片手にラヂヲ♪ ホーム短波ラヂヲの世界へのお誘い激安短波ラジオをなでまわす

最終更新日:2004/03/03

特別企画

激安短波ラジオなでまわす

(なでまわすって...^^;)

最近作者にいただくメールを拝見していて,ディスカウントストアやホームセンターで買った,2000〜3000円の短波ラジオを使っているという方がよくいらっしゃいます。

私は「こんなラジオをおすすめします」コーナーでご説明しているように,この種のラジオは,とくに初めて短波を触れる方にはオススメしていません。

しかし,
街の電気屋さんに短波ラジオの現物がまずないこと,
大都市の量販店で扱う短波ラジオも減る傾向
なのを考えると,最初の一台がこの種のラジオというのも現実でしょう。

そこで,このページでは
この種のラジオで聴きたい放送が聞こえるか
性能,操作上の問題点などはないか
を重点的に検証します。


おことわり

この記事は,あくまでこの種のラジオを使うための参考データです。
また,使うラジオ,住んでいる地域,ラジオを置いてある場所,受信する時間,季節などの環境によってかなり違った結果が出てくることがあると思います。その点はお含みおきください。


てなわけで,またもやってみました。

[実験日時]

2002年10月15日 20:00〜23:00の間 (日本時間)

[実験場所]

東京都内 作者「ごた」邸 (木造モルタル造 2階 四畳半の部屋 ^^;)
比較的電波が通りやすい木造の建物の室内です。

[使用機材]

ディスカウントストアで買った2,500円前後の短波ラジオ
(中国製,輸入販売元「アンドーインターナショナル」の製品)
いずれも,付属ロッドアンテナのみ使用

RA-68SRA-68S
受信範囲
MW/FM/TV1-2/SW1-8 (5.9-22.2MHz)
この値段で,短波8バンド,TVまで入るとは,なかなかココロザシが高いです。
RA-36SRA-36S
受信範囲
MW/FM/SW1-6 (5.8-18.14MHz)
RA-68Sよりさらに小型で,ちょうど通勤ラジオくらいの大きさ。
余談ですが,ドイツのメーカー GRUNDIGの"MINI WORLD 100 PE "に外見,仕様とも酷似してます。もしかして,同じ製造元のOEM...?

[実験結果]

この時間帯に聞こえる日本向け日本語放送の受信を試みました。
(注.2002年10月27日以降,スケジュールを変更している局もあります。)

「受信状態」欄:受信状態の良い順に ☆☆☆☆〜☆〜×(受信不能)
(評価はあくまで主観です)
放送
(国名)
受信時間
(日本時間)
周波数
(kHz)
受信状態 備考
RA-68S RA-36S
台北国際放送 (台湾) 20:00 7130  
11605 × × *1
中国国際放送 (中国) 20:00 1044 ☆☆☆ ☆☆  
7190 ☆☆ ☆☆☆  
9855 ☆☆☆☆ ☆☆☆☆  
インドネシアの声
(インドネシア)
20:30 9525 ☆☆ 混信多い
朝鮮の声 (北朝鮮) 20:30 621 × ×  
6070 ☆☆  
ロシアの声 (ロシア) 21:00 630 混信あり
720 ☆☆☆ ☆☆  
5905 ☆☆ ☆☆☆  
7330 ☆☆☆ ☆☆☆☆  
7340 × ×  
ラジオ韓国 (韓国) 21:00 5975 ☆☆☆  
6135 ☆☆☆  
太平洋の声 (グアム) 21:00 9465 ☆☆☆☆ ☆☆☆☆  
イラン・イスラム共和国
国際放送 (イラン)
22:00 15235 × *2
15555  
ラジオ・タイランド (タイ) 22:00 11850 ☆☆☆ ☆☆☆☆  
AWR (グアム) 22:00 11705 × × *1
11980 ☆☆☆☆ ☆☆☆☆  
*1:両機種とも,11MHz帯(25メーターバンド)は,11750KHz近辺から受信可能
*2:RA-68Sの15MHz帯(19メーターバンド)は,15250kHz近辺から受信可能

[考察]

日本向け日本語放送に関しては,だいたいよく聞こえています

使ったラジオは,受信周波数ごとの感度にクセがあるようで,中波は,予想どおり筐体の少し大きいRA-68Sの方が良いのですが,短波の6MHzや7MHzでは,より小さいRA-36Sの方が感度が良いようです。

ただ,いくつか問題を感じました。

  • 周波数表示と実際の受信周波数がずれている
    =聞こえない周波数がある

これは,初めて短波ラジオを手にした方がとまどうことの一つだと思います。

[例1]
5975kHz(5.975MHz)のラジオ韓国を受信した時
ダイヤルが示している周波数
RA-68S → "NSB2" (= 6.115MHz)付近
RA-36S → "5.90"(MHz)

[例2]
両機種とも25メーターバンド(11MHz帯)では,表示は11.6MHz〜12.2MHzあたりですが,実際受信可能な周波数は,11.75MHz〜12.4MHzあたりです。
そして,実験結果に示したように,両機種とも 11.605MHzの「台北国際放送」が受信できないということもあります。
(たまたま,このサンプルだけの現象かもしれませんが...)

  • 選局つまみの反応がちょっと...

RA-68S
持ちやすいつまみがありますが,手を離すと少し周波数がずれたり,弱い電波では聞こえなくなってしまったりします。

RA-36S
小さいアナログにありがちな,上下にホイールを回すタイプ。電波のひしめきあっている短波では,ちょっと細かい操作が苦しいです。


[結論]

結論から言うと,私個人の正直な感想としては,合格点に達しないものの,温情で落第はなしというところです。(自分の学生時代を思い出すな〜^^;A)
でも値段を考えたら,これだけ聞こえれば御の字でしょうか。

ただし致命傷は,(仕様の)表示周波数と実際の受信周波数が甚だしくずれている=受信できない周波数があることです。
よって,普段ある程度のグレードのラジオを使っている私としては,不満は感じます。
しかし,聞きたいものが聞こえていて不満はないということなら使い続けても良いとは思います...。

まず,この種のラジオ,以前は出来不出来の差が激しくて,地元のAM放送さえ音が出ないなんてのもありましたが...今回は2台とも,なかなか良い感度で鳴っています。
以前より,品質管理が向上しているのかもしれません。
(このうちの1台を買ったお店では,こちらから言わずとも,わざわざ電池を入れて試しに鳴らしてくれました。^^)

しかしくどいようですが,これから短波ラジオを買おうと思うなら,「こんなラジオをおすすめします」に示した条件に合うものをオススメします。
(付け加えますが,有名メーカー製のものは,アナログの機種でも,この種のラジオよりは使いやすいはずです...。)


さらに,激安"デジタル"短波ラジオも使ってみました...
激安短波ラジオを再びなでまわす


(c) 2002-2004 gota

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