片手にラヂヲ♪ ホーム短波ラヂヲの世界へのお誘い旅は道連れ短波ラジオ!

作成日:2004/05/17
最終改訂日:2008/08/28

は道連れ短波ラジオ


短波ラジオ関係のWebサイトをやっていると,ときどき,
「海外に行って"ラジオジャパン"を聞くのに,どんなラジオを持っていったらいい?」
という質問がときどき寄せられます。

そこで,旅先で短波ラジオを聞くために必要そうなことを,思いつくまま書き連ねてみます。
(一般的な海外での家電製品利用の注意点については,各種現地生活情報を参考にしてください。)


どんなラジオが良いか

こんな短波ラジオをおすすめします」で書いたように,確実に安定した受信ができるものということでは,自宅で聞く場合とさほど違いはありません。

ただし,旅先でということでは,配慮するところがあります。

小型・軽量なこと

ことに長い移動では,ちょっとした荷物の重さが,負担に感じられるものです。

私(ごた)の場合は,ラジオ関係のものは,セカンドバッグ一つに入るだけにしています。(と言っても,けっこうたくさん入ってしまうんですが....^^;)

なくしても盗まれても良いものを

旅先では,紛失や盗難の覚悟はしておくべきでしょう。海外では,税関での没収さえ考えられるかもしれません。
「なくなってもいいや^^;」と思えれば,高価なものを神経をとがらせて持ち歩く精神的負担からも解放されます。

海外の放送周波数の違いに注意

海外で現地の放送を聴く場合,日本と事情が違っていることがあります。

AM (MW)

海外でも,日本と同じ530〜1600kHzの周波数帯が使われています。
ただし,南北アメリカでは若干違う点があります。

  • 周波数ステップ
    日本では,9kHzステップ(9kHzおき)ですが,南北アメリカは10kHzステップです。
    周波数デジタル表示のラジオでは,周波数ステップ切替の操作が必要です。
  • "X Band (Expanded Band)"
    南北アメリカ,オーストラリアでは,530〜1600kHzの周波数帯に加え,1600〜1700kHzの周波数帯も使われています。日本国内で売られているラジオにも,対応したものがあるので要確認です。

FM

世界的には87.5〜108MHzがほとんどで,日本の76〜90MHzはむしろ特殊です。
最近の日本のラジオも,76〜108MHzまで受信できるようになっているもの("FM/TV1-3"などと表示)が多いのですが,念のため確認しましょう。

東欧諸国のFMバンド
87.5〜108MHzのほか,66〜73MHzを使っている国があります。
この周波数帯は,"BCLラジオ"でも対応していません。
強いて言えば,"ワイドバンド(広帯域)受信機"で受信可能ですが,「通信機」とみなされがちなこの種の機器を海外に持って行くのは,やめた方が無難だと思います。

[追記]
日本で入手可能そうな中国製短波ラジオの中に,66〜73MHzが受信可能なものが出てきています。
機種としては,Kchibo(凱隆電子)のD-48L,D-39L,D-92L,KaideのKK-979などです。
これらは,ワールド無線の通販などで購入可能です。(2008/08/28)

LW (長波)

ヨーロッパ(極東ロシア,モンゴルを含む)には,AM(中波)より周波数の低い,LW (153〜279kHz)の放送もあります。"BCLラジオ"の多くで対応しています。

[参考]

できれば「パワーロック」のあるラジオを

荷物をぎゅうぎゅうに詰めた荷物の中にラジオを入れておくと,ラジオのスイッチが不意に入って,荷物の中で鳴り出したり^^;いつのまにか電池がなくなっていることがあります。
そうしたことを防止できる「パワーロック」の機構のあるラジオは,望ましいでしょう。


ラジオのほかに必要なもの

電源

ACアダプター

旅が長期にわたるなら,ACアダプターの利用は経済的です。
ただし海外では,ほとんどの地域で,日本で使っているACアダプターがそのまま使えません。海外でAC電源を使う場合,以下のようなチェックポイントがあります。(よくわからない場合は,メーカーに相談してみましょう。)

  • 現地の電源の電圧
    日本では100V(ボルト)ですが,110V,220V,240Vの地域が多くあります。
    変圧器」(例:220V→100V),電圧自動切替のACアダプター,その地域用のACアダプターのいずれかが必要です。
  • プラグの形
    ACアダプターの電圧が合っていても,コンセントに差し込むプラグの形が違っていたら使えません。
    これには,日本のプラグを差し込んで使える「変換プラグ」があります。
  • 純正品以外のACアダプターを使う場合
    ラジオ側の端子の形状,+−の極性(中心が"+"か"−"か)の違いにもご注意

これらの機器は案外重くなるので,ごく短期間の旅なら,電池を使うようにした方が,荷物にならずにすむかもしれません。

[参考]

AC down coverter「変圧器」の例

写真は220V→100V,30Wのもの。プラグは欧州,中国,韓国などで使われている"C"タイプ。

automatic voltage select ac adaptor"電圧自動切替"のACアダプター,「変換プラグ」(左)の例

ソニー "ICF-SW07"付属のACアダプター。"AUTOMATIC VOLTAGE SELECT"と表面に記されている。
左は,別売の「変換プラグ」2種。

電池

海外に行く場合は,事前にある程度用意した方がよさそうです。
海外では,電池をすぐ入手できなかったり,あっても値段が高いことも考えられるからです。
ただし,あまり大量に持つとかなりの重量になったり,税関でチェックされることもある(裸の電池の機内持ち込みが禁止されていることもある)らしいのでほどほどに。^^;

中長期の滞在では,充電池という手もあります。ただし,海外では,充電器にACアダプターと同様の配慮が必要です。

スケジュール表

放送スケジュールがわからなければ,どんなにラジオの性能が良くても,聞きようがありません。(^^;)

「ラジオ日本 (Radio Japan, NHK World)」

海外で「ラジオ日本」を聞きたいという場合,スケジュールは事前に用意しておくべきでしょう。
「ラジオ日本」のスケジュール表は,インターネット,FAXサービス,NHKへの郵送での請求のほか,日本国内の国際空港,あるいは在外公館でも入手可能です。

ラジオ日本 (Radio Japan, NHK World)
http://www.nhk.or.jp/nhkworld/index-j.html

各国の日本語放送

地域によっては,AMやFMで現地向け日本語放送がある場合もあります。
日本語の情報なら,短波の各国の日本向け日本語放送もあります。日本向け放送は,日本以外での受信が難しいこともありますが,貴重な日本語の情報源の一つとして,心にとめておくと良いでしょう。

ちなみに,現地の放送の情報ですが,日本国内なら現地の新聞で調べることもできます。しかし,海外では新聞に「番組表」がないことも多々あります。


税関対策

海外に行く場合,一般的にはラジオは手荷物にし,ラジオには電池を入れておいて,チェックを受けたときにも音を鳴らせるようにしておくのが良いとされています。

国によってはメカもの,とくに"情報通信機器"の持ち込み・持ち出しに厳しいところもあり,"ラジオ"と言えども申告が必要な国もあります。
この種の機器の持ち込みについては,旅行会社や渡航経験者などからの事前の情報収集をオススメしたいと思います。


聞こえますか?

旅行での滞在先は,たいがいホテルのような鉄筋コンクリの建物ということが多いと思います。その場合,室内で短波の弱い電波を受信するのは難しいでしょう。
よって「世界の入口−アンテナ」でご紹介したような原則で,窓際にラジオを持っていって受信することになります。

さらに外部アンテナを使えば,安定した受信が望めます。外部アンテナを使う場合は,周囲の景観を損ねないよう,最小限にするのが良いでしょう。
また,建物の中は雑音が多いので,それを避ける注意もいるでしょう。

釣り竿アンテナの例釣り竿アンテナ

釣り竿にアンテナ線を軽くからませて窓から出す,旅先のワザ。
釣り竿は,軽いプラスチック製の折り畳みのもの。

[写真] 台北のホテルで。
窓にはさんだうえ,落とさないようひもで椅子につないでます。^^;

受信できない場合

上記のような条件を整えても,聞こえない場合もあります。

「ラジオ日本」の日本語・英語放送は,多くの放送時間・周波数で行われています。
そこで,

  • 時間を変えて受信
  • 同時に出ている周波数をひととおりチェック

すると,聞こえることもあります。

「ラジオ日本」では対象地域ごとに放送時間・周波数が設定されていますが,他地域向けの時間・周波数も,ダメモトでチェックしてみてください。
短波は思いがけず遠くに飛んでいくことが多いので,他地域向けの放送が聞こえることがあるのです。


[参考]

「Welcome to My Life In Ohio」 http://home.att.net/~shinjina/frame01.htm
の下記記事に,海外生活での短波放送受信の実例,受信のアドバイスが紹介されています。

  • 「オハイオ日記 04-12-23 NHK短波放送を聞いています
  • 「オハイオ生活 日本の短波放送の受信: オハイオでNHKを聞くには、、、

  • 以上,けっこういろいろ書いてしまいましたが,旅では他にも持ち物があるし,注意することもたくさんあることを,くれぐれもお忘れなく。

    では,ラジオと道連れの旅に,良い思い出ができますように。(^_^)/



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