片手にラヂヲ♪ホームひとりごと「ゆっくり話す」ラジオ

最終改訂日:2004/08/12

ひとりごと( -.-) スペシャル

ゆっくり話す」ラジオ


買ってきました,ビクター「RA-BF1」

キューブ型(幅203mm×高さ196.5mm×奥行138mm),重さ約1.6kg(乾電池含まず),正面に10cmのスピーカがあります。
ちなみにルックスは,既発のホームラジオ「RA-H7」「RA-H5」とほとんど同じです。

JVC RA-BF1

私は,今たまたまこのサイトで「短波放送」をご案内してますが,ラジオ全般が好きだったりします。
そして,ラジオに限らず,アイデアの感じられるものはすべからず好きです。
そんな私が,発売を楽しみにしていたラジオが,
ビクター「RA-BF1」
です。

このラジオの概要は,プレスリリースを見てください。

短波は受信できませんが
「聴取補助システム」
という注目すべき機能があります。

値段は....え゛〜っ,
たかがラヂオに実売価格,35,000円っ (ToT;)
と,この値段ですが,しんぼこらえて買ってきました。
そのくらい,このアイデアには魅力がありました。

panel@JVC RA-BF1

外見からわかる操作系だけでも,よく考え抜かれています。

ボタン類もシンプルかつ大きくできてます。

上パネル (写真):
(写真上左から) はっきり/ゆっくり/聞き直し/おやすみタイマー/電源ボタン(青いボタン)
(写真下左から) 電池長持ち/バンド切替スイッチ
右側面:チューニングつまみ/音量つまみ
左側面:イヤホン端子
背面:イヤホンポケット/AM用ビートカットスイッチ/AC IN端子

それにしてもなんでしょ, スピーカーのでっぱりは?(^^;)

freq indicator@JVC RA-BF1

周波数表示も,AM/FM/TVと切り替えると回転して変わり,ほかのバンドと読み誤らない工夫がされています (写真はAM)。

一番上の黄色いインジケータはさわれるようになっていて,視力が弱くても見当がつけられるようになってます。
一番下の黄色のは,選局の目印にするマーカー。

それでは,電源コードをつないでスイッチオン。
(ちなみに,電池なら単二4本要ります。)
細かいことですが,音はほんの一瞬間をおいて出てきます。

音は,低音にやや歪みを感じるものの,全般に低音から高音までバランスのとれた聞きやすい音です。♪

では,いよいよメダマの機能を使ってみます。


[ゆっくり機能]

受信音をリアルタイムで,速度を落として再生する機能です。

  • 「ゆっくり聞こえる」か?

機能ON/OFFで聞き比べると,確かにゆっくり聞こえるようになっているのが感じられます。
しかも,音の歪みはほとんど感じられません。
ただ,想像したような劇的なスロー再生ではありません

また,効果は音源によるようです。
NHKのニュースや語学講座などは効果大です。

しかし,背景音のある公開番組や実況放送,複数名あるいはBGMのあるトークのように,絶え間なく音が出ているものは,効果 が薄いようです。
語句間の無音部分を確保して,再生速度を調整する動作原理のためと思われます。(ここは課題ありです。)

ちなみに,普通のラジオと同時に再生してみると,「ゆっくり」の音は,0.5〜1秒くらい遅れて出ています。

  • 音楽が入ってきたら....!?

「ゆっくり」で音楽が歪まないか心配でしたが,ちょっぴりリズム感がおかしくなる程度です。
再生速度の設定は,これも考えてのことかもしれません。

  • 「語学」に使えるか?

この機能を語学に役立てられないかという発想は当然あります。

そこで,東京で猛烈な英語のマシンガントークで畏れられたり好かれたり嫌われたりしている(^^;)810kHz  American Forces Network (AFN)をこれで聞いてみます。

ん〜....
AFNのマシンガントークが,VOAの"Special English"化てなことは,さすがにありません。(^^;)
しかし,今までさっぱり聞き取れなかった語句のアウトラインが浮かびあがる程度の効果はあります。

[はっきり機能]

要は従来機種にあった音質調整で言えば,「高」「中」「低」が,それぞれ「音楽」「切」「ニュース」にあたります。

  • 「ニュース」モード

このモードでの音の加工も積極的で,単なる音質調整以上の操作があるようです。

「ニュース」では,人の声に絞った音質になるほか,ことに複数名のトークでは,声がほぼ均等の音量で 聞こえます。ちょっとべったりした音にも思えますけど。

[聞き直し機能]

聞いている音を常時10秒間メモリーして,ボタン一つで聞き直せる機能です。
これも語学に使えそうです。

語学用機器によくある,メモリ再生する音の始め・終わりを打ち込む操作がないぶん,より手軽です。

[遠くの放送のリスニングに使えるか?]

ラジカセなど音質重視のラジオは,感度を抑えがちですが,RA-BF1のAMは"BCLラジオ"なみの感度で,受信可能そうな近隣諸国の放送は,ほぼ聞こえます

ならば,「ゆっくり」「はっきり」の機能は,遠くの放送,韓国語,中国語,ロシア語の放送のリスニングでも役立ちそうですが....。

「ゆっくり」は,雑音の少ない十分な強さの電波なら,効果が感じられます。しかし,雑音の目立つ電波では,効果はとたんに感じられなくなります。
「はっきり」は,若干雑音を減らす効果はありますが,それ以上の音質改善はなさそうです。

問題はRA-BF1が想定していない,遠くの放送独特の雑音(弱い電波の雑音,混信,音が強弱する"フェージング現象")です。
雑音が多い中では「ゆっくり」に必要な"無音"が確保しにくかったり,「はっきり」も,雑音除去という観点の機能ではないです。

もっとも,RA-BF1の主眼は「高齢者の聴取補助」ですので....。(^^;A


[まとめ]

高齢者を想定したコンセプトは成功していると思います。
見た目,操作性,音質etcのトータルのデザインの秀逸さも魅力です。

しかし,「ゆっくり」が有効な音源に条件があること,高い値段に は,まだ課題があると思います。

あくまで高齢者の聴取補助用です。
語学用,遠くの放送聴取用には,この製品とは違う音加工のデザインが必要だと思います。

それにしても,この技術の魅力は,ラジオといえど,リスナー側での積極的な音加工の様々な可能性が予感されることです。

リクエスト:語学用に,速度可変の「ゆっくり機能」をつけた「CDラジカセ」なんてお願いしたいところです。
(短波付がだめなら,外部音源も再生できるように,"LINE IN"か"MIC"端子もぜひ。)

(2002/12/15記)


[追記]

2004年7月22日付プレスリリースで, この聴力補助システム搭載機種の第2弾のTV/FM/AMラジオ「RA-BF3」とCDポータブルシステム「RC-BF10」 の9月1日発売が予告されています。
「RC-BF10」はCDラジカセで,外部入力もカバーしているようです。 p(^^)q わくわく
(2004/08/12記)

(c) 2002-2004 gota

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