメインは,そうした前提での解説をしています。
ところが世の中には,音楽にラジオの音を取り込んだり,ラジオの音そのものを「音楽」にしてしまった作品さえ実在します。
そんなラジオの絡んだ音楽も,このサイトで採り上げて記事にしていますが,ふと「自分の手で作品が作れないか」と魔が差しちゃったりもするわけです。(^^;)
が,音楽に関してはほぼド素人の私,何をどうしたらいいわけでしょうか。
ラジオから「音楽」をしぼり出す ^^;
普段「放送」を聴くつもりでラジオに接していると,なかなか気づかないことですが,放送の音声以外にも,様々な音が飛び出してきます。
考えてみると,ラジオの音はしょせんデンキの音でありまして,それ自体なかなかシンセティックなサウンドです。
ここでのラジオの役割は,放送をより良い状態で受信することより,いかに多様な音響を得るかに重きがおかれます。
したがって,普段は避けている雑音をわざと拾ったり,チューニングをわざとずらしたり,理解できない言語の放送に耳をそばだてるといった,発想の転換が求められます。
「音楽」のための素材としての,短波ラジオの音には,こんなものが考えられると思います。
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データ通信の受信音
短波で主に放送局のないところに「ピロピロピロ....」という感じで聞こえている音です。
一定のシークエンスでトーンが変化していて,リズミカルに感じられることが多いと思います。これはなかなか「音楽的」です。
[サンプル1]
短波のデータ通信の受信音 (MP3/5秒/25kB)
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雑音
日常のリスニングでは避けるものですが,パソコンや電気製品に近づけたときの人工雑音も,けっこういろいろなトーンのものがあります。
また目的から言ってもまさにノイジーな「妨害電波」も,音響的に意外と使えそうです。
放送の電波でも,混信やフェージングでトーンが変化するのもわかるのではないでしょうか。
電波のないところさえ,音量を上げるとそれなりに音がしてるのがわかります。
「音楽」なら,これらの音を利用しない手はありません。
[サンプル2]
ラジオをPCに近づけた時のノイズ (MP3/5秒/25kB)
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言語・音楽
短波では様々な言語の放送があって,その言葉自体のリズム感や発音などを聴いているだけでも楽しめます(別項参照)。場合によっては,エキゾチックな音楽も効果的に使えるかもしれません。
ただし,放送の音声は音質の良し悪しにかかわらず,基本的に他者の著作物だということは,頭に置いておきましょう。場合によっては,元ネタの特徴をとどめないような加工(ごく短く切り刻んだり変調をかけたりなど)も考えられるでしょう。
ラジオ「演奏」の技法 (^^;)
音だけでなく,ラジオそのものの操作にも考えられることが出てきます。
選局つまみ
選局つまみを回すだけでも,様々な音の変化がありますし,つまみを回す速さで,リズムやテンポを作ることもできるでしょう。
音量調節
緩やかな音量の変化は,音楽の流れの中では,大きくすることで気分を盛り上げたり,下げることで沈静化などの効果が考えられます。
また,急激な音量の上げ下げで,選局つまみを回すのと同様のリズム感なども作れるかもしれません。
(録音であれば,これらの操作はその再生の際にもできます。)
通信機型受信機の各種機能
通信機型受信機には,普通のラジオにはない機能,様々な混信や雑音除去のために音を変化させる機能などがあります。その種の受信機があれば,これらの機能をエフェクター的に使う手もあります。
例えば,業務無線やアマチュア無線などを受信するのに使う「SSB」(あるいは「BFO」)モードを,通常の放送受信で機能させると,「リングモジュレーター」同様の,金属的で音程も変化したストレンジな音になります。
また,通常の放送をこれで再生すると「ピー」という発振音がして,ダイヤルを回すと音程も変化します。この音を「テルミン」のように仕立てることもできるでしょう。
[サンプル3]
「SSB」で再生した放送音声(音楽) (5秒/MP3/25kB)
ほか,「IFシフト」,周波数帯域を変化させるフィルターなど,音を変化させるものの利用が考えられます。
(c) 2006 gota
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