片手にラヂヲ♪ ホーム短波ラヂヲの世界へのお誘い「楽器」としてのラジオ?!Myke Weiskopf

作成日:2007/03/13
最終改訂日:2007/07/25

「楽器」としてのラジオ?!

Myke Weiskopf (1976-)

"30: A RETROSPECTIVE 1976-2006"

1. Interval Signal / 2. Ascension Island / 3. Arbitrary Music [Edit] / 4. WWV [Collapsible Jerk Mix] / 5. Monograph on Water / 6. [interlude] / 7. Spiral Weight / 8. [interlude] / 9 Wonderful / 10. Grupo Communisto 2 / 11. Interlude 2: Faders / 12. Attack Warning / 13. The Grotesque / 14. Ghost Opera Loop / 15. Cloud Cover / 16. Truth Will Out / 17. Cower [Science Park Mix] / 18. [interlude] / 19. Speaking In Tongues / 20. Keep Laughing / 21. Between the Wars [Piano Demo] / 22. Driving at Midnight [Demo] / 23. Meaningful & Fulfilling Relationship / 24. Nevada Sign / 25. What I was going to say is / 26. BBC / 27. An Optimist on Election Day / 28. 0-253 / 29. The Final Dream / 30. Travelogue [Science Park Mix] / 31. ...if you can hear me
(Obscure-Disk OBSCD07)

無名どころながら,ラヂヲへの思い入れの強さがあり,プロとしての活動,CDリリースの実績もあるということなら,この人かもしれません。

自己紹介でも,自らを"a shortwave-surfer", "shortwave avatar"と名乗り,使用機材に"Kenwood R-5000 Communications Receiver"があったります。
さらに,世界各地の暗号放送を集めたCD4枚組 "The Conet Project"(Wilco / Yankee Hotel Foxtrotの項参照)にも,コントリビューターとして名前を連ねているとなれば,タダモノではありません。(^^;)

このアルバム"30"は,解説によると,タイトルどおり1976年生のMykeさんの30歳記念で,14歳から28歳にかけての録音が30+1曲まとめられています。
芸風は多岐にわたり,アンビエント風,ロック,"Science Park"名義で自ら唄う80年代エレポップ風(イマドキこの音はマニアックではあります)まであります。
Mykeさんのボーカルはやや非力ですが(決してヘタではありませんが^^;A),年が進むにつれレベルアップしているのもわかります。

ラジオの音は随所に駆使されています。(使い過ぎかもしれませんが。^^;)
ラジオの音は,加工はあまりせずストレートに使われていますが,たんなる音響素材というだけでなく,批評的に使われるものもあって個性的です。エレクトロニカ風の曲では,バックトラックと違ったリズム感をつけているものもあります。

というわけで,このCDのラジオの音を全て指摘していると際限がないので,特徴的なものだけご紹介しておきます。^^;A

  • track1. "Interval Signal" いきなり加工なしの短波の受信音です。タイトルどおり,放送開始前に流れる短く繰り返されるメロディー。(ただ,どこの局のものか思い出せないです^^;)
  • track2. "Ascension Island" 1曲目から即,Science Parkの2nd"Disinformation"(2000)収録のこのエレポップにつながります。
    タイトルは,BBCの短波中継局がある大西洋上の島の名前ですが,間奏に日本語の交通情報の音が入ってきます^^;。アセンション中継のある,Radio Japanの受信音ということでしょうか。
    穏やかな大海原にぽつんと浮かぶ島が見えてくるような,優しいメロディーを持った佳曲です。
  • track3. "Arbitrary Music (Edit)" 3分弱のハウス風インスト。途中錯綜したラジオの音が入りますが,よく聞くと左チャンネルから,これまた短波で受信したRadio Japanらしき,日本語の大相撲中継の音が聞こえます。(^^;)
  • track4. "WWV" Science Parkの1st"Futurama"(1995)収録の,ちょっと荒っぽいけどキアイの入ったエレポップ。タイトルはご存じアメリカの標準電波局。冒頭聞こえるのは,ドイツ・Deusche Welleの英語放送ですが,WWVの音はなぜか入ってなさそうです。
  • track6. "[interlude]" 随所に入ってくる[interlude]の最初。WWVではなさそうですが,短波のタイムシグナルが数秒聞こえます。以後の[interlude]も,短波の受信音を主な音源にしています。
  • track13. "The Grotesque" 冒頭,WWVの時刻信号とアナウンスが聞こえ,その信号にあわせて演奏も始まります。
  • track23. "Meaningful & Fulfilling Relationship" 短波の受信音で構成した,15秒ほどのツナギの曲。
  • track26. "BBC" BBCのISの受信音を35秒そのままで,次の曲につないでいます。
  • track31. "...if you can hear me" 前のトラックにつながって,短波のデータ通信の受信音,これもラジオの受信音と思われる女の子の声が一瞬聞こえ,30秒くらいでフェードアウトします。
    が,その後,非常に小さな音で"....information is currently unavailable."という男性のアナウンスと,その背景に"−・・・ ・・−・ ・・"(BFI)というモールス信号が繰り返し4分30秒まで続く,ナゾめいたラストトラック。

このCDを聴き通して,時に荒削りに感じられるものの,Mykeさんが音楽もラジオも楽しんでいるのが伝わってきます。また,音楽もラジオも好きな私も,こうした表現に共感を覚えます。
ただし,このCDはあくまで30歳になったばかりのMykeさんの,過去十数年の軌跡を示すものです。今後,このテーマがさらに昇華される可能性,力量もまた,この作品群から感じられるのです。

また,このサイトで紹介しているラジオにインスピレーションの源泉を持ったミュージシャンは,ラジオが重要な情報源だった古い世代の人が多い傾向にあります。
そんな中,ずっと若い世代からこのような表現が出てくるのは,ラジオがまだまだ力を持ったメディアであることの証左でもあると言えます。


[参考リンク]
  • "MykeWeiskopf.com"
    http://www.mykeweiskopf.com
    Mykeさんの公式サイト。ここからMykeさんの"MySpace"へのリンクもあります。
  • "ShortWaveMusic"
    http://shortwavemusic.blogspot.com/
    Mykeさんが短波で聞いた音楽などを紹介しているブログ。
  • CD Baby
    http://cdbaby.com/cd/mykeweiskopf
    アメリカのインディ系CDを扱うオンラインショップのMykeさんのページ。ここでMP3での1曲2分間の試聴,CDの入手ができます。
    上記サイトに,私の名前(gota)で出ているレビューがありますが,私が投稿したものではありません。誰かがこのページの記事を機械翻訳して,無断で投稿したようです。

(c) 2007 gota

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