片手にラヂヲ♪ホームひとりごと「癒し」をCDに求めて癒しの鉄分「鉄道」

作成日:2007/12/31
最終更新日:2019/07/29

「癒し」をCDに求めて〜癒しCD・風景音CDレビュー〜

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癒しの鉄分 「鉄道」

鉄道関係の音を収録したCDはけっこうありますが,「癒し系」としては機械的な音というのは一見なじまないように思えます。しかし,これに「癒し」を銘打って出ているCDがあったりします。(^^;)

これが「癒し」になるワケとしては,サウンド自体にリズミカルな要素があること,とくに機関車にノスタルジックなほのぼのしたイメージがあるためかもしれません。

ここでは,「癒し」を銘打っているもののほか,そういう聴き方もできそうなものも。


「究極のリラクゼーションCD 〜サウンド・スケッチ〜 汽車・SL SL・D-51の情景」
「やすらぎのネイチャーサウンド-10 汽車〜くろがねの咆哮」
「音と映像でつづる自然からの贈りもの 汽車と旅情」
「蒸気機関車驀進」 NEW!
「今,蘇る国鉄〜音の旅」
「轟け!列車走行音」
「夜汽車 - Nature Sound 大自然との出逢い(自然の音シリーズ)」
「走行音で広がる鉄の世界」
「台灣鐵道聲音紀實 The Sound of Railways in Taiwan」
「台灣花東鐵道紀行 The Journey of the Hua-Tung Railway in Taiwan」
Laszlo Sary "Locomotive Symphony"
Chris Watson "El Tren Fantasma"

「究極のリラクゼーションCD 〜サウンド・スケッチ〜 汽車・SL SL・D-51の情景」 "Natural Sounds Series-9 SL from The Train"

  • 日本盤 JOY SOUND KC-009 (制作年不明)
  • TT:44'10"
  • 1.(22'12") / 2.(21'56")

下記ダイソー盤と同一音源。各トラックのタイミングも,出てくる音のタイミングも同じです。
ただ,こちらはだいぶ前から,駅のワゴンで売られていたCDのようなので,リリースはこっちの方が早いのではないかと。同一音源がいろいろなところに流れているのを知るのも,これまたこの種のCDを集めていて楽しみですが。(^^;)

ちなみに,こちらの盤はピクチャーディスクで,カーブするレールの写真をあしらっています。

(2011/07/10) △上に戻る

「やすらぎのネイチャーサウンド-10 汽車〜くろがねの咆哮」

  • 日本盤 ダイソー CD-K-110 (制作年不明)
  • TT:44'08"
  • 1.(22'12") / 2.(21'56")

ダイソーの100円CD。ジャケには「全国各地の蒸気機関車が走る路線にて収録」と記されています。

1.は,最初はごく小さな音で鳥の声などの環境音だけが聞こえています。
初め,スピーカからほどほどの音量にして聞いたのですが,何も聞こえないので不良品かと勘違いもしました。(音量を上げすぎないよう,ご注意を^^;A)

1分25秒目に,小さく蒸気機関車の音と踏切の警報音が聞こえ始めます。そして列車が通過する音がする3分目くらいが音量のピークです。
素人耳で聞いた感じでは,最初に聞こえる汽車の音と,列車が通過する音は巧みにつながれているように思えます。
そして,次はちょっと間が開いて8分目,さらに12分目,17分目,20分目で聞こえます。汽車の音は,それぞれ違った感じもします。

2.は,最初に汽笛の音が聞こえ,後は走行中の車内の音が収録されています。踏切を通過する音,橋やトンネルを通過する音,そばの道路を走る車とすれ違う音もしています。
5分目,14分目の停車駅では,乗降する人の会話も聞こえます。ただし,その後の走行中の音に人の声は聞こえません。

(2008/02/11) △上に戻る

「音と映像でつづる自然からの贈りもの 汽車と旅情」

  • 日本盤 Disk Japan TSP-4010 (1996) CD Graphics
  • TT:30'12"
  • 1.汽車[いまはやまなか……](2'54") / 2.海[松原遠く……](2'07") / 3.早春賦(2'55") / 4.茶摘(1'43") / 5.七つの子(3'14") / 6.あんたがたどこさ(1'36") / 7.かごめ(3'36") / 8.ひらいたひらいた(1'24") / 9.汽車[自然音のみ](9'57")

」でも紹介した"Disk Japan"企画・発売のGD-Gもの。これにもオルゴールの音楽が小音量でミックスされています。
汽車の音は,製造元のアポロンから出ている「夜汽車」と似た感じです。

問題の小音量の音楽ですが,「虫」ではひたすら違和感を感じたのですが,こちらは案外なじんできます。ここは自然音と人工音の受け止め方の違いのようなものかもしれません。
ただ,曲は既存の曲で,短い収録時間とともに中途半端さは否めません。どうせなら,自然音物のCDによくある,オリジナル曲とのミックスなら,もう少し楽しみも出てくるのではと。

(2007/12/31) △上に戻る

「蒸気機関車驀進」

  • 日本盤 日本コロムビア 32C39-7616 (1985)
  • TT:50'15"
  • 1.森の一番列車[8620 花輪線](3'53") / 2.機関車にのって[C-56 木次線](6'07") / 3.富士の裾野にロッドは高鳴る[D-52 御殿場線](3'02") / 4.3重連驀進す[D51×3 東北本線](6'55") / 5.肥後小国駅の入替風景[C-11 宮原線](3'19") / 6.亀山駅から井田川駅まで[C-57 関西本線](3'12") / 7.雀おどしと汽車[C-12 明知線](5'47") / 8.雷鳴下の蒸気機関車[C-56 小海線](5'09") / 9.山中をゆく貨物列車[C-58 信楽線](3'27") / 10.貨物列車を追って[C-58 高徳本線](4'26") / 11.小樽駅を発車する急行「ニセコ」[C-62 函館本線](1'41") / 12.夕べの梵鐘と汽車[C-11 高山線)(3'15")
  • 監修:関沢新一 / 録音:石田善之

昭和43年から昭和45年にかけての蒸気機関車の録音。
アナログで出ていたものの復刻と思われます。

さぞかし猛烈な重低音で迫ってくると思っていたら,再生環境にもよるのかもしれませんが,意外と軽やかに響いています。
シチュエーションは,通過音,客室内,機関室内とさまざま。
組み合わせの妙もあって,7.は鉄砲のような音をたてる「雀おどし」,8.の雷鳴,12.の梵鐘など。

この録音がなされた時期は,筆者はまだオシメをしていた頃です。(^^;)
廃止が進んでいたとはいえ,当時はまだこんなに現役でSLが走っていたのですね。

(2019/07/28) △上に戻る

「今,蘇る国鉄〜音の旅」

  • 日本盤 コロムビアミュージックエンタテイメント COCX-36141-3 (2010)
  • Disc 1
    • TT:77'46"(18トラック)
    • 東北本線〜青函連絡船〜北海道(東北本線・青函連絡船・函館本線・室蘭本線)
      1.上野駅 駅放送(特急「ひばり」「はつかり」)(05'38") / 2.上野駅 停車中・出発後車内放送(急行「まつしま・ばんだい」)(04'30") / 3.宇都宮駅 駅放送(急行「なすの・日光」)(05'05") / 4.白河駅 駅放送(02'16") / 5.郡山駅到着前 車内放送(急行「まつしま」)(01'56") / 6.仙台駅到着前 車内放送(急行「まつしま」)(01'54") / 7.仙台駅 駅放送(特急「ゆうづる」,急行「十和田」)(03'46") / 8.盛岡駅 駅放送(特急「はつかり」)(04'33") / 9.八戸駅到着前 車内・駅放送(01'48") / 10.野辺地駅到着前 車内・駅放送(02'00") / 11.青森駅到着前 車内・駅放送(車内放送:急行「千秋」「きたぐに」,国鉄バス「みずうみ」,青函連絡船「松前丸」,特急「北斗」,急行「ニセコ」「えさし」)(09'00") / 12.青森駅 駅・桟橋・船内放送(駅放送:青函連絡船「大雪丸」 桟橋放送:青函連絡船「八甲田丸」 青函連絡船「松前丸」の船内放送:特急「北斗」,急行「ニセコ」「えさし」)(06'59") / 13.函館駅 駅放送(特急「エルム」,急行「ニセコ」)(03'35") / 14.長万部駅 駅放送(急行「すずらん」)(04'58") / 15.余市駅 駅放送(01'45") / 16.小樽駅 駅放送(特急「北海」)(03'54") / 17.札幌駅 駅放送(急行「とうや」「いぶり」,特急「北斗」,急行「大雪」「天北」)(04'55") / 18.札幌駅(札幌時計台の鐘の音 特急「北斗」の車内放送:青函連絡船「十和田丸」,特急「ゆうづる」,急行「十和田」「津軽」)(09'03")
  • Disc 2
    • TT:77'42"(29トラック)
    • 総武・房総〜上信越〜東海道〜山陰(総武本線・房総西線/東北本線・高崎線・上越線・信越本線/東海道本線/山陰本線)
      1.両国駅 駅放送(急行「水郷・犬吠」)(総武本線・房総西線)(04'22") / 2.木更津駅 駅放送(総武本線・房総西線)(03'55") / 3.館山駅 駅放送(総武本線・房総西線)(02'51") / 4.安房鴨川駅 駅放送(急行「うち房」「そと房」)(総武本線・房総西線)(01'34") / 5.銚子駅 駅放送(総武本線・房総西線)(04'48") / 6.上野駅 駅放送(特急「とき」,急行「ゆけむり」)(東北本線・高崎線・上越線・信越本線)(04'13") / 7.熊谷駅 駅放送(急行「妙高・志賀」)(東北本線・高崎線・上越線・信越本線)(03'30") / 8.高崎駅 駅放送(急行「妙高」)(東北本線・高崎線・上越線・信越本線)(01'59") / 9.渋川駅 駅放送(急行「草津」)(東北本線・高崎線・上越線・信越本線)(03'36") / 10.長岡駅到着前 車内放送(急行「ゆけむり」,特急「白鳥」)(東北本線・高崎線・上越線・信越本線)(01'32") / 11.東三条駅到着前 車内放送(東北本線・高崎線・上越線・信越本線)(0'49") / 12.加茂駅到着前 車内放送(東北本線・高崎線・上越線・信越本線)(0'24") / 13.新津駅到着前 車内・駅放送(急行「佐渡」)(東北本線・高崎線・上越線・信越本線)(02'25") / 14.新潟駅 駅放送(急行「鳥海)(東北本線・高崎線・上越線・信越本線)(01'33") / 15.東京駅 駅放送(東海道本線)(02'08") / 16.横浜駅 駅放送(特急「富士」)(東海道本線)(01'45") / 17.小田原駅 駅放送(東海道本線)(0'30") / 18.三島駅到着前 車内音・駅放送(東海道本線)(02'01") / 19.静岡駅到着前 車内・駅放送(快速浜松行き車内放送:新幹線「こだま」)(東海道本線)(04'24") / 20.名古屋駅到着前 車内・駅放送(普通大垣行き車内放送:新幹線「こだま」)(東海道本線)(02'59") / 21.岐阜駅到着前 車内・駅放送(快速米原行き車内放送:急行「のりくら」)(東海道本線)(01'53") / 22.京都駅 駅放送(特急「つばめ」)(東北本線・高崎線・上越線・信越本線)(東海道本線)(01'52") / 23.大阪駅到着前 車内音と放送(東海道本線)(0'50") / 24.大阪駅 駅放送(特急「つばめ」,急行「雲仙・西海」)(東海道本線)(06'49") / 25.京都駅 駅放送(急行「丹後」)(山陰本線)(04'04") / 26.福知山駅到着前 車内・駅放送(急行「だいせん」)(山陰本線)(04'24") / 27.豊岡駅到着前 車内・駅放送(山陰本線)(03'00") / 28.鳥取駅 駅放送(急行「砂丘」)(山陰本線)(01'22") / 29.米子駅 駅放送(特急「やくも」)(山陰本線)(01'53")
  • Disc 3
    • TT:76'41"(22トラック)
    • 東海道・山陽〜鹿児島本線〜四国(東海道本線・山陽本線/鹿児島本線/高徳本線・土讃本線・予讃本線)
      1.大阪駅 駅放送(特急「しおじ」)(東海道本線・山陽本線)(03'25") / 2.神戸駅到着前・後 車内音(特急「しおじ」)(東海道本線・山陽本線)(02'29") / 3.姫路駅 駅放送(急行「しろやま」,特急「しおじ」)(東海道本線・山陽本線)(06'03") / 4.岡山駅 駅放送(特急「日向・なは」「かもめ」,急行「安芸」)(東海道本線・山陽本線)(08'52") / 5.福山駅到着前 車内・駅放送(東海道本線・山陽本線)(02'58") / 6.三原駅 駅放送(特急「しおじ」,急行「ながと」)(東海道本線・山陽本線)(04'51") / 7.広島駅 駅放送(急行「玄海」,特急「はと」)(東海道本線・山陽本線)(05'12") / 8.宇部駅到着前 車内・駅放送(特急「あさかぜ」,急行「青島」)(東海道本線・山陽本線)(06'15") / 9.下関駅 駅放送(駅放送:急行「山陽」,貨物列車通過音)(東海道本線・山陽本線)(03'36") / 10.門司駅 駅放送(急行「阿蘇」)(東海道本線・山陽本線)(01'45") / 11.博多駅 駅放送(特急「みずほ」)(鹿児島本線)(02'04") / 12.鳥栖駅到着前 車内放送(鹿児島本線)(01'11") / 13.久留米駅 駅放送(特急「有明」)(鹿児島本線)(01'48") / 14.熊本駅 駅放送(特急「有明」,急行「えびの」)(鹿児島本線)(05'31") / 15.串木野駅到着前 車内・駅放送(鹿児島本線)(01'13") / 16.西鹿児島駅 駅放送(急行「しいば」)(鹿児島本線)(03'30") / 17.高松駅 駅放送(急行「いよ」)(高徳本線・土讃本線・予讃本線)(02'47") / 18.徳島駅 駅放送(急行「むろと」)(高徳本線・土讃本線・予讃本線)(02'10") / 19.高知駅 駅放送(急行「あしずり」)(高徳本線・土讃本線・予讃本線)(04'37") / 20.宇和島駅到着前 車内・駅放送(車内放送:急行「うわじま」)(高徳本線・土讃本線・予讃本線)(03'07") / 21.松山駅 駅放送(高徳本線・土讃本線・予讃本線)(02'13") / 22.丸亀駅 駅放送(高徳本線・土讃本線・予讃本線)(0'50")

2010年に「コロムビア創立100周年記念企画」として世に出た,昭和45年から48年にかけて収録された,日本各地の駅や列車内のアナウンスを収録した3枚組CD。
昭和40年代のサウンドスケープが高音質で聴けるのが,ただただ驚異的。

収録順は,各路線に沿ったものになっていて,ちょっとした旅気分を味わえる構成になっています。
車内の走行音や,外での通過音の類はあまりありません。しかし,駅ごとに聞こえる物売りの声,そして時折ふいに聞こえる,たまたま通りがかったお客さんの話し声が生々しいです。

といっても,さすが昭和の時代,発車ベルは「じりじりじり」のベル,アナウンスも録音のものは一切ありません^^;。路線自体がなくなってしまったものも多数あります。
一方で,今も昔もあまり変わらない列車の旅の音風景もまた,感じられます。
付録の100ページに及ぶブックレットは,各トラックごとの関連の写真や,背景情報の解説が充実していて,イメージをふくらませることができます。

ちなみに,この盤にはレコード会社に特設ページがあるほか,Amazon.co.jp限定で,当時これらの音を収録したエンジニアの興味深いコメントが掲載されています。
この盤に収録されたのは,主に大都市発着の幹線路線ですが,翌2011年には地方の幹線路線の録音で構成した続編「今,蘇る国鉄2」も出ています。

(2011/12/19 2012/06/01 トラック詳細追加) △上に戻る

「轟け!列車走行音」

  • 日本盤 テイチクエンタテインメント (2008)

「特急きぬがわ」(新宿〜栃木)

  • TECD-15558
  • TT:67'45"
  • 1.新宿〜池袋(4'27") / 2.池袋〜赤羽(10'11") / 3.赤羽〜大宮(10'54") / 4.大宮〜土呂(4'18") / 5.土呂〜東大宮(1'02") / 6.東大宮〜蓮田(2'14") / 7.蓮田〜白岡(2'48") / 8.白岡〜新白岡(1'24") / 9.新白岡〜久喜(1'45") / 10.久喜〜東鷺宮(1'45") / 11.東鷺宮〜栗橋(3'50") / 12.栗橋〜新古河(7'08") / 13.新古河〜柳生(1'45") / 14.柳生〜板倉東洋大前(1'26") / 15.板倉東洋大前〜藤岡(2'03") / 16.藤岡〜静和(4'48") / 17.静和〜新大平下(1'52") / 18.新大平下〜栃木(3'13") / 19.栃木(0'49")

「山陽新幹線 JR500」(新大阪〜広島)

  • TECD-15559
  • TT:75'01"
  • 1.新大阪〜新神戸(10'16") / 2.新神戸〜西明石(5'10") / 3.西明石〜姫路(6'43") / 4.姫路〜相生(3'59") / 5.相生〜岡山(12'49") / 6.岡山〜新倉敷(8'52") / 7.新倉敷〜福山(6'17") / 8.福山〜新尾道(3'33") / 9.新尾道〜三原(2'10") / 10.三原〜東広島(6'14") / 11.東広島〜広島(7'46") / 12.広島(1'12")

このCDを出しているレコード会社,テイチクは膨大な数の鉄道関係のDVDをリリースしています。
その中の「テイチク運転室展望」シリーズから,なぜか上記と「東京メトロ銀座線(浅草〜渋谷〜浅草)」(TECD-15560)の3作が,DVDの音声部分を抜き出してCDにしてリリースされています。

DVDのついでのものなら,さぞ志が低いシロモノかと思いきや,これが意外に聴き応えがあります。(^^;)
運転席で収録されたもののため,車内アナウンス以外に,運転士の点呼のやりとりが聞こえていて,映像がなくとも通過駅や速度がわかるのがミソ。
逆に,ただ単に列車の走行音だけに浸って,旅気分を味わいたいという人には不向きかも。

「特急きぬがわ」のオリジナルはDVD「485系 特急きぬがわ」。
DVD版では,新宿から鬼怒川温泉までフル収録のところ,CD版は栃木まで。
大宮から栃木までは,東武鉄道への乗り入れで一時停車する栗橋を除いて,ノンストップです。
点呼のやりとりは,頻繁に聞こえていて,なかなか臨場感があります。

「山陽新幹線 JR500」のオリジナルはDVD「山陽新幹線 JR500」。
これも,DVD版では新大阪から博多まで収録のところ,CD版は広島まで。
新幹線の場合は,駅間が長いせいか,運転士の点呼も「きぬがわ」ほど頻繁には聞こえません。
走行中は,さすがに走行音が大きいせいか,運転士の声は少し聞こえにくいです。
それでも,所々で「信号300」と点呼するところ,ちょっとうれしくなったり。(^^;)

この盤のリリースは2008年ですが,その後,きぬがわの485系,新幹線の500系ともに,別の車両に交代しています。
世の移り変わりの早さも感じます。

(2015/07/19) △上に戻る

「夜汽車 - Nature Sound 大自然との出逢い(自然の音シリーズ)」

「夜汽車」
  • 日本盤 ピジョン SE-007 (1991)
  • TT:40'29"(1トラック)

「自然の音」シリーズって,ちょっと違うような気がするのですが,他に出す名目がなかったかもしれません。(^^;)

内容は,主に蒸気機関車の車内の音です。
走行中の音や汽笛の音のほか,途中,通り過ぎる踏切の警報音とか,トンネルを抜ける音,橋を渡る音など,けっこう芸が細かいです。

音はちょうど真ん中の23分目で一度フェードアウトし,後半は虫の音も聞こえる中,再び駅を出発する蒸気機関車の音から始まります。そしてまた車内の音が聞こえてきます。
そして音は同様に続き,フェードアウト。このまま蒸気機関車の旅は続くかのような余韻を残します。

サブタイトル通りの自然の音ではありませんが,走行音のメカニックな反復サウンドは,機械的であると同時に,まるで呼吸しているかのような有機的なイメージさえ沸いてきます。
さらに,汽車に乗って遠くに出かけにいくような,そんなイメージも沸いてきて,なんだかんだ言っても,聞きながら癒されてはいます。(^^;)

そう言えば,世界初とされる具体音の音楽は,まさに鉄道の音(Pierre Schaeffer "Etude aux chemins de fer", 1948)だったのを思い出しました。


「走行音で広がる鉄の世界」

  • 澤井俊佑(著)
  • 秀和システム(A5判/128p/2012年4月10日初版第1刷発行)
  • 付録CD TT:74'35"(97トラック)

出版社の紹介ページには,「列車の走行音など,鉄道に関わる音を録音して楽しむ「音鉄」の入門書です。」とあります。
が,入門なんてナマやさしいものではありません。
日本の鉄オタの極北の一つです,これは。(^^;)

97種類の列車の音を収録したCDもさることながら,本書の目次だけでも圧巻です。

  • [第1章 レールと車輪(台車)に関する音] レールの継ぎ目を通過する時の音について/カーブでの音について/ポイントについて/鉄橋の走行音について/空転,滑走,フラット/空転しやすい車両(関東のものが中心)/レールの削正について
  • [第2章 車両に関する音] モーターのある車両,ない車両/電車のギア比(歯車比)について/モーターの回転が凄まじい車両(路線)
  • [第3章 モーター車で聞ける音を分析してみよう] 音に関しては大きく直流モーター2種と交流モーターの計3種/GTO初期/GTO後期/IGBT/3レベル/2レベル/交流モーター車の非同期音以外の音(モーター音等)
  • [第4章 魅力ある鉄道の音を録音してみよう] 機材の選定/音声の編集/音源一覧

「列車の音を聴き分ける本」と副題にあるとおり,鉄道の音をサウンドスケープとしてではなく,レール,ポイント,車輪,モーター,ギア,インバーターなどの車両機器の音として分析しきっているのがすごいところ。

その実例として,CDに収録されている音が示されています。
収録されているのは,主に東京周辺の電鉄各社(東急,京急,相鉄,東武,西武,JR東日本,東京メトロ,小田急など)で,名鉄や大阪のものもあります。
気動車の類いはありません。
大方は,走行中の車内で録音された音ですが,とくにモーターやインバーターの解説の関連で,車両の加速音が数多く収録されているのが特徴的。

もっとも,音の違いが微妙すぎて,聞いてもよくわからないもの多数。(^^;)
本書冒頭「はじめに」で,CDの最初の2つのトラック(トラック1.東急5050系 / トラック2.東急9000系)を聞いて,「いかがでしょうか?音にずいぶん違いがあるのがお分かりいただけたでしょうか」(p.4)と紹介しているのですが,これとて微妙です。(^^;)

逆に誰が聞いてもわかるのは,3章で採り上げられている「あまりに有名なドレミファインバーター」(p.72 / トラック46.京急2100系)。
加速時のノイズにメロディーっぽい音程があるシーメンス製の車両で,エンジニアさんがわざと音程をつけたのだとか。
もっとも,有名ったって門外漢の私は初めて知ったわけですが。(^^;)

余談ですが,「音鉄」関連書籍では「音鉄〜耳で楽しむ鉄道の世界〜」(片倉佳史著/ワニブックス/256p/2016年3月31日初版発行)も最近発売されています。
こちらはCD付ではないのですが.録音の技法的な解説よりは,現場で遭遇するであろう場面やその対処法が詳しく,旅先での手軽なフィールドレコーディングの入門書としても参考になる一冊です。

(2016/04/23) △上に戻る

「台灣鐵道聲音紀實」

「台灣鐵道聲音紀實 The Sound of Railways in Taiwan」

  • 台湾盤 概念音樂有聲出版 Concept Music CDP-500 (2006) 1CD+booklet
  • TT:53'05"
  • 1.序曲・蒸汽CK124蓄勢待發(3'40") / 2.台南─隆田段百年通車大典(12'52") / 3.往花東DR3100型柴油自強號(2'14") / 4.車站月台PP1000型推拉式自強號快要開了(2'11") / 5.森林鐵道阿里山號進站、出站(8'15") / 6.神木、Z字形第三分道(2'23") / 7.蒸汽SHAY31號的空谷迴音(1'13") / 8.候車、柴[サ/呂]光號進站、PP1000自強通過(1'18") / 9.永遠的光華號特快車白鐵仔"(16'04") / 10.EMU100電器自強雄姿(0'33") / 11.漢本車站通勤電聯車之鳴笛(1'45")

そんなわけで,鉄分に満たされた心は,そのまま台湾にまで向かいます。(^^;)
2007年秋,実際に乗りに行ったのはほかでもない「台湾高速鉄道(台湾新幹線)」でしたが,台北市内のCDショップで,こんなCDも発見してしまいました。

大判のデジパックに,豪華84ページの中・英解説のフルカラーブックレット付です。
なんと,ブックレットに挟まった中・英・日の3言語で警告文を記した紙片には「【注意!】本アルバムは鐵道特集なので,車用音響を使用厳禁!」と日本語も入っています。(どうも,車からこの音を外に流してはいけない,という意味のようですが,意図はイマイチわかりかねます。^^;)

録音は2004年9月〜2005年10月にかけてですが,現役のもののほか,録音時期に特別に運行されたものもあって貴重です。

1,2.は2004年9月25日,縦貫鉄道の南部開通100周年を記念した,CK124蒸気機関車を使った特別列車の録音。
ウォーミングアップで蒸気をふかす音から,記念列車が爆竹の音に送られて発車,走行する車内の音,最後は到着した駅で爆竹の音に出迎えられてシメです。
これだけでも十分感動的です。男泣きに泣けます。T.T

あとは,ディーゼル車や電気機関車の音が続きます。車内やホームのアナウンス(台湾語がいい味です),5.では運転室の無線交信らしき音も聞かれます。
長尺の9.は,1966年に日本から購入したディーゼル車DR2700型で,2004年11月6日に運行された「北廻之星」特別列車。

それにしても,どれもいかにもイナカの電車の雰囲気があって,どれもいい味です。
今度行くときは,のんびり旧来の路線で地方の駅を寄りながら乗りたいと思ったりします。

実はこの盤,台湾のレコード大賞「金曲獎」2007年の「評審團獎」(審査員賞)を獲得したという,玄人筋の評価の高い一枚でもあります。


「台灣花東鐵道紀行 The Journey of the Hua-Tung Railway in Taiwan」

「台灣花東鐵道紀行」
  • 台湾盤 概念音樂有聲出版 CDP-800 (2010)
  • [CD]
    • TT:18'28"
    • 1.泛黄的月台票 A yellowish platform ticket(2'26") / 2.下一站・幸福的故郷 The next station - my hometown(3'30") / 3.曙光第一班列車 The first train at dawn(4'29") / 4.泛黄的月台票MV版 A yellowish platform ticket MV edition(2'50") / 5.幸福的啓航 A happy start(5'11")
    • 作曲・編曲:周志華,黄嘉倩
  • [DVD]
    • TT:19'54"
    • 1.泛黄的月台票 A yellowish platform ticket (2'23") / 2.下一站・幸福的故郷 The next station - my hometown (3'26") / 3.曙光第一班列車 The first train at dawn(4'25") / 4.花東旅情思憶 Memory of the Journey of the Hua-Tung (2'28")

前記「台灣鐵道聲音紀實」の概念音樂有聲出版が,2008年に出した,花蓮−台東間の鉄道写真集+CD+DVD。
書籍はフルカラー,中・英2言語の解説の写真は,それぞれ違うカットを使うという凝りよう。

本書では「東里」駅に魅せられ訪問を重ねている日本のフリーカメラマン,米屋浩二氏のことにも触れ,氏撮影の写真も使われていたりします。
また,協力者のクレジットにも多数日本人の名前が見えます。さすが,鉄オタ大国ニッポン。(^^;)

東海岸の鉄道は非電化で,変化に富んだ風景といい,日本にない風情があり,その電車とともに風景たっぷり見せてくれます。
資料として時刻表のほか,米どころの東部でとれる米の銘柄まで紹介しています。

CDとDVDは,それぞれ20分弱と短めですが,風景(音)に音楽が加わっています。書籍とトータルで,非常に充実したものになっています。

CDの1,4.は,ハーモニカが,哀愁ただようメロディーを奏でています。田舎の鉄道のイメージとしてはベタ過ぎますが,これが見事にハマっています。涙さえ誘います。(^^;)
2,3.は,ミッドテンポの軽いノリの中華メロディーですが,二胡の音色がいい味わい。
5.も同様の曲想ですが,こちらはバイオリン,チェロがいい味。

DVDは,それに加えて映像付き。列車と風景のええカットを,いやというほど見せてくれます。
台湾から帰ってきたばかりなのに,すぐにでも戻って行きたくなってしまうじゃないか,コラ。(^^;)

(2011/11/10) △上に戻る

Laszlo Sary "Locomotive Symphony"

  • ハンガリー盤 Budapest Music Center Records BMC CD 010 (1998)
  • TT:69'42"
  • 1.Locomotive Symphony(16'45") / 2.Studies on Steam Engines(8'15") /3.Source material : Hungarian Steam Locomotives(44'42")

意外や意外,なんと「電子音楽」の領域のCDに,しかもハンガリーの機関車の音がありました。

メインは,1940年生まれの作曲家,Laszlo Saryの作品です。
タイトル曲は,機関車の停車中の蒸気音や走行音などを,リズミカルかつユーモラスに組み合わせています。"Studies..."は,その前段階の作品ですが,音響的にはこちらの方が多様な音していておもしろいかもしれません。
作曲者の父親が駅長をしていて,線路のそばで少年時代を過ごしたことが,この作品の原点になっているようですし,作品のユーモラスな表情は,そんな思い入れに由来しているかもしれません。

むしろここでの本題は,3.のハンガリーの汽車の音で,上記作品の音源になっているものです。CDのクレジットによると,これは1983年に国営のレコード会社Hungaroton(カエルのCDでもお世話になってます^^;)から出されたもののようです。
トラック冒頭は,鳥のさえずりも聞こえる中,おそらくは駅から汽車が発車する音から始まります。そして,走行中の音,汽笛を鳴らしつつある地点を通過する音,機関室で石炭をくべていると思しき音,ブレーキをかけて停車する音もあります。そんな音がいくつか集められ,45分続いていきます。(残念ながら,この汽車の音に関するデータはCDには記載されていません。)

(2007/11/26) △上に戻る

Chris Watson "El Tren Fantasma"

Chris Watson "El Tren Fantasma"
  • 英国盤 Touch TO:42 (2011)
  • TT:59'42"
  • 1.La Anunciante(4'00") / 02.Los Mochis(6'29") / 03.Sierra Tarahumara(5'23") / 4.El Divisadero(5'34") / 5.Crucero La Joya(4'58") / 6.Chihuahua(4'34") / 7.Aguascalientes(3'26") / 8.Mexico D.F.(9'14") / 9.El Tajin; El Dia Y La Noche(10'16") / 10.Veracruz(5'45")
  • Recorded on location across Mexico
  • Inspired by Pierre Schaeffer
  • Station Announcer - Ana Gonzalez Bello

フィールドレコーディングの大家の一人,Chris Watonがメキシコの鉄道の音から構成した作品。
ジャケには「幽霊列車に乗って,Los MochisからVeracurzまで,国土を横切り太平洋岸から大西洋岸まで旅しよう」とコメントがあります。

素材は,Chris Watonが1ヶ月間,民営化し廃止されたメキシコ国鉄の路線,西の太平洋岸のLos Mochisから東の大西洋岸のVeracurzの間の列車の最後の乗客となって収録された鉄道以外の風景音も含めた様々な音。
各トラックのタイトルは,1.以外はその駅名です。

単なる風景音とは言い難い音の加工,構成がされています。
タイトル通り「幽霊列車」というにふさわしい幻想的な風景,そして今はなき音風景への愛惜のようなものもまた感じさせます。

1.は列車が駅に到着,あるいは通過する音が絶え間なく,女性のアナウンスとともに聞こえてきます。ダブ的な処理をしてるいるようで,カオスに聞こえる刺激的な瞬間も。
2.は,この旅の始発駅,Los Mochisのトラック。鶏や犬,鳥の声がする中,鉄道の発着の風景。
3.は,のどかに鳥のさえずりがする中,遠くで列車の音がする風景。
4.は,汽笛がフィルターで加工されたり,ループにされオーケストラのようにたなびき,そこにこれまたループになった走行音が絡んできます。
5.は,虫の羽音に電子音が絡みます。
6.は,鉄道の音に,4.で聞こえていた楽音的なサウンドがそっと入ってきます。
7.は,ゆっくり近づくディーゼル車のような音が,突如音が疾走する列車の通過音に入れ替わります。
8.は,列車の通過音や駅のホームの風景音の組み合わせ。後半現れる,ごろんごろん低い音でフィルターをかけられループになった列車の音がトランシー。
9.は,いかにも夜らしい虫,鳥や動物の声。前後半で音が入れ替わります。後半,最後の方で,遠くごぉぉぉぉと列車の音がしてきます。
10.は,汽笛の音ともコーラスともつかない音が響く中,列車が通過する音が組み合わせられていきます。最後に,1.でも聞こえた女性のアナウンスが入って,列車の旅は終わり。

(2013/02/05) △上に戻る

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片手にラヂヲ♪ホームひとりごと「癒し」をCDに求めて癒しの鉄分「鉄道」
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