何かとストレスの多い世の中でして,音楽にクスリのような効き目を求める向きも出てきます。
筆者ごたさん,すでにオーバードース気味です。(^^;)
<参考>世の中的に需要の多そうな不眠,安眠対策のものは「睡眠」,妊婦,乳幼児向けのものは「育児」に,需要があるのかないのかわからないものの^^;結構存在する"サウンドドラッグ"系は「恐怖」に,さらに深く入り込みたい方々のための瞑想,催眠用のものは「解脱」に,ここ数年,"特殊音源"を怒涛のように出している苫米地英人関係は「苫米地」にまとまってます。
※「育児」「苫米地」関係の記事は,このページから分離,別ページにまとめました。(2011/07/17)
「顔筋ソング」
- 日本盤 en+ten Records ENTR-0104 (2007)
- TT:15'27"
- 1.顔やせエクササイズ・プロローグ(0'16") / 2.ハロー Beauty Face(4'03") / 3.大小頬骨筋ガム(4'18") / 4.口眼輪筋サーキット(2'51") / 5.グッバイ…ほうれい線(3'58")
- Vocal : jully☆S / Music : akihiro gotoh(Double Vision) / Word : Balloonfish E / Arrange : masamithu☆shimoguchi
歌詞中に口を開いて発音させるフレーズを入れ,表情筋を動かして顔を引き締めるというCD。
ダイエット用のCDは,かなりいろいろありますが,顔やせに特化したものは,たぶんこれだけだと思います。(^^;)
最初はネタかと思いましたが,中身はけっこうまじめに取り組んでいます。歌のjully☆Sさんが,体操のお兄さんのノリで動作の指示を入れてくれます。(^^;)
例えば2.では歌詞中に「あの いの うの えの おの」とか「らぷ りぷ るぷ れぷ ろぷ」などのフレーズを聴き手が歌うことで頬の筋肉を使うようになっています。
5.はほうれい線対策で,聴き手が口に空気を入れて吐き出す動作をリズミカルに繰り返し,そのリズムで歌が歌われるようになっているなど,かなりよく考えられています。(^^;)
ただ,筆者はリリースから5年後入手したので,かすりもしていなかったと思いきや,ネットを検索してみると,意外とこれに言及したブログや,レビューがあって驚かされます。(^^;)
しかし,顔の膨らんだ赤い金魚のジャケのインパクトは,流行物の祭りの後の侘しさにじわじわ変わってきます。(^^;)
「ザ・ベスト・オブ・リラクセーション サブリミナルによる潜在能力開発 実力発揮」
- 日本盤 Entertainment Soft Shop Net-work ESS-1013 (2000)
- TT:56'47"
- 1.コンセントレーション Concentration(12'21") / 2.目覚め Conversion(12'10) / 3.インスピレーション Inspiration(11'29") / 4.無限の広がり Expansion(11'03") / 5.シャドウ Shadow(9'43")
- 作・編曲:百石元(1-4) / 悠木昭宏(5)
「このCDは,あなたの内側で眠っている,あなた自身も気づいていない不思議な力を目覚めさせ,引き出してくれます」というCD。
全編波の音をバックに,緩いテンポで短いフレーズの繰り返しを中心に展開する曲が並んでいます。
1.はエレピの音色,2.は同様ベルの音色とコーラスの音色,3,4,5.はストリングシンセとコーラスの音色。
1〜4.はアンビエント一歩手前なものの,1.のエレピの流し方などにフュージョン的な感じがするところがあります。
5.は作者さんが違い,少しクラシック風のハーモニーも感じさせますが,違和感はありません。
イージーリスニング的には,悪くありません。
5.の作曲者,悠木昭宏氏はこの手のCDではおなじみの名前です。(別項参照)
意外なのは,1〜4.の作曲者の百石元氏で,ジャズピアニストの松居慶子のセッションに参加していたり,なんと「けいおん!」のサントラまで手がけていたりする人物だったりします。
癒し系CD,恐るべし。(^^;)
「鳳来 葬祭用BGM集」
- 日本盤 FANTECH FR-00001 (制作年不明)
- TT:55'15"
- 1.昇天(7'00") / 2.風舞(7'11") / 3.空寂(6'01") / 4.静夢(5'57") / 5.ノスタルジア〜童謡メドレー〜 ふるさと/赤とんぼ/夕焼け小やけ/しゃぼん玉/七つの子/里の秋(13'53") / 6.天峰〜雲の彼方に〜(8'13") / 7.鳳来(6'26")
- produced by FANTECH
- 企画・制作:演出機器販売
- 作・編曲:観音寺修(1-4,6) / 森田竜二(7,5[編曲])
- 演奏:シンセサイザー 観音寺修(1-4,6) / 白井健治(5) / 森田竜二(5,7) / AG 米村利治(7)
なんと,癒しどころか,悲しみにくれるお葬式用の一枚。A^^;
中古CD店で見つけた一品ですが,本来おそらく市販されていない業務用。
しかし,これがアンビエント的シンセ音楽の秀作。(^^;)
1,4.は,長くたなびく,しかも微妙にふるえるオルガン風の音色の上を,これまた緩く続いていく笛のような音色のオリエンタルなメロディーがたゆたっています。聞きようによっては,70年代のKlaus Schulze作品の,長い長いイントロ部に似ています。^^;
2,3.は,深いリヴァーブのかかった教会オルガン風音色の,これまた低速再生の喜多郎風^^;。作者さん,このスジの音楽に深いところで影響を受けていそうです。
6.は,比較的明確なメロディーがあって,「最後のお別れ,出棺,といった場面で使っていただきたい」と解説があり,最後はちょっと盛り上がっていく展開です。
5,7.は演奏者が違うからか,とたんにベタなメロディーの癒し音楽に。童謡もアンビエント化してくれていたら,絶賛の嵐だったのてすが^^;。
解説書には,その5,7.の作者,森田氏の手になる序文があり,ショーアップされる葬祭に疑問を呈しつつ「悲しみに暮れる人たちに少しでも,ほんの少しでも心の安らぎと,勇気を与えることができたら…全てはそこから始まりました」と記されています。
日々の仕事を見つめるその生真面目さが,このCDにも実を結んでいるかと。(-人-)
「マインド・セラピー・シリーズ4 精・神・集・中」 "Mind Therapy - Mind Concentration"
- 日本盤 First Music (released by Keep) MSS-704 (2001)
- TT:43'00"
- 1.風の中で(10'33") / 2.突き進め!(9'25") / 3.集中力(6'15") / 4.持続力(10'15") / 5.心の声(6'30")
「ミニマル・サウンドが心身の緊張や不安をときほぐし,右脳を活性化することによって高度の集中力を発揮させます。」というCD。
右脳の活性化を謳う割には,さほどサイキックなイメージの曲はなく,タイトルに対してはベタな曲想です。
1.は確かにチェレスタ風音色での繰り返しフレーズを多用していますが,呪術的なものではなく,その上に明るめのメロディーが乗った,さわやかさを感じさせる軽い曲。
2.は,この種の音楽には珍しく,アップテンポの8ビートのドラムが入り,躍動感のあるタイトルのイメージにベタベタな曲。企業PRビデオにありがちな音楽^^;。
3.は,民族音楽的にも聞こえる弦楽器の音色の上に,シンセの音色をまぶした曲。
4.は音数少なめに,深いリバーブのかかった,緩い動きのコーラスの音色中心の曲。ちょっとアンビエントっぼさがあります。
5.は,高い笛のような音色で,緩いメロディーを重ねたような,アンビエントっぽい曲。さしたる展開もなく,なんとなく終わります。
「サウンド・エステ・サロン 幸運 good fortune」
- 日本盤 First Music (発売:Keep) SES-802 (2001)
- TT:42'56"
- 1.幸運の始まり(6'58") / 2.Let's Start!(4'32") / 3.ストレート・ストリート(5'53") / 4.鐘の音(6'34") / 5.オレンジスカッシュ(4'51") / 6.チャンス到来!(7'39") / 7.It'S all right!(6'28")
「音響人間工学をヒントに,α波への感度を高めるリズムとメロディーが精神を安定させます」というCD。(よく読むと,なんのこっちゃねんですが。^^;)
音楽は,あまりサイキックな感じのない,リズム,ハーモニー,メロディーも明快なもの。
ドラマのサブタイトルのごとき曲名^^;が並んでいますが,曲もそのタイトルを反映させたような曲想のものが多く,雰囲気的には,教育テレビの子供向け番組のテーマ曲です。(^^;)
例えば,2.はチェレスタの音色でのワルツ,3.ではスティールギターの音色,4.はまんま鐘の音を使っていたり,アップテンポでユーモラスな曲が多いです。
しっかりしたアレンジで,曲想もバラエティに富んでいて,案外聞き飽きません。
もっとも,α波が出るかどうかはわかりませんが。(^^;)
「JAF Earthsound & Music - Relax」
- 日本盤 JAF CRC-1087 (2001)
- TT:44'23"
- 1.Morning Dew(8'05") / 2.木漏れ日の中で(7'28")/ 3.せせらぎ(5'11") / 4.Sea Breeze(4'40") / 5.波間に揺られて(4'37") / 6.海岸道路(7'34") / 7.Bright Light(6'46")
なんと,あのJAF(日本自動車連盟)が制作したCD。
解説によると,渋滞に巻き込まれた際のストレス解消というのが,主眼のようです。
レーベル一面に,どんとJAFマークがデザインされてたりして,妙に見た目のインパクトがあります。(^^;)
曲間に自然音を挟みつつ,どれも明るいニューエイジ風の音楽。もっとも,4,5.はほとんどフュージョン風ですが。
解説には「アルファ波」の解説もありますが,運転中にアルファ波が出たりしてだいじょうぶなのでしょうか。(^^;)
「脳幹を鍛える 聴脳エクササイズ vol.1」
- 日本盤 S&Kサウンドクリエイト(無番号,2008)
- TT:47'02"
- [音量を決める] 1.CDを聴く前に(0'30") / 2.音量設定について(0'13) / 3.音量を決める音楽(0'35") / [ウォーミングアップ] 4.ナレーション(0'20") / 5.ハープの響き(1'03") / 6.ヴィブラフォンの響き(1'07") / 7.ホワイトノイズ・ビート(0'42") / 8.位相をずらした音1(0'33") / 9.位相をずらした音2(0'33") / 10.センター・フォーカス1(0'17") / 11.センター・フォーカス2(0'12") / 12.ボイス・バランス1(1'02) / 13.ボイス・バランス2(1'02") / 14.ミッシングファダメンタル(0'32") / [イマジネーション] 15.ナレーション(0'06") / 16.ミスマッチな世界(3'10") / 17.癒しのヴィブラフォン(0'58") / 18.なつかしい音(1'04") / 19.言霊スパイラル(2'27") / 20.onとoff(2'08") / 21.切断された水道(0'26") / 22.リバーブ1(1'03") / 23.リバーブ2(1'01") / [エンターテイメント]
- 24.ナレーション(0'07") / 25.赤ちゃんの部屋(2'00") / 26.広がるハープ(1'28") / 27.スペース・ワールド(1'58") / 28.ボート・トラベル(4'17") / 29.ヘリコプター(1'02") / 30.舞い上がるハープ(1'19") / [リラクゼーション] 31.ナレーション(0'12") / 32.せせらぎ(5'35") / 33.森の世界(8'00")
- 坂田英明監修 / サウンドデザイナー:小松久明・田尾優子制作 / ハープ奏者:野溝法子 / ナレーター:水原里枝香
「聴くだけで頭がよくなる 音のCDブック」の著者による,「CDを聴くことで脳幹の働きを活発にする」,「脳内をかけめぐるような音や立体的で躍動感にあふれた音を聴き,脳を活性化させる」(解説書)という一枚。
あの"超高速サウンド"の「音脳法」に発想が近いようにも思えますが…。(^^;)
中身は,キテレツな音のオンパレードで,変わった音の効果音集といったところです。
とにかく,節操なくいろいろな音が出てきてせわしなく,癒されるよりは結構疲れます。(^^;)
「ウォーミングアップ」は,8,9,14のような正弦波音をベースにした音がテクノファンにはツボか。(^^;)
「イマジネーション」では,タイトルからしてシュールなのが続きます。(^^;)
16.は,「こぽこぽこぽ」と水中のあぶくのような音がする中,車が走り抜ける音,列車の停止音,ビックベンの鐘の音などが無造作に入ってきます。
19.は,脈絡のない言葉を並べた,リバーブのかかったナレーション。
20.は,ハープの数秒のごく短い断片が淡々と続きます。これを数十分やってくれたら真性のアバンギャルドですが。(^^;)
「エンターテイメント」も,動きのある音。
25.では乳児の声だけでなく,謎なシンセティックな効果音まで。
27.は,宇宙的というよりは,終始「しゅっ」と何かが高速で飛び去っていく音が印象に残ります。
28.もただボートをこぐ音だけでなく,なぜか様々な効果音が脈絡なく入ってきます。
29.にもヘリの音ととともに,なぜか波の音が。
で,いろんな音を聞かされて疲れた後の「リラクゼーション」のパートも,けっこう手を入れてきています。(^^;)
32.のせせらぎの音にもハープとヴァイブの音が加えられ,33.も鳥,せせらぎ,雨音,馬の蹄の音,カエルの声など展開しています。お疲れ様でした。(^^;)
「作品vol.1−Concentration 集中力がつく音楽」
- 日本盤 TOYO B.G.M. (distributed by ELE) TO-0001 (制作年不明)
- TT:40'58"
- 1.パープル・ラグーン(5'05") / 2.虹の架け橋(5'04") / 3.静寂のかなたから(5'05") / 4.夢のように(5'06") / 5.時は流れて(5'06") / 6.パープル・シャドウ(5'21") / 7.訪れ(5'12") / 8.ドリーマー(4'57")
ネットを検索しても,一切情報のないナゾのCD。(^^;)
「脳波をα波状態にして学習効果を高めるリラクセーション・ミュージックのご案内」という一文と,渡辺茂夫氏(この種のCDではおなじみの名前です^^;)による「1/fBGMとニューエイジミュージック」という解説があります。
曲は各5分と短めですが,意図的にタイムを揃えたようにも見えます。(^^;)
1〜5.は,ありがちなゆったりしたテンポでの,ストリングシンセのたなびくシンセ演奏中心。ただ,シンセの音色は平たく,音楽としての味わいはイマイチです。
6〜8.は,シンセ演奏には違いないのですが,趣が変わってニューエイジというよりは,フュージョン的な曲が並んでいます。こういうところでこういう曲に遭うと,妙に聞き入ってしまったりして。(^^;)
「水−自然への回帰 Nature Aquarium World」
- 日本盤 アクアデザインアマノ ADA-999 (制作年不明)
- TT:61'30"
- 1.Prologue〜雨季の増水(10'32") / 2.陽光ゆらぐ(9'39") / 3.O2誕生(9'38") / 4.楽園への憧憬(9'54") / 5.水中散歩(10'32") / 6.水−自然への回帰(11'13")
- 作曲・演奏:小松重次
なんと,観賞魚用器具の会社から出されたCD。
帯には「世界初,アクアリウムを鑑賞するための音楽」とあります。確かに,他ではこういう用途のCDは聞いたことはありませんが。(^^;)
発売元は,熱帯雨林の写真家でもある天野尚氏が設立した,水槽内に自然界の水景を再現する「ネイチャーアクアリウム」を提唱している会社で,その関連で制作されたCDのようです。(ちなみに氏の写真は,「秘境」ページで採り上げた「ネイチャー・サウンド・ギャラリー アマゾン」でも使われています。)
作曲の小松重次氏は,1970年代のフォーク畑出身,現在はCMの作曲を主としているそうです。
1.は,冒頭水が滴る音から始まり鳥の声,川の流れの音などがプロローグ。そして,本編は低い音色のストリングシンセで,ごくごく緩いメロディーを奏でています。
そして2.以下も同様に,水の音を取り込みながら,ゆったりしたメロディーを繰り広げています。
各曲とも,さして盛り上げず淡々と進んでいくのがいい味わい。ただし,5,6.は,ちょっとベタなメロディーがあって,盛り上がってしまうところがありますが。(^^;)
水槽の中を覗き込みながら聞くという目的には,かなったものと言えそうです。
筆者の好みでは,もっとアンビエント色を濃くして,水槽ともどもインスタレーション的に見せるのもありかなと思ったりもしますけど。(^^;)
「Pastral Wind - 1/fのゆらぎによるエステティック」
- 日本盤 アポロン APCE-5062 (1990)
- TT:57'51"
- 1.Pastral Wind(8'59") / 2.朝もやの中で(4'36") / 3.水の詩(5'44") / 4.木漏れ陽(5'06") / 5.黄昏色の草原(4'38") / 6.妖精の森(8'02") / 7.風のほほえみ(4'22") / 8.せせらぎにて(5'26") / 9.フラワーレイン(4'31") / 10.瑠璃色の彼方(6'25")
- 作曲・編曲・演奏:矢吹紫帆
- 企画・制作:鐘紡株式会社 カネボウ化粧品本部 美容研究所 / 監修:鐘紡株式会社 カネボウ化粧品本部 サロン ド エステ / 制作・発売:株式会社アポロン
解説書には「日頃と違う気分を実感するために,田園風景を奏でる音楽と香りをブレンドしました」とあります。
中にその「香り」を出していたと思われるカードが封入されています。さすがに15年以上経って中古で入手したわけですが,まだほのかに香ってます。(^^;)
各トラックとも,穏やかなテンポのシンセ音楽,曲によっては冒頭に鳥のさえずりや川のせせらぎの音という構成。
音楽は悪くありませんが,アバンギャルド好みの筆者ごたさんには通俗的過ぎる感じではあります。(^^;)
ジャケには「カネボウ」のロゴマーク,プロデューサーも同社から出されていて,カネボウ主導で制作されたものであることがわかります。
「バブル」の時代の余裕だったのでしょうか,その後の同社の運命を思うと,時の流れの重さもまた感じられます。
ゲンザン三好 / 山本純ノ介「α波1/fのゆらぎ フューチャー・エコー」
- 日本盤 アポロン APCE-5079 (1990)
- TT:42'43"
- 1.フューチャー・エコー(21'49") / 2.虹色のしずく(3'58") / 3.漂泊(4'08") / 4.やすらぎの灯(4'22") / 5.舞い遊び(3'11") / 6.旅立ち(5'13")
- Composed(1,2,4,5,6) & Bamboo Flute Played by Genzan Miyoshi / Composed(1,3) & Synthesizer Played by Junnosuke Yamamoto
帯には「心の不安を取り除く「感じる」音楽」とあります。
同封の解説書には,本作と関係あるのかないのかわからない^^;脳波研究の解説もあり。
メインは,ジャズにも手を広げているという尺八奏者,三好ゲンザン(芫山)氏。
アルバム全体のカラーは,同時期にアポロン(「睡眠」参照)やソニー(「弛緩」参照)でもこの種のアルバムを手がけた山本純ノ介氏のひんやりとした現代音楽的テイストです。
長尺の曲1曲+小曲が並ぶ構成は,ちょっとプログレ的。(^^;)
1.は,いかにもゲンダイオンガク的に,ゆっくりと打つ鐘のような音,蝉時雨,読経の音で静かに始まり,やがて尺八のメロディーが流れてきます。現れては消えていくバックのシンセなどの音色の上に,尺八の音色がうっすら漂い,最後はドラムのビートも現れ,盛り上がりを見せます。
2.は,せせらぎと鳥の声をバックに,尺八の音色の影のようにシンセがついています。
3.は,ちょっと変調のかかったジャズ的ピアノの音色。
4.は,尺八の音色の隙間を埋めるように,ベルのような音色のシンセが絡んでいます。
5.は,この流れでまさかの,ドラム,ベースのリズムの入ったジャズ的フィールの曲。(^^;)
6.は,波の音で始まり,尺八の音色にシンセが絡み,後半はシンセをメインに,映画音楽のしんみりしたエンディングのような佇まい。
「θ波|願望実現 Cinematic Music」
- 日本盤 アポロン APCE-5173 (1991)
- TT:51'53"
- 1.モーティヴェーション Motivation(12'03") / 2.新たなる可能性 Possibility(13'28") / 3.シネマティクス Cinematics(12'50") / 4.実現への道 Realization(13'30")
- 解説・監修:田中孝顕 / 作・編曲:悠木明宏 / Syn:高橋謙吉
「「カン」,「ヒラメキ」,「インスピレーション」,あるいは創造力の発揮」につながる,深い瞑想状態で生じるという「覚醒θ波」をお題にした一枚。
収録された音楽は,緩いテンポのたゆたうようなシンセ音楽。
どの曲も,たなびく音の上に緩いメロディーが繰り返しながら乗っている感じです。
ただ,メロディーもリズムも割合はっきりしたちょいベタな音楽^^;で,この音で各曲13分前後は,ちょい飽きるかなと。
「θ波 発想力UPのためのリラクセーション・ミュージック」
- 日本盤 アポロン APCE-5332 (1993)
- TT:44'04"
- 1. 感性のままに Sensibility(10'58") / 2.クリエーション Creation(11'07") / 3.新しい着想 Conception(11'53") / 4.ニュー・タイプ New Type(10'04")
- 作・編曲・シンセサイザー:吉川清之
アポロンの「θ波」シリーズの一枚。
全曲,主にストリングシンセの音で構成されていて,リズム楽器の類の音はありません。
悪くはないのですが,終始分厚いストリングシンセの音が,しかもずっと同じ音色でしています。
それでいて曲も展開に乏しいせいか,どの曲も同じにしか聞こえなくて,聴き通すのがちょっと苦しい一枚。
「特効音薬 サブリミナル効果による集中力強化」
- 日本盤 アポロン APCE-5361 (1994)
- TT:56'31"
- 1.微動(7'16") / 2.深海(7'16") / 3.夢想界(11'07") / 4.波紋(8'59") / 5.流景(6'50") / 6.夕霧(10'01") / 7.微光彩(5'00")
解説書には「音楽内容 波の音とスローテンポのインストゥルメンタル・ミュージック」「効能 集中することが好きになる。短時間で集中出来る様になる。持続力がつく。落ち着いて物事が,考えられる様になる。」とあります。
こういう効能を謳った音楽は,正直あまり期待していないのですが,これは意外や意外,大当たりでした。(^^;)
波の音(というより,潮騒の音)がCDの最初から最後まで流れ続けています。その上に音楽が乗っています。
音楽は,基本的にビートのないごく緩いテンポで,たなびくストリング系の音の上に,様々な音色でメロディーが繰り返し流れるものです。
メロディーは「ミニマル」のようにごく短いものではなく,ある程度の長さの流れがあって,それが1曲のなかで何回か繰り返されるような展開をしています。
その音量と言い,長さと言い,背景の波の音(意外と大きめに聞こえている)とのバランスと言い,きっちり計算がされた感じです。
白眉は,6.で冒頭,たなびくストリングシンセにパンフルート風の音色のメロディーが乗ったフレーズに始まり,後半ミュートのかかったトランペット
のジャズっぽいフレーズが入ります。これが,潮騒の音と絡んでいい味わいです。続くラスト7.は,潮騒とギターの単純なフレーズの繰り返しでシメ。この流れは,絶妙です。
集中力どころか,心地よすぎて寝てしまいましたが。^^;A
こんな良い音楽を作った作曲者がきちんとクレジットされていないのですが,プロデューサーの植地雅哉氏と思われます。(「サブリミナル効果による 安眠」参照)
「特効音薬 サブリミナル効果による記憶力強化」
- 日本盤 アポロン APCE-5393 (1995)
- TT:51'24"
- 1.Intellectual Life(6'28") / 2.Floating Space(9'40") / 3.Brains(10'12")/ 4.A Clear Head(5'29") / 5.Intellect(7'00") / 6.Knowledge(7'42") / 7.Intelligence of Infinity(4'51")
- Producer : 植地雅哉
かつてアポロンから出ていた「特効音薬」シリーズの一枚。
効能は「記憶することが好きになる。/多くのことを記憶できるようになる。/記憶の再現が用意になる。」です。
肝心の内容は,川のせせらぎの音を背景に,ピアノ中心のアレンジの音楽。
せせらぎの音量が意外とありますが,違和感はなく気持ちよく聴けます。
ラスト7.は,どこかで聞いたことがあると思ったら,同じ「特効音薬」シリーズの「集中力強化」のラスト,ギターの音色で奏されていた曲のビアノ版。^^;
余談ですが,ブックレットの最後に「聞き方」のページがありますが,その中に「空腹時以外でお聞き下さい。(空腹時は,エネルギー源が少なくなっており意識の働きが鈍くなるためです。)」という指示が。
今の今まで気がつきませんでした。^^;
「素麗夢 Liten to this Oriental herb / Diet Music Slim」
- 日本盤 イービーエム ビューティー&ヘルシー事業部 EBM-002(制作年不明)
- TT:51'12"
- 1.Release 宇宙意識−心の解放−[イメージング](7'31") / 2.Asian Breeze
神秘のそよぎ[肥満防止のツボ押し](6'05") / 3.Continental Sky 大空の夢旅[イメージング](8'15") /
4.Physical Control きらめく美と[ストレッチ](6'03") / 5.Smoothly ゆらぎの園へ[イメージング](7'43") / 6.Tea Break On Silk Road オリエンタル・ハーブ[お茶の時間](6'45") / 7.Galaxy In Time 銀河の吐息[イメージング](8'48")
- sound direction : Symphonia Kameyama / produce : Acitieth
CDのタイトル,最初は「スライム」と読んでしまいました。(これは,やっぱり「スリム」ですよね。^^;)
しかし,この音楽だけでダイエットになるかというと,そこまで世間は甘くなく,解説書にはやはりダイエットのためのトレーニング法がしっかり書いてあります。^^;
概してタイトルどおり,NHKの中央アジア紀行ドキュメンタリーのサントラ風^^;のオリエンタルメロディー,リズム感の曲が多いです。
ダイエットに求められる音楽は,体を動かしながら聞く曲,ほどほどの高揚感,オサレさのある爽快感というイメージなのですね。^^;A
「ハートエナジーサウンド ナチュラルシリーズ (四季と水) Vol.1 うぐいすとせせらぎ」
- 日本盤 エスエスカンパニー HS-N-1C (2005)
- TT:60'42"(1トラック)
インレイカードには「右脳刺激はもとより更に,ハート(心臓や胸腺)に強く共鳴」して「「愛,やさしさ,情熱」のハートを開きます」とあります。
心臓までキキメがあるというのは,今まで入手したものの中では最強の一枚かもと。(^^;)
内容はタイトルが示すとおり,せせらぎの音に鳥のさえずり,ウグイスの鳴き声が入っています。
鳥のさえずりは,途中音量のバランスが変わったり引っ込んだりもしますが,せせらぎとウグイスは終始聞こえています。
音は,いずれの要素もやや大きめの音量でくっきりと聞こえます。
ただ,そのくっきりした音のせいで,かえって聞き飽きる感じもなくはないです。(^^;)
「できる人は右耳を使っている!」
- 篠原佳年・著
- きこ書房/A5判/131ページ/2009年1月30日第1刷発行
- 聴覚セラピーCD (TT:18'57") 1.(4'34") / 2.(4'43") / 3.(4'55") / 4.(4'43")
本の帯には「仕事や人間関係がうまくいかないのは、耳のせいかもしれない!耳を変えさえすれば、人生は一変する!」とあり、耳と諸問題との関係や、例によって脳との関係などの自説が展開されています。
(それにしても、「耳の自己診断表」(p.17)で、「クラシック音楽はもともと嫌いだ」と、「耳の問題を疑うべき」ってのはどうなのよ。^^;)
付属CDに収録されたのは「高周波音を豊富に含んだ楽曲」。8,000Hzの音は「母親の胎内に響く骨導音を聴いていた時を疑似体験」させるのだそうで。
曲はいずれも,繰り返しのフレーズを多用した,ありがちなシンセ音楽。とは言え,心地よさもあって,聞いていて悪くはありません。
「高周波音」ですが,確かに普通の音楽と比べると,少し高めの音が「ヒリヒリ」しています。(3.だけがそういう感じがしないのですが,ヌキでしょうか?^^;)
「超能力への挑戦」 Takashi Toyoda "Samadhi"
- 日本盤 キング 280E 52050 (1989)
- TT:44'30"
- 1.天の恵み(10'16) / 2.地の恵み(10'44") / 3.海の幸(12"22") / 4.山の幸(10'56")
- 作曲・編曲:豊田貴志(1,2,4) / 作曲:豊田裕子(3)
- 豊田貴志(バイオリン,笛,太鼓,鈴,ギター) / 豊田裕子(笛,太鼓)
それにしても「超能力」とは,もはや"死語"に近い懐かしさですが,今やインターネットやAIの方がよほど超能力っぽいか。^^;
解説によれば,世界で初めて「α波を計測しながら作曲された音楽」としてリリースされた中の一枚。
ここで言う「超能力」は,「トランス状態」で現れるもので,1曲目で精神統一,2曲目で脳をトランス状態に,3曲目で超能力発揮^^;,4曲目でトランス状態から離れるという構成とのこと。
英文タイトルの「サマーディ」は,サンスクリット語の音写「三昧」のことで,瞑想で精神集中が深まりきった状態のこと。
曲調は,笛、太鼓中心のシンプルなアレンジながら,壮大でロマンチック,プログレっぽさ満載です。
タジ・マハル旅行団,ジャズロックのSpace Circus,さらに原田真二&クライシスにも参加していたマルチインストゥルメンタリスト,豊田貴志の作品という方がすっきりします。^^;
1.は,ダイナミックな笛と太鼓の編曲。
2.は,静寂感を感じさせる笛やバイオリンの音色から,後半に徐々に盛り上がる太鼓が入ります。
3.は,茫洋と響く波の音と笛の幽玄な音色。
4.は,これまでとはまるで違う,繰り返されるオリエンタルなメロディーのこもった音色のギター。
「漢方癒音 風水 勾陳・騰蛇」
- 日本盤 キングインターナショナル KICP-5507 (2003)
- TT:44'01"
- 1.勾陳・騰蛇 Serpent part 1(23'04") / 2.勾陳・騰蛇 Serpent part 2(20'54")
- Composer : Wu Xiao-ping / Performed by Shanghai Chinese Traditional Orchestra
- Licenced by Wind Records
「東西南北・中央それぞれに神獣が宿り,大地や人間を守っている…そんな風水"四神思想"をもとに誕生したのが風水5枚シリーズ」とのこと。
その中の「勾陳・騰蛇」(こうちん・こうだ)とは,四神に守られ支配する黄色いペアの蛇のことだそうで。
したがって,ジャケも黄色でデザインされています。
「事前に曲を聴くことで仕事や人間関係のトラブルを未然に防ぐ」「異性へのアピール度,第一印象が良くなる」などの効果があるそうで。(^^;)
内容は,典型的な中華民族音楽のオーケストラ。
ただ,筆者的には,この種の音楽は愛想はいいんですが,いつも聴いてて飽きてくるものがあるので,聴き通すのは個人的には辛いものが。(^^;)
ちなみに,オリジナル盤は台湾の"風潮音樂"の「中宮土勾陳・騰蛇主長壽」という,もっと効き目のありそうなタイトル。(^^;)
「今すぐ幸せになれる スピリチュアルヒーリング」
- CDブック(ソフトカバー/B6判/192p/\1,300+税)
- 天宮華蓮・著
- 現代書林 (2007年12月17日初版発行)
- TT:22'19"
- 1.(4'04") / 2.(3'53") / 3.(5'26") / 4.(4'29") / 5.(4'25")
「癒しエネルギーCD付き」という,スピリチュアル系書籍。
本の内容は,この付録CDの音源提供もしている会社の製品にまつわる,著者や関係者の体験談で,多分に宣伝っぽい内容ではあります。
付録のCDは,かけるだけでエネルギーが出る,というだけでなく,なんと「音楽を聴くことではなく「CDを回す」ことで効果が発揮される」という,究極の一枚です。(^^;)
収録されている音楽はオリジナル曲のようですが,意外にも曲も演奏もほとんどクラシックの管弦楽です。
音からして,小規模ながら生のオーケストラらしく,弦楽だけでなく,金管,木管,ハープ,チェレスタなどが揃った,格調高い演奏です。
他の「ヒーリングCD」にありがちな,イージーリスニング的な要素や,電子音楽的な陶酔感を誘うサウンドもありません。
ところで,CDの盤面を見ると,小さな文字で「PRESSED IN TAIWAN」と記されています。
で,台湾盤の「仏教音楽」(別項参照)を思い出したのですが…。(^^;)
「音脳法」
- 山岡尚樹・著/七田眞・監修
- シンコーミュージック(A5版・157ページ,2008年7月9日初版発行)
- 「ブレインサウンドCD」(TT:49'52") 1."快脳サウンド"「威風堂々」ブレインオーケストラ / 2-8."超高速サウンド"「アイネクライネ・ナハトムジーク」2倍速〜32倍速 / 9-13."聖徳耳サウンド" 2音〜10音 / 14-15. "幸せ言葉サウンド" 日本語編,世界15ヶ国語編 / 16-18. "願望実現イメージトレーニング" 通常速〜8倍速
「音であなたの人生が変わる」「聴くだけで脳が変わるブレインサウンドCD付き」というフレコミの一冊。
ちなみに,監修者の七田眞氏には,Wikipediaにこんな情報があります。(^^;)
それにしても,収録されているサウンドは最高レベルのキテレツさです^^;。
「快脳サウンド」1.は,エルガーの「威風堂々」を,オーケストラの低音パートのみから聴かせ始め,徐々に高音パートを加えていくという,いわば"ダブ"バージョン^^;。
これが何に効くかというと,頭の中で一曲が完成する快感で脳を変えるのだそうで。^^;
ただ音響的には,低音から高音へというアレンジはベタだし,オケの音もMIDIらしい音の薄さで期待はずれ。
「超高速サウンド」は,「アイネクライネ」を,曲がわからなくなるほどの高速で再生するもの。3.で示された約6分の原曲が,8.の"32倍速"では17秒に@o@。入ってくる情報が早いほど右脳が活発になる,というのですが…^^;A。(関連商品で「超高速落語」という,メマイがしそうなものも…^^;。)
では,マクシミアンノ・コブラの,半分のテンポのモーツァルトの演奏を聞いている筆者,右脳が弱っておバカになってしまうのでしょうか。^^;A
「聖徳耳サウンド」は,聖徳太子のように,脳が10の情報を処理できれば一度に多くのことをこなせる,と。(はあ…^^;)
しかし,朗読,音楽,効果音を10種類同時に再生した9.のサウンドが,強烈。めちゃ過激な音響作品になってしまっています。本CDの白眉^^;。
「幸せ言葉サウンド」は,約5分間,パッヘルベルのカノンの演奏をバックに「ありがとう」「しあわせ」「あいしてる」という"ポジティブ"な言葉が,間を開けて次々に聞こえてきます。15.はその多言語バージョン。「水伝」と同じカホリがしてきます^^;。
聞きようによっては,社会を明るくしようみたいな公共広告にも聞こえますが…。(^^;)
「願望実現サウンド」は,ありがちなアンビエント・サウンドをバックにした催眠誘導のトラックですが,これに"倍速"バージョンがあるのが,こいつならでは。
冒頭で「ゆっくり息を吸い込んで…」と言ってるのに,倍速ってのはどうよ。^^;
「音脳法2 きくきく音サプリ」
- 山岡尚樹・著/七田眞・監修
- シンコーミュージック(A5版・109ページ,2009年4月8日初版発行)
- 「全60種音サプリメント入りCD」(TT:66'02") 1-12.ハピネス音サプリ / 13-20.デイリー音サプリ / 21-32.ビジネス音サプリ / 33-44.ドリーム音サプリ / 45-52.リラックス音サプリ / 53-60.スーパー音サプリ
上記「音脳法」第二弾。ただし,こちらは過激サウンド満載の前作^^;とは,だいぶアプローチを変えています。
CDの内容を端的に言えば,こんな気分になりたい,というシチュエーションに合わせて選ばれた,各トラック1分弱の効果音楽,効果音の羅列です。
しかし普通の人は,こんなCDばかり聞いている筆者と違って,斬新に感じられるのかもしれません。^^;
例えば「ハピネス音」の2.「楽天思考でいこう」では,コミカルなバンジョーのような音色のメロディー,4.「心の中に灯をともす」では,たき火の音(ベタだわ…^^;) etc.。
ただ,例えば14.「朝の身支度に」のアップテンポのドタバタしたコミカルな音楽みたいに,シチュエーションに音を合わせるのがよいのか疑問を感じるものも。(^^;)
意外な収穫は,53-60.「スーパー音サプリ」で,「タイムワープで未来体験」とか「天からの視点」とか超常的なテーマで,あてられている音もほとんどステキな"電子音楽"。(^^;)
ラスト60.「喜びと希望の未来からあなたに」は,異例の5分16秒のトラック。
背景で薄く鳴り続けるオルガンのような音の上に,パーカッションの音が乗っているだけですが,これが実に見事なアンビエントテクノ。これは拾い物です。(^^;)
「あなたの部屋に幸運を呼び込むCDブック 癒しのハーモニーベル」
- CDブック(ハードカバー/A5判/112p/\1,500+税)
- 居田祐充子・著
- 総合法令出版 (2007年9月4日初版発行)
- TT:41'03"
- 1.Luckey Room(16'11") / 2.Brighten Your Aura(24'19")
書店の女性向け健康本コーナーで発見。
「音を流すだけ!場が浄化され,ツキがやってくる」と,帯のタタキ文句にあります(その効能の是非は,ここでは問いません^^;)。
扉の次,付属CDの解説(p.2)に「※このCDは音楽ではなく,厳選した周波数の音色を多重録音したものです」とあります。
このページで採り上げられそうな筆者好みの音響系かもと,予感がして購入。大当たりでした。(^^;)
書名になっている「ハーモニーベル」ですが,要はU字型の音叉と音程を持った金属製のパイプの組み合わせで作られた音です。目的に合わせて周波数を選ぶそうです。
1.は「部屋にツキを呼ぶ」ためのもの。
主に聞こえるのは,おそらく金属パイプの音と思われる「から〜ん,ちーーんっ」というパーカッシブな音です。
音程はドレミではなさそうで,金属パイプの響きといいガムランのようにも聞こえます。
そうした音が数音鳴って,長い間が開きます。そういうところは,音楽というよりはオブジェ的です。
音叉は,背景で同時に鳴っているようで,音の合間にごくかすかに「ぅぅぅぅっっっっ」と響き続けています。
2.は「オーラが輝く周波数の音源」だそうです。(そうですか…^^;A)
このトラックでは「きゅぅぅぅぅぅんっっっ」とビブラートのかかった歪んだ金属音が聞こえるのが特徴です。
本書p.29の音叉の写真を見ると,先に何か丸いものを付けている音叉もあるので,それが一緒に振動している音のようです。
いくつか音が鳴って,長い間が開くのは1.と同じ。
ただし,2.で鳴っている音は,1.より高めの音が多く感じられます。
音響作品としても,案外よくできています。音楽かどうかの微妙な音響が好きな方は,要チェック。(^^;)
筆者が買い求めた本は「2007年12月6日第10刷」で,帯にある"10万部"は少し割り引くとしても,かなり売れているようです。
「豊かさを呼びこむCDブック 癒しのハーモニーベル2」
- CDブック(ハードカバー/A5判/120p/\1,500+税)
- 居田祐充子・著
- 総合法令出版 (2008年6月4日初版発行)
- TT:8'29"
- 1.金運アップ(4'26") / 2.Catch Your Chance(4'00")
やはり出た,上記CDブックの第2弾!(^^;)
今回の帯のタタキ文句は「あなたの部屋に金運とチャンスがやってくる」です。(さすがに本書の大部分では,"金が入ってくる"というよりは「豊かさ」と言い換えてはいます…。^^;)
「プロローグ」で紹介されている,CDのモニター報告では「寿司屋で割り引きしてもらえた」「高級ホテルの食事券が当たった」「会社のトイレ掃除を
自主的にやるようになった」等々。ハーモニーベルの効果の原理である「波動」の神秘性に対して,報告は妙な生活感があって,いろいろな意味で楽しみがあり
ます。(^^;)
肝心の音ですが,似たようなものと思いきや,前作とは微妙に音が違います。
全体的に音は高めで,風鈴のような音色です。また,収録時間が短い分,シークエンスの繰り返しがわかりやすくなっています。
ただ,音響作品としてはこの収録時間の短さ,今回は大減点です。
同じ値段の前作のCDが40分たっぷりあったのを考えると,今回は金運がアップする前にちょい損したような気もしなくはありません。(^^;)
「アルファ波分析による受験生のためのバイオミュージック」
- 日本盤 ソニー(aqua planet) SRCL-2185 (1991)
- TT:51'31"
- 1.勉強前の精神安定(7'48") / 2.集中力を強める(8'50") / 3.記憶力を高める(8'55") / 4.勉強の合い間に(7'32") / 5.自分に勝つ(10'01") / 6.合格を願って(8'23")
- 作曲:鈴木行一(1,2) / 菅野由弘(3,5,6) / 岩代太郎(4)
- 演奏:エトワール・オーケストラ
1980年代終盤,ソニーが現代音楽系作曲家を動員して制作していた「アルファ波」のシリーズの一枚。(「弛緩」ページ参照)
こちらのテーマは「受験」ということで,これまた身も蓋もないタイトルが並んでいますが^^;,作曲者がクラシック系の人たちだけに,音楽としてはきれいにできています。
1.は,はつらつとしたポップス的リズムで,歌謡曲的メロディーのある,1970年代のドラマのテーマ曲風。後半,中華メロディーが入ってくるひねりも。
2.は,ゆったりとしたテンポのハープの繰り返しの上に,弦や管が中華メロディーを奏でる,ちょっとミステリアスなムード。
3.は,たゆたうようにフレーズを繰り返す弦楽オーケストラ。本CD中,最高に耽美的。作曲は,先鋭的な作風で知られる菅野由弘。
4.は,解説書には「ロック調の音楽」^^;とありますが,フュージョン風。クレジットをよく見たら,作曲はなんと岩代太郎。^^;
5.は,波の音を背景に,ちょっと憂いのあるピアノと弦楽中心のアンサンブル。
6.は,トランペットのメロディーを中心にした,ほの明るいムードの曲。
「脳内革命〜βエンドルフィンへのいざない〜 A Great Revolution in The Brain World」
- 日本盤 ソニー・ミュージックエンターテイメント (1996)
- 企画・監修:春山茂雄 / 作曲・音楽:西脇睦宏
あの大ベストセラー(にして,今は忘却の彼方^^;)「脳内革命」の便乗CD3連作。
その説の根幹の,人間に快感をもたらす「脳内モルヒネ」であるところの「βエンドルフィン」を分泌させるためのCD。
例によって「f分の1ゆらぎ」を採り入れているほか「遺伝子のもつ四種類ある核酸の配列を音律化」もしているそうです。(はあ…^^;)
しかし,この音楽があなどれないです。
音楽は,どれもオブジェ的で,音数が少ないです。どれも,ベストセラー本の便乗商品とは思えない予想外のアバンギャルドさです。(^^;)
曲はいずれも「人間の体内時計に合わせ15分間で1クールになるよう曲構成されている」のですが,この音でこの長さの曲4セットは,すごくいいアンバイ。
この「脳内革命」のCDは,西脇睦宏作品がほか数種(後述セット物参照),また西脇氏以外の作曲家で「脳内革命」の名前を冠したものもあるらしいのですが,筆者には全容はつかめていません。
ただ,この西脇睦宏氏の「脳内革命」は,その名前とともに忘却の彼方に追いやったら,日本の音楽文化の損失です。中古レコ屋で見つけたら迷わず買っておきましょう。(^^;)
「心にやすらぎを…」
- 日本盤 ソニー・ミュージックエンターテイメント SRCL 3735
- TT:62'27"
- 1.木もれ陽の森へ(15'44") / 2.はるか夏の日(15'51") / 3.心にそよぐ風(15'23") / 4.純白(しろの)記憶(15'25")
1.は,鳥や川の音がする田園風景の効果音に,長くたなびくシンセの上にピアノの音がするありがちな環境音楽,と思いきや,じきに効果音とシンセの音は止まって音数が減り,変調のかかったピアノのような音がぱらぱらとするオブジェ的な音になるという展開。
ほかのトラックも同様の展開で,琴の音色の2.,尺八や笛の音色の3.,4.に至っては,前半は電子音楽的な金属的響き,後半は木琴のような音がまばらに現れます。
「意欲にあふれて…」
- SRCL 3736
- TT:62'08"
- 1.時の流れにのって(15'48") / 2.渚におもう(15'38") / 3.明日の光をあびて(15'16") / 4.岩を砕く波のように(15'23")
1.は,始めにメロディーもない,和音だけのストリングシンセの音の繰り返し。これだけでも十分美しいのですが,やがてガムランっぽい旋律を刻むパーカッションの音が入り,この異質な2つの音が同時進行する様が白眉。最後はパーカッションの音だけになります。
2.は,断片的な尺八風の音がメイン。それにオルゴール風の音やベルの音などのパーカッションの音,最後にはピアノの音色も絡みます。
3.は,チェレスタ風の音色のメロディーの断片がメイン。後半には,それに加え鈴の音などのパーカッションの音が,まばらに,音の一つ一つがしみ入るムードで続きます。
4.も,金属的なパーカッションの音がまばらに続く,静謐な一曲。メロディーらしいものはなく,かなり現代音楽的。最後の数分間だけ,ストリングシンセの持続音にパーカッションの音が加わる,環境音楽的展開があります。
「気持ちをしずめて…」
- SRCL 3737
- TT:62'26"
- 1.黄昏にほほえみを(15'19") / 2.蒼天に漂う(15'42") / 3.古都の庭より(15'19") / 4.心を照らすもの(16'03")
シリーズ3枚のうち,最も"音楽的"に聞こえる一枚かもしれません。
1.は,ベルサウンドのメロディーが中心。かなり緩いサウンドですが。
2.は,シンセやピアノの音をバックに,チューブラベルの音が高らかに鳴っている曲。最後は,まばらなパーカッションの音だけになります。
3.は,これまたまばらに,琴の音色以外はほとんどしていません。タイトルの"古都"って,ダジャレじゃないですよね。(ねっ^^;)。
4.は,不協和音の入った不安定な音色のシンセの和音で始まり,しっとりした旋律のベルサウンドがメインで入ってきます。後半は,木琴のような音が淡々と続きます。
(2008/06/10 記事追加 06/13) △上に戻る
「心のクリニックシリーズ1 関谷式ストレス解消ミュージック テクノストレスの解消」
- 日本盤 CBSソニー SRCL 4271 (1998)
- TT:28'06"
- 1.太陽と波のシンフォニー(4'52") / 2.やわらかな響きの中へ(4'17") / 3.そよ風と花の香り(3'41") / 4.光の楽園(4'12") / 5.流れるままに(4'56") / 6.夢の景色(6'06")
- 企画・監修:医学博士 関谷透
- 作曲・編曲:森敬
- ナレーター:人見ルミ
「コンピュータと上手に付き合うためのメンタルヘルスケアに役立つ」CD。
しかし,この収録時間の短さで,発売当時の定価2,141円というのは,ソニーさんもなかなか強気の商売。(^^;)
Windows95の登場から20年を経た今,「テクノストレス」って,何かほぼ死語に近い響きもあるような気がしますが。(^^;)
音楽は,アンビエントでもないけど,ベタな癒やし音楽でもない,微妙な味わいの佳曲揃いですが,収録時間が短いのが至極残念。
1.は,海鳥の声も聞こえる波の音で始まり,ヴィブラフォンの音色を中心にしたオリエンタルな節回しの音楽が入ってきます。メロディーがあってなさそうな感じが良いのですが。
2,3.は,女性のナレーションが入り,体の力を抜いたり,呼吸を整えたり,風景をイメージさせるなど,イメージトレーニングの指導をしています。2.では1.の延長のような音楽,3.では,鳥の声をバックにピアノの音色を中心にした音楽が入っています。
4.は風鈴の音色と鳥の声から入り,長くたなびくストリングシンセの音色が心地よい音楽。
5.は,鳥の声をバックに,サティ風のフレーズの繰り返しをベースに坂本龍一風の音の散らし方をしたピアノの音中心の曲。
6.も鳥の声を背景に,ぽつりぽつりと音のするオリエンタルな木琴の音色中心の曲。
「ビジネスマンのための音楽−ストレス解消のバイオミュージック」
- 日本盤 CBSソニー CSCL 1644 (1989)
- TT:49'27"
- 1.出勤時の意気高揚(5'53") / 2.マインドコントロール(7'51") / 3.心をリフレッシュ!(10'06") / 4.ビジネスマンのストレス解消(8'57") / 5.自信をつけるために(8'42") / 6.リラクセーション(7'56")
- 作曲:田頭勉(1,5) / 森本浩正(2) / 菅野由弘(3,4,6)
- 演奏:エトワール管弦楽団(1,4,5) / 森本浩正(2) / 大友竹邦(尺八:2) / エトワール・アンサンブル(3) / 菅野由弘(6)
このコーナーでも多く採り上げている,1980年代終わりにCBSソニーが出していた,現代音楽系作曲家を動員した「バイオミュージック」シリーズの一枚。
テーマからして,曲は静動併せ持っていて,曲作りも余計やりたい放題やっている感じです。(^^;)
1.は,アップテンポの弦楽器のミニマルっぽい繰り返しパターンの上に,管楽器のメロディーが乗る,躍動感のある曲。リラクセーションよりは,昭和のサラリーマン映画のタイトルバックにぴったり。(^^;)
2.は,波の音をバックに,ゆっくり唸る低音弦の音色の上に,ストリングシンセがメロディーをなびかせていき,中盤からフルートの音とともに,間を埋めるようにたゆたう尺八が流れてきます。この音のバランスが絶妙。「広い海に向かって波打ち際に立つ1人の虚無僧」(解説)って,それでα波が増加するのか。(^^;)
3.は,ピアノとフルートのソナタ風。切れ目はないのですが,3つか4つのパートでできている感じです。
4.は,ゆったりしたテンポで,フルートと弦楽の音色の絡まり具合に聞きどころのある曲。厚く豊かな弦の音色がとてもきれいです。
5.は,最初は静かで無調的な管楽器の音色で始まり,これに弦の音色が加わっていき,だんだん音色が明るくなっていく構成の曲。ラストはむちゃくちゃ壮大。(^^;)
6.は,ゆったり波のようにうねるストリングシンセの音色で構成された曲。この曲だけは,クラシックというよりアンビエント。
「脳内革命 サウンドコレクション」
- 日本盤 Sony Music House 8FZ8Z2011 (7CD / 1996)
こんなものまで出ていたのか,「脳内革命」。
と思って,中古レコ屋で2,000円でゲット。私が買わなかったら誰が買ったんでしょ,これって。^^;
7枚組の分量ですが「脳内モルヒネ」を出すための"瞑想"に使えそうな音なら,環境音楽,自然音,クラシックまで,何でも使うスタンスで集めたのではと。(^^;)
各CDでの瞑想のインストラクション(というか,心がけ程度のテキスト)や,瞑想法,食事法,マッサージ法などをまとめた約40ページのブックレット付き。
CD1「快 春山茂雄オリジナルサウンドI」
- FZCL 2001 (1996)
- TT:61'27"
- 1.春のささやき(15'34")/ 2.永遠の響き(15'28") / 3.心の湧泉(いずみ)(15'24") / 4.白夜の虹(15'08")
- 春山茂雄(企画) / *西山睦宏(音楽)
- 原盤:アーベント
CD2「気 春山茂雄オリジナルサウンドII」
- FZCL 2002 (1996)
- TT:60'51"
- 1.芳春の香り(15'05") / 2.南の島の木かげにて(15'48") / 3.空想への旅(14'35") / 4.雪月花の夕べ(15'21")
- 春山茂雄(企画) / *西山睦宏(音楽)
- 原盤:アーベント
* 解説書記載のママ。"西脇睦宏"の誤記と思われます。
CD1,CD2は,オリジナルの環境音楽にして,この箱の目玉(筆者個人的には^^;)。
前述の3枚シリーズ同様,音数の少なさ,15分の曲4セットという構成は同じ。
この2枚だけはクレジットに,レーベル名「ABEND」,(C)表示に「マホロバ」とあるので,春山氏の事業絡みで制作されたものかもしれません。
CD1の1.出だし5分間は,少し音色の変わった緩いテンポのフレーズを繰り返すピアノの音+シンセのドローンという典型的環境音楽。中盤は,薄く延びるシンセの音のうえに,これも緩いエレピのフレーズの繰り返し。最後の5分は,木琴のような音だけがまばらにするパート。
2.の前半は,ピアノの音とベルのような音の組み合わせ。ちょっとイーノ風。後半は,1.の後半とよく似た音のパターン。最後の3分間は冒頭のパターンとの組み合わせ。
3.の冒頭は,抽象的なうねる電子音。中盤長く引き延ばされたコーラスの音色が出てきて,最後は冒頭のパターン+コーラス音。
4.はシンセの持続音に,チャイムのような音で始まり,中盤は逆回転のような音,高い笛のような音など入れ替わります。最後は,コーラスの音色+1,2.の後半で出てきたごく緩い木琴の音色の音。
CD2の1.の前半は,波の音+シンセのドローンで始まり,鳥の声のする中ギターの音色のメロディーなど。中盤は緩いシンセ音楽が続き,最後はまた鳥の声との組み合わせ。
2.の前半は,メロディーになるかならないかの緩いピアノのフレーズ+波の音。後半はピアノが一つの音だけを弱くゆっくり繰り返し続け,最後は例の木琴っぽい音だけになっていきます。シリーズ中,最も耽美なトラックの一つ。
3.は,虫や犬の鳴き声,かすかな水の音のような音がする中,ベルのような音や笛のような音色の音が交叉します。最後は,まばらなベルのような音だけになってシメ。
4.の前半は,女声コーラスの音色+鳥の声+水の音+エレピの短いフレーズの繰り返し。後半は,水のしたたる音のする中,遠くで親指ピアノのような音色のフレーズが鳴り,最後の数分間は,またもまばらな木琴の音色。
CD3「愉 自然環境サウンドI 川のせせらぎから潮騒へ」
- FCCG 2003 (1991)
- TT:47'03"
- 1.川のせせらぎ(22'05") / 2.波の音(24'51")
- 原盤:ソニー・ミュージックエンターテイメント
CD4「宙 自然環境サウンドII 鳥のさえずりから虫の音へ」
- FCCG 2004 (1991)
- TT:50'13"
- 1.小鳥のさえずり(23'06") / 2.虫の音(27'00")
- 原盤:ソニー・ミュージックエンターテイメント
この2枚は,自然音のみ。おそらくソニーの既発音源でしょう。
例えば,CD3-1.は,湧水のような小さな水音から大きな川の流れに音が変わっていく構成が,「流 Stream」に似ていたりします。
CD5「浄 篠笛による和のサウンド」
- FCCL 2005 (1986)
- TT:49'43"
- 1.清流をわたる風(11'35") / 2.瞑想の庭(13'51") / 3.深山の朝(11'46") / 4.竹林の夕暮れ(12'15")
- 藤舎推峰(笛)
- 原盤:ソニー・ミュージックエンターテイメント
純邦楽のみならず,環境音楽系の録音が少なからずある藤舎推峰の篠笛ソロ。
モトは,1986年発表の「静寂〜古都の瞑想〜サウンド・フォレスト・シリーズ」(CBSソニー・32DG-63)のようです。原題の「瞑想」から,このセットに入ったのかもしれません。
背景には様々な音が流れていて,1.は川の流れ,2.は鹿威し,木魚,3.は鳥,4.は梵鐘やヒグラシの声など。
「瞑想」にふさわしく,息の長いフレーズにたっぷり間を開けた演奏。旋律は目立たず,しみ入る音色が聴きどころの好盤。
CD6「楽 クラシック・ミュージックI」
- FCCC 2006 (1996)
- TT:47'30"(全10曲)
- 原盤:ソニー・ミュージックエンターテイメント
CD7「感 クラシック・ミュージックII」
- FCCC 2007 (1996)
- TT: 全10曲
- 原盤:ソニー・ミュージックエンターテイメント
この2枚はわざわざ解説することもない,単なるクラシック名曲集。(^^;)
曲目は省略しましたが,目的からして穏やかな曲は選ばれているものの,"瞑想"や鎮静効果を狙う選曲にしては,あまりに有名すぎる曲ばかりは,ちょっと疑問。
(2008/06/10 一部改訂 06/14) △上に戻る
「聴くだけで頭がよくなる 音のCDブック 脳幹を刺激し集中力を高める驚異の音源」
- 坂田英明/小山悟・著
- ソフトバンククリエイティブ/160ページ/2008年8月23日初版発行
- 「脳を鍛えるCD」(TT:11'46") 1.音量調整をうながすナレーション(0'12") / 2.基本音楽〜音量を決定しよう(0'36") / 3.ハープの響き(0'57") / 4.赤ちゃんのいる部屋(1'51") / 5.森の中の音の世界(4'02") / 6.残響効果音(1)(1'03") / 7.残響効果音(2)(1'01") / 8.ナレーションの声の変化(1)(1'02") / 9.ナレーションの声の変化(2)(1'00")
脳の働きを良くするために,"脳幹"を鍛えるというCDブック。(^^;)
3-4.は,ハープのアルペジオや,オルゴールの音などをともなった赤ちゃんの声が収録されています。左右に動く音を聞き分けて,脳幹のある中央に音が来た時に意識を働かせるのだとか。(@_@ハア?)
5.は,森林の川,鳥,雨の音などを収録。これは単にリラクセーションのためらしいです。
「クイズ編」と称したトラック6-7.は,リヴァーブを効かせた音を聞かせるのですが,記憶と音の連想力を試すのだとか。
トラック8-9はさらにワケワカで,ナレーションにそれぞれローパス,ハイパスのフィルタをかけて,次第に元の音に戻していくというもの。どういう効用があるかは,本を読んでもわからないです。(^^;)
「集中力アップ!勉強や仕事のBGM集」
- 日本盤 ダイソー リラクセーションCD-6 (2018)
- TT:35'25"
- 1.バタフライ・ミスト Butterflies In The Mist(7'12") / 2.雨の後に After The Rain(2'58") / 3.フロッグ・コール Frog Call(5'18") / 4.太陽への光 Sun's Light(6'40") / 5.ザ・ディープ The Deep(7'45") / 6.リバー・ランズ・フル The River Runs Full(5'30)
もう絶滅してしまったかと思っていた,ダイソーのリラクセーションCD,なんと新作がありました。^^;
近所のダイソーで1枚だけ発見しましたが,調べたところ「心とカラダの癒し&リラクゼーションCDシリーズ」と銘打った9種類が出ていました。
このシリーズにはWebページがあって,なんと試聴できるようになっています。
http://www.japan-ink.com/mp3/
「集中力アップ!」のジャケには「集中したい時,シンプルサウンドでリラックスさせ,適度な刺激でモチベーションを持続させます。」とあります。
その内容は予想通り,薬にもの毒にもならなそうな,アコースティックサウンド。
1〜4,6.は,冒頭に鳥や波の音の効果音があり,アコギターを中心にピアノやフルートのなど音色のメロディーが絡んできます。
5.だけはキーボードの音色のみのトラック。
ジャケットのクレジットを見ると「2018 (P)&(C) by The LMG Japan. Made in China」とありますが,"LMG Japan"なる会社の情報はネット上になく,正体不明です。
これは,あのダイソーCD復活の狼煙なのか。^^;
「集中力アップ マインドサプリメント・シリーズ」 "Concentration - Music Suppliment Series"
- 日本盤 デラ DMS-603 (2004)
- TT:55'29"
- 1.雲の彼方から…(14'11") / 2.シャングリラ(12'09") / 3.Deep Journey(13'44") / 4.The Stairs to Concentration(15'23")
- Music Composed, Arranged and Performed by Tatsuya Koguma
「大宇宙に解き放たれるような3Dサウンドとサブリミナル・メッセージが不安や緊張を取り除き,高度な集中状態をつくり出します。」という一枚。
ちなみに,"サブリミナル・メッセージ"は7言語で入っているそうです。
シンセ演奏の音楽ですが,ノイズっぽい要素はなく,やや暗めながら清澄な音色で,メロディーよりはハーモニーで聴かせる音楽です。
曲はいずれも10分以上の長尺ですが,飽きずに聴かせる構成のうまさもあります。
1.は,ゆったりしたテンポで,主にコーラスの音色でメロディーのないハーモニーのフレーズを繰り返す重厚な曲。
2.は,バックに鳥の声。1.同様の展開ですが,ハープやチェレスタのような音色中心で,1.よりも軽め。フレーズにちょっと中華メロディーが入ってます。
3.は,オリエンタルなパーカッションの音色のリズムに,笛などの音色でこれまた中華っぽいメロディーが乗った,本CD中では最も"音楽"らしい曲。90年代のKlaus Schulzeっぽくも聴こえますが。(^^;)
4.ゆったりと,"ドシラソファミレド"のフレーズで始まり,それを変形して繰り返しながら曲が進みます。最後に唐突に盛り上がってシメになるのは,ちょいとなんですが。(^^;)
「おふろ美人 Music of Esthetics」
- 日本盤 デラ MEE-402 (1996)
- TT:62'56"
- 1.半身浴タイム(18'44") / 2.半身浴後の洗身タイム(10'07") / 3.中温反復浴タイム(34'03")
なんと,お風呂用の癒しCDもあったりします。
これは,各トラックのタイトルになっている低温でゆっくり入るお風呂で,飽きてしまわないようにという意図だそうです。
ナカミは,ゆったりしたテンポのリズミカルなシンセ音楽。各トラックに複数曲収められています。
曲は,いずれも同一フレーズを繰り返すタイプのもの。意図に合わせてそう作られたのか,作曲者(名前はクレジットされていません)の芸風なのかは,解説にもなく不明です。
すっぽんぽんのガイジンのお姉さんが,バスタオルを前にあててうつむいているジャケがちょっぴり萌えます。(^^;)
「「お疲れさまでした」パソコンライフのためのリラクセーション・ミュージック(2)」
- 日本盤 デラ MPC-102 (1997)
- TT:47'25"
- 1.海の子守唄(9'10") / 2.思い出にWink(8'53") / 3.Twilight Cafe(9'28") / 4.NewsにならないStory(9'31") / 5.雨上がりの街で(10'21")
- 音楽:石黒孝子
「VDT作業用に特に工夫された楽曲構成やサウンド構築のアルゴリズム,そして各所に配された自然音の「f分の1揺らぎ」がペース」(解説から)のCD。
このCDが出た頃は,パソコン絡みのストレス解消グッズが花盛りでしたが,今となってはどうなんでしょうか。ある意味歴史を感じる一枚かもと。(^^;)
曲全体の傾向は,エレピの音中心に組まれた,ピアニスティックな明るい曲調が主です。
1.は,波の音に始まって,ゆったりとしたテンポで,シンセのメロディーが流れていきます。
2.は,エレピの音色中心で,ややアップテンポなフュージョン的な曲。
3.は,ゆったりしたテンポで,ピアノを中心にヴァイブっぽい音色のメロディーが絡む,ちょっとジャズっぽさも感じる曲。
4.は,ポップス的なアレンジの,はつらつとした曲。
5.は,エレピ中心の曲。この盤では例外的な,ドラマの音楽のような哀愁の漂う一曲。
曲のタイトルだけ見ると,まるでJ-POPのアレンジみたいですが,オリジナル曲です。念のため。(^^;)
「元気の素」 "Essence of Energy"
- 日本盤 デラ MS-3402 (2002)
- TT:52'12"
- 1.希望の丘(8'50") / 2.風のロンド(9'30") / 3.星に捧げるうた(8'20") / 4.Journey to the Future(10'35") / 5.遠い日の約束(7'19") / 6.明日へ向かって(7'36")
- Music Composed and Arranged by Yuki Kume
ジャケは,赤基調で皿に盛られた3本の唐辛子という,この種のCDとしてはちょっと変わったセンス。
ジャケには「効果・効能」として「心身のバランス回復,プラス思考,活力アップ,精力回復」とあり,「このCDのイメージは,スパイシーなお料理を食べたときに,後からジワジワ熱くなってくる感じとよく似ています」(解説書)なのだそうで。(^^;)
収録曲は,いずれもスローかミッドテンポ,ドラム抜き,ピアノを中心にしたクラシカルな管弦楽的アレンジで明るい音色のイージーリスニングです。
曲は長めなものの,いろいろな楽器の音色のソロ風のパートがあったり,飽きずに聴かせるメリハリがあります。
期待しないで聴くと,意外とテクニカルでかっこいい音楽だったりします。(^^;)
「アロエ ALOE Extract Sound」
- 日本盤 デラ NSG-501 (1995)
- TT:40'29"(1トラック)
「アロエの葉に表面電位測定器を取りつけ,その測定値を音楽情報に変換することによって,シンセサイザーを演奏」したCD。
様々な薬効が言われているアロエですが,その音楽化というのはどうなんでしょうか。(^^;)
聞こえてくるのは,主に音程が連続的に変化するシンセの音,周期的に鳴るベルのような音,まばらに聞こえるオルガンのような音。
同じデラから出ている「開運」と似た構成が感じられる音楽です。
「禁煙〜マインド・コントロール・サウンド」
- 日本盤 デラ SBB-106 (1995)
- TT:42'42"
- 1.(9'45") / 2.(11'36") / 3.(10'22") / 4.(10'57")
サブリミナル・メッセージ入りの「禁煙」のためのCD。
1〜3.までは川のせせらぎ,4.は浜辺の波の音を背景に,それぞれシンセ音楽が入っています。音楽は,明快なリズムとメロディー,展開のある,まあ,普通の音楽。(^^;)
解説書には「この機会に,あなたの強い禁煙意志とこのCDを繰り返し聴くことにより,スッパリタバコをやめて健康で快適な生活を送ることをお薦め致します。」とあるのですが,お薦め致しますって,このCDの効き目と立場は…。(^^;)
「開運 〜マインド・コントロール・サウンド」
- 日本盤 デラ SBB-107 (1995)
- TT:50'29(1トラック)
「あなたの潜在意識に働きかけ,開運をもたらしてくれる」CD。
例によって,サブリミナルメッセージ入り。
音は,音程が上昇するシンセのアルペジオ音に,ごく低いパーカッションのような「とっとっとっとっとっ」という音,ベルのような音,ストリングシンセの持続音が絡んできます。
展開らしい展開はありませんが,ごく明るい印象の音です。
「実力発揮 Show Your Ability 〜マインド・コントロール・サウンド」
- 日本盤 デラ SBB-113 (1997)
- TT:47'26"
- 1.good blood circulation(13'53") / 2.succcess grab(15'02") / 3.before bigchallenge(14'34") / 4.fine tomorrow(3'55")
- Music composed, Arranged and Performed by Mirei Kawasaki
「効果的なサウンドと耳に聞こえないメッセージが,精神力・集中力を強化」するCD。
概して80年代的^^;シンセサウンドで,アンビエント的なノリはあまりありません。
1.はシンセの繰り返しパターンの上にストリングシンセのメロディーが乗った,高揚感のある音楽。2.はリズミカルな繰り返しパターンを基本にした,楽し
げなテクノポップ。3.もピコピコサウンドの上に,ピアノの音色のメロディー。4.はかろうじて環境音楽的な,ゆったりしたテンポの曲です。
「愛犬の為のストレス解消音楽」
- 日本盤 日本クラウン CRCI-20065 (1991)
- TT:36'28"
- 1.木漏れ日の中のまどろみ(5'26") / 2.ウッディー・ダンス(4'15") / 3.ファラウェイ(8'00") / 4.遠いどこかの森の空(4'57") / 5.ミズナラの木陰(6'51") / 6.ビヨンド・ザ・ストリーム(6'47")
- 作曲・編曲:坂口博樹
- 監修:獣医師 青木憲雄
ストレス解消,と言ってもこの盤は,獣医師が監修している犬用。(^^;)
ホントに効用があるのかと,解説を見ると「いろいろな音を与えて」,「音楽に対する動物たちの反応を記録」したという,経験則的なもののようです。「人間のように(中略)α波を求めるのは困難」ということではあるのですが。
で,肝心の音楽は,作曲者のキーボードを中心に,フルートやオーボエ,チェロ,アコギターなどの室内楽的編成で,クラシカルで穏やかな作風。イージーリスニングとしては悪くありません。
犬にしか聞こえない高周波とか,犬にしか理解できなさそうな前衛的芸風は,微塵もありません。(^^;)
だいたい犬猫が音楽を聴いてどうこうなるのかと思うのですが,この種のCDは案外いろいろあったりします。
犬猫よりは,まずは飼い主にリラックスしてもらわないといけないということかと。(^^;)
「愛猫の為のストレス解消音楽」
- 日本盤 日本クラウン CRCI-20066 (1991)
- TT:38'56"
- 1.ナイス・パイン・フォーレスト(3'38") / 2.不思議な森の出来事(4'47") / 3.H2O(6'11") / 4.妖精の森(5'03") / 5.炭焼き小屋からの小路(6'08") / 6.ベルベット・グリーン(5'41") / 7.日溜まりの中のデイ・ドリーム(7'26")
- Composition and Arrangement:坂口博樹
- 監修:獣医師 青木憲雄
「動物を愛する人と,ペットの為の精神栄養音楽」と副題のある,先にレビューした上記作品の猫バージョン。
犬バージョン同様,アコースティック楽器中心の,穏やかなテンポの室内楽的編成の音楽です。
メロディーをフルートやクラリネットなど管楽器が受け持っているのが,特徴といえば特徴。
シンセは,こうしたアコ楽器を埋めるように,ストリングスなどの音色が使われていて,アコ楽器の奏でる室内楽的な気品を損なっていません。
猫はともかく,ニンゲンがお茶飲みながらくつろぐのに,ええ感じです。
こういう企画物にしては,実に丁寧なツクリです。
ただ,出た時期はバブル景気最後の頃。今となっては,こういう音楽制作はとても望めないかもと思ったりもします。(^^;)
「モスキート MOSQUITO 〜大人には聞こえない音」
- 日本盤 Hudson Soft - Beat Shake Records HBSR-8009 (2009)
- TT:8'10"
- 1-11.耳年齢チェック(60歳-18歳,∞ / 各0'24") / 12.聴力勝負モスキート(0'26") /
13.目覚ましモスキート(0'27") / 14.Callモスキート(0'35") / 15.三・三・七拍子モスキート(0'19") / 16.モスキートメロディ(0'32") / 17.モスキートアンサンブル(0'51") / 18.モスキートスクラッチ(0'22")
人間の耳は,加齢につれ音の可聴範囲が狭まるため,ある年齢以上で聞こえなくなる音が出てきますが,それが「大人には聞こえない音」とされる,蚊の羽音のような高周波音「モスキート音」です。
それを利用して,深夜の公園で迷惑行為を行う若者対策に,モスキート音機器を設置した例などが,最近マスコミなどで採り上げられています。
そんな音を,ハドソン傘下のインディレーベルがCD化してしまったわけですが,このレーベル,わずか9タイトル目のリリースでこんな企画に手を出して,行く先大丈夫なのでしょうか。(^^;)
収録されたモスキート音ですが,ソノグラムのソフト(後述)で解析してみると,1.の60歳で10kHz,あとトラックを追うごとに1kHzずつ上
がっていき,10.の18歳で17.5kHzくらい,11.の"∞"で18kHzです。12.では,10kHz→18kHzで連続的に周波数が上がっていきます。
聞こえたところで「きぃぃぃっぃぃぃっ」という,ノイズとしか言いようのない音がしているだけですが。(^^;)
弱冠43歳^^;の筆者が試したところ,4.(40歳/13kHz)は楽勝,5.(35歳/14kHz)は,ヘッドホンで音量を上げて辛勝^^;,6.(30歳/15kHz)は惨敗でした。(T_T)
13〜16.は,15kHzくらいの音,17.のメロディーは,楽音がおおよそ5kHz以下に収まっているのに対して,モスキート音のメロディーは,15kHz〜18kHzの間で音程をとっています。18.は,17kHzあたりを中心に,10kHzくらいからCDの収録レンジぎりぎりの22kHzまで含んだ,ノイズっぽい音です。
これらは,筆者にはヘッドホンで音量を上げてなんとか聞こえる(あるいは,らしきものが感じられる)レベルで,17.は楽音しか聞こえません。
ご参考まで,17.の楽音とのアンサンブルのソノグラム画像を。15kHz以上の高いモスキート音が,メロディー(「大きな古時計」)になっているのがわかります。(※画像は,WinSona Version1.10(京都大学大学院医学研究科開発)を使用しています。)
…,と分析が終わったところで,これ,あと何にどう使えばいいのでしょうか。orz
「マインド・コントロール・ミュージック」シリーズ ほか
- 日本盤 ビクター
- produced, composed & performed by Kyoji Ohno
1990年代前半頃に,ビクターが量産していた機能性音楽のシリーズ。筆者にはその全容はわからないのですが,全部で20作以上ありそうです。
その全ての曲を担当していたのは,大野恭史氏。
その第1作が,先にレビューしたアンビエント音楽の傑作(と言っているのは私だけかもしれませんが^^;)「Sleeping Music」(1989)だったわけです。
現在はその大部分が廃盤で,中古で見つけて拾っていたのですが,その音楽の大部分は,氏の本来の仕事の中心であろうジャズ風かサウンドトラック風。
筆者的には「Sleeping」のような音を期待していたのですが,むしろ例外的な作風のようです。こういうCDを買い求める,たいがいの人にとっての"音楽"とはこういうもの,ということかもしれません。^^;A
「実力発揮 Do The Best Music」
- VICG-5113 (1995)
- TT:43'20"
- 1.Prelude(4'25") / 2.Mandala Behind Darkness(5'41") / 3.Song of HopeII(9'37") / 4.Rotation(4'00") / 5.Space Project(5'12") / 6.Interlude(From theme of J.S.Bach)(13'30") / 7.At The End(5'41")
1.は波の音に緩いエレピっぽい音(ラスト7.にも同様のサウンドが現れます),続く2.はこれもアンビエント的に長く延びるコーラスの音色にオリエンタルな緩いメロディーが絡んでいます。ほかは,ゲンキ出せよ,的展開の音楽。(^^;)
「ダイエット Diet Music」
- VICG-5115 (1995)
- TT:40'07"
- 1.My Love, Joy of my Desiring(6'31") / 2.Gotham City Waltz(5'14") / 3.Night Waltz(4'27") / 4.Memories(6'14") / 5.Good Night My Love(7'44") / 6.Nocturne(4'45") / 7.Night Dream of Love(5'10")
全編ジャズ風のオサレな音楽。しかし,音楽でダイエットってしようがあるのでしょうか(^^;)。
1,2.はアップテンポ,ほかは緩いテンポの曲。1.はタイトルから察するとおり,バッハ入り。
「健康盤 心身解放 Refleshing」
- VICG-2195 (1996)
- TT:48'05"
- 1.Floating Music 浮遊音楽(8'49") / 2.Rain City 雨の街(5'54") / 3.Stone Garden 石庭(13'18") / 4.Happy Opheria 幸せのオフェリア(7'14") / 5.Long Distance 遠くへ(5'40") / 6.Floating II フローティングII(7'08")
全体にゆったりしたテンポながら,ジャズというよりは映画音楽的な音。
強いて言えば,民族的弦楽器っぽい音色の繰り返しの上に,シンセのコーラスがたなびいている3.に,かろうじてアンビエントっぽさがあります。
「ラヴ Love」
- VICG-5231 (1992)
- TT:57'57"
- 1.Moods of Love A.Love Message B.Passion C.Love Message(reprise)(12'36") / 2.Dream Dance(5'08") / 3.Romance(6'12") / 4.Sensual Moment(6'36") / 5.Cathedral Fantasy(4'42")/ 6.Moods of Love(11'33") / 7.Special Track for Adult Women Only - Dream Dance(reprise)(4'45") / 8.Special Track for Adult Men Only - Romance(reprise)(6'23")
随所に女性のヴォーカリーズが入っているのが特徴。曲自体はジャズ風か映画音楽風。
7,8.の"Special Track"ですが,想像通り収録曲にそれぞれ男女の声で「はぁぁっ」と入っています(と,それだけ^^;)。
「Mind Control Music 禁煙 Music for Stop Smoking」
- 日本盤 ビクター VICG-5114 (1991)
- TT:58'38"
- 1.Bird Calling(28'51") / 2.Stream(29'40")
様々な用途に音楽CDが発売されているのは知ってはいましたが「禁煙」ってのは,意表をついてました。(^^;)
しかも,これはありがちなヒーリング・ミュージックではなく,自然音のCDです。
解説によると「楽音(ドレミという音)があるとかえって雑念を生じ目的が達成できないことが多い」とか。相当な苦行なんですねぇ,禁煙って。(^^;)
1.はタイトルどおり鳥の声。ちょっとリヴァーブがかかっていたりします。
2.は川の流れの音ですが,前半は「ざぁー,どぽっどぽっ」という上流の少し荒い感じ流れの音,後半は「さぁー」というもう少し下流っぽい音に鳥の声も入っています。
このCD,サブリミナルのメッセージが入っているらしいのですが(クレジットにも"ヴォイス・メッセージ"として女性の名前がある),聞いてみて何か変わった感じがするものでもありません。(^^;)
ちなみに,筆者ごたさんはタバコは吸いません。(^^;)
「マインド・コントロール・ミュージック Vol.13 パワー」"Psychogenesis Series - Mind Control Music Vol.13 - Power"
- 日本盤 ビクターエンタテインメント VICG-5253 (1992)
- TT:47'40"
- 1.Energizer No.1(20'43") / 2.Energizer No.2(13'59") / 3.Healing Power(12'56")
- Musicians : Kyoji Ohno(keyboards, acoustic piano, computer program) / Mieko Himuro, Keiko Kawamura(subliminal voice) / Shigeru Yamazaki(electric guitars [2])
「「サブリミナル」をテーマとしたサイコ・エンターテイメント」(解説から)を目指したというシリーズの一枚。(「マインド・コントロール・ミュージック Vol.15 - トリップ」参照)
リリース時はバブル末期,とにかく出せばよろしい的スタンスで,良くも悪くも「癒し系」のイメージからはみ出しています。(^^;)
「ストレス等で疲れている人のための音楽」の1.は3つのパートに分かれています。最初は,長くたなびくシンセの音にゆるくメロディーらしいものが絡み,6分目にはアップテンポなドラムなどの音も入ってきて,癒し系らしからぬ賑やかなシンセ音楽に。14分目にはドラムの音が止んで,冒頭と同様の流れになって最後はフェードアウト。
「気分が落ち込んだ人,暗い人を勇気づけるために作られた」2.は,WagnerとJean-Michelle Jarreにインスパイアされ,ワーグナーのコード進行を使っているという,ワケワカな曲。(^^;)
ゆるいオルガンの音で始まって,中盤からドラム,ベースの音も入って,ポップス的展開になってきます。7分目からの展開は,まさにJarreさんの"Ethnicolor"ぽいです。(^^;)シメは,なぜかギンギンのギターソロが絡まりながらフェードアウト。
3.は,"Brian Eno & Roger Eno"にインスパイアされたそうです。
曲の出だしは,ジェット機が上空を飛んでいるときのような「ごぉぉぉぉ」という音に,ミニマルなフレーズがアンビエントなムードを醸し出しています。が,3分目からはイーノさん的とは思えない,緩く繰り返されるわかりやすいシンセのフレーズが入ってきます。背景には,カエルの声らしい音も。
「マインド・コントロール・ミュージック 万引防止」
- 日本盤 ビクターエンタテインメント (1994)
- 作曲・編曲・演奏:大野恭史
「音楽篇」
- VICG-5381
- TT:48'32"
- 1.Yeah! Bargain(4'01) / 2.California Highway(3'43") / 3.Snake Charmer I(5'24") / 4.Have A Good Evening(4'14") / 5.Tropical Way(4'13") / 6.A Little Brake(4'46") / 7.Piano Way(5'17") / 8.Afternoon Intermezzo(3'53") / 9.Downtown Hop(4'37") / 10.Metroliner(4'30") / 11.Snake Charmer II(3'52")
「自然音篇」
- VICG-5382
- TT:54'09"
- 1.WAVE A(28'55) / 2.Bird Calling(25'12")
スムース・ジャズから突き詰めたアンビエント,禁煙,ペットのための音楽まで,多彩と言うべきか節奏がないと言うべきか^^;,何でもありの大野恭史氏の手になるビクターの「マインド・コントロール」のシリーズの一枚。
「店内BGM専用 サブリミナルに訴えかけるメッセージを七ヶ国語で収録した「万引き防止」CD!店頭掲示ステッカー付き」というシロモノ。
「音楽篇」は,MIDIの打ち込みの実用音楽にありがちな,チャカポコした^^;せき立てるようなテンポの音楽ばかり。
営業的に景気づけには正解としても,観賞用にはちょっとならないかなと。
「自然音篇」は,表面の音的にはただの波の音と鳥の声。
"サブリミナル・メッセージ"は別にしても,「WAVE A」は「集中力」,「Bird Calling」は「禁煙」にもあったりして,ネタの使い回しっぽさも。(^^;)
それにしても、このCDをBGMに流すお店は、果たして実在したのでしょうか。
付録のステッカーが店頭に貼ってあったら,かえってなめられそうにも思えますが。(^^;)
片岡慎介「つきを呼ぶ音楽 絶対テンポ一一六」
- 日本盤 ビュージック開発研究所 VEW-020301 (制作年不明)
- TT:64'03"
- 1.夜の月(テンポ58)(32'01") / 2.昼の月(テンポ116)(32'00")
- 作曲・編曲:片岡慎介 / ピアノ:中村裕子 / 制作:ビュージック開発研究所
「つきを呼ぶ」CDにして,ジャケに「月」の画像,これは「癒し系音楽」と「おやじギャグ」の合体かと,妙な期待もしつつ入手。(^^;)
銘打たれているテンポの「116」ですが,CDの解説によると「月の一日は24.8時間」で,「24÷24.8=0.967」「60×0.967=58.02」,そしてその倍の「116」が割り出されたとか。
(゚Д゚;)ハア?
さらに解説には,月のウサギが餅つきをしているテンポに合わせて餅をついたら,餅がおいしくなったという昔話風のお話まであります。制作者のサービス精神というか,人柄が窺えるようです。(^^;)
肝心の音楽ですが,メロディー,ハーモニーとも揃った,穏やかで難解なところの全くないシンセ音楽で,それが何曲か組まれて,1トラックになっています。響きは,ニューエイジというよりは「実用音楽」的です。
2.は,1.よりテンポが倍で,実際アップテンポに聞こえるパートがありますが,曲が穏やかなせいか,1.よりせわしない感じにはなっていません。
「ペットとあなたのリラクゼーションCD」
- 日本盤 ペディグリーチャム (無番号,制作年不明)
- TT:27'06"
- 1.朝日の昇る前に(5'34") / 2.小さな日だまり(5'58") / 3.木漏れ日を追いかけて(4'39") / 4.午眠(siesta)(5'39") / 5.家に帰ろう(5'14")
- 制作:(株)ハートクリエーション
- 監修:獣医師・青木憲雄 / 作曲家:蓮沼健介
何でも飲み込むCDのブラックホール,ブックオフで発見。
それにしても,CDを買いに来てペットフードの「ペディグリー・チャム」のロゴを見るとは思いもしませんでしたが。(だからって,買ってくるなよとか。^^;)
たぶん,景品として配布されたものなのでしょう。解説書の監修者の略歴が,1991年で終わっているので,制作はその辺りと思われます。
収録曲は,いずれもヒーリング・ニューエイジというよりは,歌詞をそのままつけられそうなメロディーラインもある,ちょっとフュージョンの入ったポップス的曲想。ペットはともかく,人には無難な音楽。(^^;)
牧野持侑「クリスタルボウルCD 7つのチャクラ&楽曲編」
- 日本盤 マキノ出版「ゆほびか」2011年5月号付録(2011年3月16日発売)
- TT:53'06"
- 1.第1チャクラ(4'24") / 2.第2チャクラ(4'59") / 3.第1チャクラ(4'56") / 4.第4チャクラ(4'30") / 5.第5チャクラ(4'38") / 6.第6チャクラ(5'11") / 7.第7チャクラ(4'53") / 8.東風(こち) East Wind(19'35")
- 演奏:牧野持侑 / 録音:角田郁雄 / 制作:ピンポイント
筆者個人的お気に入りの牧野持侑氏のクリスタルボウル演奏(別項参照)が,なんとオカルト健康誌「ゆほびか」の付録に。(ここで採り上げられているものは,だいたい路線一致してはいますが。^^;)
1〜7.は「人体の7つのチャクラ(生命エネルギーの中枢)に作用するように,特別に演奏したもの」(p.45)。とはいえ,ヨガや瞑想などは意図していないようで,ずっとお手軽な,部屋に流しっぱなしにするような使い方を示唆しています。
それぞれ1.から「ド」,7.の「シ」までの音程を中心にした音で,一つの音を延々続けている感じの演奏です。そのためか,過去の3作品に比べると,カオスっぽい音色は影を潜め,ずっと澄んだ音色に感じられます。
8.は即興演奏とのことですが,1〜7.の延長上のシンプルな音色の組み合わせの印象。
3作目で,ドレミの音楽っぼいものを試行した後,明らかに芸風が変化しています。そしてたどり着いた新境地が,本作かと。(^^)
「倍音ヒーリングCD」 "Otohime Healing CD"
- マキノ出版「ゆほびか」2013年2月号付録 (2012年12月16日発行)
- TT:25'43"
- 1.ハート・ブレッシング(10'23") / 2.マインド・デトックス(9'59") / 3.第7チャクラの倍音ヴォイス(5'20")
- メロディ即興・唄・コーラス編曲:音妃 / ピアノ即興・編曲:高橋全
- トラック3:「倍音セラピーCDブック」(音妃著/BABジャパン)収録
久々の「ゆほびか」ネタです。(^^;)
"倍音シンガーソングライター"音妃(おとひめ)さんのヴォーカリーズがメイン。
癒し効果のほかに「脳波が究極のリラックス状態になり,閉ざされていた潜在意識の扉が自動的に開き始めます」(同誌p.142)というCD。
記事によると,音妃さんはKinki Kids「フラワー」(1999)の作曲で花を咲かせたものの,音楽業界に失望し離れ,その後の体調不良を自分の声と歌で回復させ,現在のこの仕事に至っているとか。
苦節ン年の演歌系とはまた違った,業界人のキアイです。(^^;)
「倍音」と称していますが,"ホーミー"のような特殊な唱法ではなく,あくまで彼女の澄んだ声色がウリです。
音楽自体も,その清澄なイメージに沿ったもので,催眠的,陶酔的な要素はあまり感じられません。
1.の最初の3分は,ピアノと声の即興。ホールでのライブらしく,音は少し遠目でホール内のノイズも若干あります。メインのヴォーカリーズに加えて,一定の音程の声がもう一つ重なって聞こえます。
その後はスタジオ録音で,声のほかシンセを使った典型的ニューエイジ音楽。多重録音で折り重なった声の音色は,むしろ壮大。(^^;)
2.の冒頭は,波の音をバックにして,ピアノをともなったヴォーカリーズの即興が繰り広げられてます。こちらも声をもう一つ重ねています。
3.は,鈴の音をともないながら,伸びやかなヴォーカリーズのバックで,やや呪術的にも聞こえるコーラスが合いの手のように入ってきます。
「クリスタル音叉の癒し音CD ZENOW」 "Healing Sound CD of Crystal Tuning Fork"
- 日本盤 マキノ出版「ゆほびか」2011年9月号特別付録(2011年07月16日発売)
- TT:23'15"
- 1.七色光(6'50") / 2.母なる水晶(8'15") / 3.イマココ(8'08")
- 考案・監修:丸山修寛(丸山アレルギークリニック院長)
- サウンドディレクター:荒芳樹
タタキ文句は,「偏頭痛・不眠・アレルギー消失!難関校合格,不登校も克服!」。マキノ出版さん,この疾走感,もはや無敵です。(^^;)
「クリスタル音叉」は,音を使った治療法の研究からできた,クリスタルを使った12種類の音叉(ということは,1オクターブ分か)とのこと。
鉄琴のような甲高い澄んだ音色で,楽曲制作をした荒芳樹氏が「リーンというスズムシの鳴き声に近い」(p.52)と記しています。アコースティックとも,シンセティックともとれる微妙な音色です。
ただ「ハーモニーベル」や「クリスタル・ボウル」のように,単体で複雑な音響は出ないので,この音叉の音色だけで聴かせるのは,ちょっとムリそうです。(^^;)
収録されている音楽は,緩いテンポのシンセ音楽をバックに,音叉がメロディーを奏でています。
1.の冒頭で,かなり高い音叉の音がたてつづけに聴こえますが,ヘッドホンの音量を上げていると,耳に刺さる感じがするほど高い音です。(^^;)
シンセ音楽は,音叉の音のメロディーを入れるよう,音数少なめに構成しているようですが,これだけでも鑑賞用になりそう。2,3.とも同傾向の音楽です。
タイトルの「ZENOW」は,「「禅(ZEN)」と「今(NOW)」を組み合わせた造語ですが,続けてローマ字読みをすると「ゼノウ(全能)」」(p.51)だそうで。オヤジギャグ的センス,深く静かに炸裂してます。(^^;)
「視力アップCD【進化版】」
- 日本盤 マキノ出版「ゆほびか」2015年1月号付録(2014年11月15日発売)
- TT:10'07"
- 1.(4'12") / 2.(5'52")
- 考案・監修:丸山修寛(丸山アレルギークリニック院長)
「脳と視神経を活性化!9割の人に効いた」という,視力回復の効能を謳ったCD。
考案者は,前項「クリスタル音叉」と同じ方。
あの手この手で攻めてます。^^;
世の中的には,モーツァルトの音楽の効能を謳ったCDは数多くありますが,これはモーツァルトの楽曲を,楽譜の最後から前へ順序を逆にしたピアノ演奏という,「重ね聴き」(別項参照)と並ぶ奇盤。^^;
何でまた,逆さのモーツァルトの音楽なのか,理由も記されています。
「天上界に生まれるということは地上界で死ぬことであり,天上界と地上界はさかさまの関係にあります。そのように考えると「魂の世界である天界の音楽を逆回転させたものは肉体にプラスの作用があるのではないか」(後略)」(本書p.10)ということなのだそうで……。^^;
問題の逆さの音楽ですが,想像していたようなキテレツなものではなく,案外普通の音楽に聞こえます。^^;
聞いた感じ,あまりモーツァルトらしさはありません。
言われなけれは,軽快な1.は近代フランス風,ゆったりした2.はD.スカルラッティ風に聞こえます。^^;
ただ,曲の流れの中で,ちょっとつんのめるような感じがするところがあります。
それをカバーするためでしょうか,リヴァーブが深めにかかっています。
試しに,この音声をリバース再生してみたら,いかにもモーツァルトらしい曲が現れました。
もっとも,モーツァルトに詳しくない筆者には,曲の判別はできなかったのですが。^^;
「脳内革命 βエンドルフィンへのいざない 〜右脳活性化のために〜」
- 日本盤 マホロバ MR-1001 (制作年不明)
- TT:60'19"
- 1.春暖の森(15'55") / 2.陽だまりにまどろむ(14'52") / 3.夕映えの園にて(14'33") / 4.白銀の旋律(14'57")
- 企画・監修:春山茂雄 / 作曲・音楽:春山茂雄・西脇睦宏
作曲家・西脇睦宏氏の手になる「脳内革命」の一枚(別項参照)。
ただし,これは市販CDではなさそうで,どういうルートで出ていたものかは不明。
15分1曲という構成は,この盤でも貫かれています。
曲のタイトルを見ると,微妙に春夏秋冬の構成になっている感じです。
1.は,冒頭鐘のような音色が乱れ鳴ったかと思うと,逆回転音が一瞬現れてカット,その後はチャイムの繰り返しの上を,トランペットの音色のメロディーが淡々と続き,後半は野鳥やウィンドチャイムの音を背景に,マリンバのような音色がぽつりぽつりと鳴っています。
2.は,かすかなセミの声と風鈴,シンセの音を背景に,パーカッションの音がまばらに入ってくる静謐な曲。
3.は,シンセの繰り返しフレーズの音楽。本盤中では一番音楽的ですが,背景に不思議な不協和音があったり,決してスナオではありません^^;。ラスト5分は,1.のラスト同様のまばらなパーカッション。
4.は,3.のラストから,そのまま緩いシンセのメロディーが引き継ぎます。後半は,これもまばらな琴の音色,そして最後はまたお約束のまばらなパーカッション。
「宇宙音 リラ Cosmic Harmony」
- リラ研究グループ自然音楽研究所 LYRA-7001 (2000)
- TT:43'48"
- 1.黎明(1'39") / 2.サービス・リラ(11'08) / 3.かしはばやしの青い夕方(2'54") / 4.午後のリラ(前半)(5'06") / 5.光は銀河の果てに(前半)(1'51") / 6.午後のリラ(後半)(5'07") / 7.光は銀河の果てに(後半)(2'56") / 8.サービス・リラ(後半)(11'26") / 9.黎明(1'35")
- 構成/指揮(2,4,6,8):山波言太郎
- 指揮(1,5,9)/作曲(1,3,5,7,9)/歌唱(3)/ピアノ(5,7)/竪琴(3):青木由起子
- リラ頌歌隊(1,9),リラ合唱団(2,4,6)
「人が出す声の酸素 リラ 世界で一番シンプルな合唱」と副題がついてます。
解説書を見ると「リラ・ヴォイスは自然音楽研究所が開発した癒しの声です」とあり,「リラCDは,人により癒やしの力が強すぎる,効きすぎることがあります」とまで書いてあります。
タイヘンなものを手に入れてしまったかと。(^^;)
聞くとすぐわかりますが,混声合唱団に歌詞のない「あー」「おー」といった音一つを一つの音程でひたすら歌わせています。
確かにシンプルですが,発想も雰囲気もかなり現代音楽的(La Monte Young的ドローンか)で,ちょっと怖い感じもするかもしれません。(そこが実に筆者好みですが。^^;)
一つの音だけの合唱は,シンセのプリセットでもできてしまいそうですが,そこを人力でやることで微妙に音が揺らいでいて,心地よさを醸し出しています。
そんな合唱の合間に,3.の竪琴とボーカリーズ,5,7のようなピアノ曲が入っています。
こちらは,対照的にメロディーが歌謡曲的。
このCDなりのバランスのとり方なのか。(^^;)
「LYRA コズミック・ハーモニー」
- 日本盤 リラ研究グループ自然音楽研究所 LYRA-9907 (1999)
- TT:40'34"
- 1.オーロラ(2'59") / 2.銀線リラ I(3'06") / 3.蒼のうた(斉唱)(2'18") / 4.銀線リラ II(3'06") / 5.蒼のうた(独唱)(2'21") / 6.銀泉リラ III(3'05") / 7.蒼のうた(斉唱)(2'15") / 8.生命の樹のリラ I(2'36") / 9.蒼のうた(独唱)(2'24") / 10.生命の樹のリラ II(2'36") / 11.蒼のうた(独唱)(2'22") / 12.銀線リラ IV(3'04") / 13.蒼のうた(斉唱)(2'17") / 14.銀線リラ V(3'08") / 15.オーロラ(2'56")
- 指揮・独唱(1,5,9,11,15):青木由有子 / 銀線リラ隊(3,7,13/総勢150名) / 銀線リラ隊(2,4,6,12,14/総勢197名) / 銀線リラ隊(8,10/総勢44名)
ジャケットには「200人の合唱/宇宙音「気」のせん律」(ママ)とあります。
解説書の「このCDの聞き方アドバイス」には,「無音でかけ続けると,体が癒されて波動に馴れてきます」とまで書かれています。^^;
前項で紹介した,「あー」「おー」といった音一つを一つの音程で混声合唱がひたすら歌うCD。
このCDの解説書に書かれた,こうした合唱に至る経緯が興味深いです。
このグループは,もともと宮沢賢治愛好者のグループで,「私達はデクノボーになって(アホとも呼ばれる無償献身のライフスタイルになって),私達はその声を発生しようとしました」とのこと。
収録曲のうち「蒼のうた」にはメロディー,歌詞がついていますが,他はメロディーのない一つの音の合唱。
それにしても,その大人数でのシンプルすぎる合唱のサウンドはハンパないです。
やっている本人たちに意図はないであろう前衛性に,巷の技巧をこらした音楽がアホみたいに思える破壊力さえ感じられます。^^;
惜しむらくは,一曲の短さか。
これほどシンプルでも,素人が芸を保てる限界が3分だったのか。^^;
しかし,その1年後に出た前項のCDには10分を超える曲もあって,続けて聴くと展開のおもしろさも感じられたりもします。
David Teie "Music For Cats"
- EU盤 Teyus Music LLC (Universal Music Group) 5713831 (2016)
- TT:49'55"
- 1.Lolo's Air(6'13") / 2.Katey Moss Catwalk(8'36") / 3.Tigerlili And Mimi's Mewsical(5'33") / 4.Scooter Bere's Aria(17'47") / 5.Simon Says(11'45")
実用系音楽では,割に数多い「犬猫」用音楽ですが,これは一味も二味も違います。
この手の音楽は,たいがい人間に無難なイージーリスニングだったりしますが,本作は徹底的に猫のためを思ってなのか,見事なまでに現代音楽というか,アンビエントというか。(^^;)
制作の経緯も,またおもしろいです。
作曲者,David Teie氏へのインタビュー記事によると,音楽がどう感情に影響を及ぼすかの理論の有効性を試すものとして始まり,他にも猿のための音楽も作曲しています。
本作が犬ではなく猫だったのは,犬は種の違いが大きく,猫の方が確実と考えたからだといいます。
驚くべきことに,Teie氏には猫アレルギーがあるのだそうです。(^^;)
そのおかげで,客観的,科学的な態度を貫けて,このユニークな音楽に結実したのかと。
演奏は,10人編成の室内楽。
チェロ,ベース,バスーン,バスクラリネットなど,低音楽器の存在が特徴的。
アルバムを通して,猫の喉から出ているようなゴロゴロうなる低音がしています。
そこに,ごくごく緩いテンボ,弱奏で,主にチェロの低い音でメロディーがうっすらと入ってきます。
曲が進むにつれ,少しずつ高い音が入ってくる感じです。
1.では,チェロのメロディーが聞こえる中,小さく速めのテンポの「しゅっしゅっしゅっ」という音もします。(胎内の心音か?)
2.では,バイオリンが猫の鳴き声のような音を入れてきます。
3.は,ちょっと速めに繰り返すバイオリンやパーカッションのパッセージ,ハープの音も入ってきます。
4.では,ハープの音がまばらにポロリポロリと聴こえます。
5.では,再び1.で聞こえた心音のような音も聴こえます。最後にちょっとだけ盛り上がっておしまい。
とにかくゆるい音楽です。
このゆるさがたまりません。
猫まっしぐら,筆者ごたさんもまっしぐら(^^;),音楽表現としても優れもの。
蘇嘉威「最後的彩排」 Jerry Su / The Final Rehearsal
- 台湾盤 Warner Music 5419607002 (2013)
- TT:17'51"
- 1.交過心的人 Kindred Spirits(4'08")/ 2.怡然自得 Be Yourself(3'14") / 3.人兼愛 People and Love(3'19") / 4.旅途愉快 Happy Journey(3'31") / 5.歸零的美麗 Back to The Beginning(3'36")
台湾で見つけた1枚。
帯には「台湾初の告別式音楽アルバム」と,中国語と英語で記されています。
もっとも,台湾に限らずこうしたテーマの市販CD,しかも創作はそう多くはないと思います。
発売日は2013年12月31日という情報がありますが,年の最後の日にあてているのかもしれません。
それにしてもパッケージがすごい。
厚さ1cmはあろうB5判くらいの大きさの書籍の体裁。
表紙は黒いボール紙のくり抜きで,その中に白地に毛筆風のタイトルが大きく見えています。
ただ,これがまたすごい上げ底。(^^;)
書籍に見えたものは,数ページ収録曲にちなんだ詩的な言葉と参加ミュージシャンやスタッフのクレジットがあるほかは,ただの白紙のノート。
CDも5曲入りで,わずか18分。
曲は,タイトルやパッケージの体裁から受ける沈んだ印象とは違い,ゆったりとしたテンポながら,むしろほの明るさを感じさせるものです。
室内楽の編成で,弦や管,ピアノの音がとても艶やかです。
そのまま歌もつけられそうな甘いメロディーがついた,正統派のイージーリスニングでもあります。
だから,余計上げ底のパッケージがしゃくに触ります。(^^;)
「顔如玉 Music for Beauty−健康美容音樂(2)」
- 台湾盤 風潮音樂(Wind Music) TCD-3143 (1996)
- TT:53'25"
- 1.(27'56") / 2.(25'27")
- 製作人:王旭東 / 作曲家:蘇青
台湾で,良質のリラクゼーション音楽や自然音のCDなどを出している"風潮音樂"の一枚。
ジャケには「Night 夜間保養適用」とあり,解説にも夜の精神,皮膚の状態を考えたもので,西洋楽器の柔らかで穏やかな中低音で表現している旨あります。
ストリングスをバックに,様々な楽器がメロディーを奏でる2〜3分の曲が連なっています。
西洋楽器中心ですが,メロディーはベタベタの中華メロディーで,二胡の音色も聞かれます。
穏やかな音楽ではありますが,筆者には,中華メロディー以外にさして特徴もないイージーリスニングという印象しかありません。(^^;)
ちなみに,この盤の音楽療法の専門家という製作人(プロデューサー),作曲家とも中国大陸の人。
「アメリカン・ライブラリー社」のCD
下記のCDは,いずれもCDのブラックホール^^;「ブックオフ」にて入手。
筆者は何の気なしに,1枚250円とか500円ならネタで買っておくか,という程度のノリで,ありがちな駅のワゴンで売られていたCDだとばかり思ってました。
ところが,本ページをご覧になったコレクターの方(!)から情報提供をいただき,いわく付きのものとわかり,ちょっと驚きました。(^^;)
このCDを出していた「アメリカン・ライブラリー社」は,1980年代から2000年頃まで,雑誌(「トワイライトゾーン」など,アレ系の雑誌のようですが)に広告を出し,自然音や環境音楽をコンテンツとした"自己啓発プログラム"のカセットを販売していた会社です。
数百点ものカタログを揃えていたようですが,1本数千円,1セット数万円とかなり高額なものだったようです。
音源はアメリカで制作されていたようで,(筆者が入手したものにはクレジットはありませんが)Steven Halpernが作曲したものがあるという情報もあります。
同社は2000年頃に事業を撤退しているらしく,今となっては事業の全容は不明です。
ただ,現在も熱心なコレクターさんがいらして,時折オークションにカセットが出てくることがあるようですが,CDは稀なものなのだそうです。(@_@;)
※下記CDは,情報提供をいただいた方にお譲りしました。
(2011/08/29 TNX Sさん) △上に戻る
「MIND TRIP ヒーリングサブリミナルCD」
「アメリカのミュージック・セラピストによって音楽療法用に作曲された」音楽のCD。
「体全体にヒーリング音楽の"音波振動エネルギー"が行きわた」るというもの。(「病気をはね返す肉体的パワーの養成」参照)
例によって「サブリミナル・メッセージ」入りで,わざわざCDの盤面に「日本語版」と記してあります。(^^;)
入手した盤は,いずれもトータル60分前後で,トラックも約30分半々の2トラック。
コレクターさん筋の情報では,このCDはパンフレット類の写真などでは見かけるものの,同社の会員向けに無償配布されていたのみで,一般には出ていない「幻の一品」のようです。(^^;)
「過去からの解放」
- HR-02
- TT:61'03"
- 1.(30'20") / 2.(30'43")
1,2.ともに川のせせらぎの音をバックに,ハープソロ演奏が繰り広げられています。
1.はクラシカルでちょっとテンションも感じられる演奏,2.はポップス的リズム感のある曲。
「真の自分の目覚め」
- HR-03
- TT:61'36"
- 1.(30'34") / 2.(31'02")
1,2.とも波の音を背景にしたシンセ演奏。
曲はいずれも,憂いのあるメロディーながら,曲想は明るめでだんだん盛り上がっていくタイプの(ちょっとベタな^^;)曲。
「意識と肉体の調和」
- HR-05
- TT:58'05
- 1.(27'48") / 2.(30'15")
これも,波の音にシンセ演奏。音数少なめの沈み込んだ感じで,映画音楽のような切なさも。(^^;)
1.は,3曲構成。パンフルート風やギター風の音色で,哀愁を帯びたメロディーが曲を引っ張っています。細いストリングの音色も絡んできて,美しいです。今回レビューした3枚中のベストトラック。
2.は,1曲4〜5分程度で,クラシカルなストリングシンセ中心のアレンジやシンセのみの曲などいろいろ。
(2010/08/30 2011/08/29 一部改訂) △上に戻る
「ヒーリングサブリミナルCD - 病気をはね返す肉体的パワーの養成 "Healing Subliminal Therapy - Building Strong Body to Stay Desease-Free"」
- 日本盤 Wiseman HR65 (1995)
- TT:60'14" (1トラック)
「アメリカのミュージック・セラピストによって音楽療法用に作曲された」音楽のCD。
例によって「サブリミナルメッセージ」入りですが,アメリカで作られたものが,英語のわからない日本人には効くでしょうか。(^^;)
小鳥のさえずりをともなった川のせせらぎをバックに,音楽が流れています。
音楽は,ギターソロを中心に,フルートかサックスの旋律をともなった,シンプルなアレンジのもの。
トラックは1つですが,曲は5分程度の曲が連続して入っています。ただ,楽器の編成,曲想は変わらないので,違和感なく聴き通せます。
ただ,この手のモノとしては珍しく,ブルージーな曲調で一貫しています。
プログレバンドのトータルアルバムの,インターリュードにでも使われてそうなムードの曲ばかりです^^;。
ジャケのタイトルのロゴも,なんか60年代サイケみたいだし。(^^;)
それにしても,ロックファンの感性的には,いい味わいの拾いモノです。^^v
(2009/02/14 2011/08/29 一部改訂) △上に戻る
<特別レビュー>
Luca Yupanqui "Sounds Of The Unborn"
- 米国盤 Sacred Bones Records SBR270CD (2021)
- TT:42'05"
- 1.V5(6'35") / 2.V4.3 pt.2(4'30") / 3.V2.1(2'05") /4.V2.2(5'19") / 5.V3.2(3'33") / 6.V4.2(4'26")/ 7.V4.1(4'54") / 8.V1(5'08") / 9.V3.1(1'38") / 10.V4.3 pt.1(3'55")
- produced by Elizabeth Hart and Ivan Lee
- Invocations by Elizabeth Hart
このCDは,用途が特殊なのではなく,成り立ちが極めて特殊なものだったりします。
で,別枠でレビューです。
なな,なんと,タイトル通り,リリース当時まだ生まれていない胎児のデビューアルバムという,かなりとんでもなさそうなモノです。
当然,筆者好みのネタです。(^^;)
これはアメリカのミュージシャン,Elizabeth HartとIvan Diaz Mathe(本作では,Ivan Leeと表示)が創り出したもの。
録音された2019年当時は,"Luca Yupanqi"は,Elizabethさんのお腹の中だったのでした。
ElizabethとIvanは,"Psychic Ills"という,いかにもヤバそうな名前のサイケデリックのバンドのベースとプロデューサーというのも,これまた。^^;
本作は,Lucaちゃんが入っているElizabethさんのお腹にピックアップをとりつけ,取り出した信号を,"MIDI Bio Technology"というシステムで音に変換し作品化したもの。
説明すればするほど,トンデモなさそうですが。(^^;A
そして,おそるおそるリリースされたCDのフタを開けてみれば,意外や,ナカミはマットーな電子音楽,エレクトロニカだったりします。
音は,パーカッシブなリズムだったり,不定形な音塊だったり,炸裂するサウンド,ノイズっぽい静謐な音など,次から次へ飛び出してきます。
しかし,これは確かに,これから飛び出そうとしてくる何かを感じさせる音ではあります。
もっとも,世間一般の人からすれば,ホラー映画のサントラか,ホラーそのものの世界ではありますが。
(余談ですが,発売元のSacred Bones Recordsは,かのDavid Lynchの作品も出しています。^^;)
過去にも,脳波などの生体反応を作品化したものは,芸術一般に見られます。
本作はそれに加えて,妊娠・出産という女性のライフイベントもテーマとなっていることも,特筆すべきでしょう。
(CDのElizabethさんのクレジットには,"Invocation"「祈り」とも表示されています。)
一方で思ったのですが,こうした生命の動きとも言えるものをどう音響化するかに,正解はなかったりもします。
そこに回答を出すことは,音楽家的にはなかなかの大冒険でもあると思います。
(作風はかなり違いますが,別項でレビューしている"宇宙の音"との共通項もここに感じます。)
いろいろな意味で,感動的な一作です。
筆者がこの作品の存在を知ったのは,2021年2月8日付のCNNの報道でした。
気が付いたら,その日のうちにSacred Bones RecordsのWebサイトでの予約にサインアップしてしまっていました。ちゃんちゃん^^;
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