ストレスが極限にたまって,"リラクセーション"程度ではもはやもたない,という方々もいらっしゃるでしょう。
そこで,もっと積極的に瞑想に入るとか,催眠にかかってみたいという方々向けのCDの数々を「解脱系」というムリヤリなカテゴリーでまとめてみました。(^^;)
<参考>世の中的に需要の多そうな不眠,安眠対策のものは「睡眠」に,需要があるのかないのかわからないものの^^;結構存在する"サウンドドラッグ"系は「恐怖」に,ありがちなリラクセーション用のものは「弛緩」にまとまってます。
YUKARI & Phil Maturano「Luminous −ヨガと瞑想のための音楽−」
- (発行元不明CDR 番号なし,2009)
- TT:52'04"
- 1.Sky(4'26") / 2.Sun(7'08") / 3.Asia(6'45") / 4.Hope(4'38") / 5.Rain(4'55") / 6.Dream(4'57") / 7.Africa(4'31") / 8.Reminiscence(8'45") / 9.Elation(5'58")
- 2009年ニューヨークにて録音 / 宮澤フルート使用
ジャケの解説によると,ニューヨーク在住のフルーティストYUKARIさんが,ドラマー・録音エンジニアのCAPICUA(ジャケにはPhil Maturanoの名が記されています)と制作,作曲は最後のボーナストラック2曲がCAPICUA,残りはすべてYUKARIさん。
そもそもジャズ系の人のようですが,マンハッタンのヨガクラスでフルート演奏もしていたとのことです。
タブラなどのパーカッション,シンセの音が目立っていて,フルーティストのアルバムながら,フルートの音が思いの外おとなしいのが意外。
1,3.にジャズ・フュージョン的フルートのテイストを感じるものの,他の曲はニューエイジというよりエレクトロニカっぽいです。
フルートの音は,2,4,6.ではほぼ加工された素材,5,7.ではほとんどわからないくらいです。
ボーナストラック扱いの最後の2曲は,ほとんど歌もののポップス。アルバムの意図からはあまりに異質で,この蛇足感がちょっと残念。(^^;)
「すべてが素晴らしくなる音楽《クンダリーニ・ヨーガ》「甘露軍茶利ヨーガ成就法」による音楽」
- 日本盤 I.R.S.M.M.(音楽心医学研究所) SCDA 1147 (2008)
- TT:59'35"(1トラック)
- 1.《クンダリーニ・ヨーガ》全曲
- 作曲・演奏:千億祥也
ジャケは,密教の「軍荼利明王」像の写真に,黄色や赤などの原色が目に飛び込むデザインです。そんなCDを見つけて,帯の文句に驚かされました。
「今,ジャケットを観て怪しいものを感じたり,デザインに違和感を持つ人は,このCDを買わないで下さい。(中略)そんな鈍感な人のために,私はCDを出し続けているのではありません。(中略)このCDは,真剣に「クンダリーニ・ヨーガ」に取り組む人のためだけのCDです!」
図星ですが^^;,お店に入っていきなり店主に説教されたようなものです。でも,買ってしまいました。(もしかしたら,逆にこれが狙いだったりして。^^;;)
曲は,オルガンの音色中心のシンセ演奏です。ただし,オルガンの不協和音が延々続き,リズム,メロディーも非常に感じにくく「癒し系」とはほど遠いものです。
単なる傾聴を拒否するような音塊が続く現代音楽的作風で,帯の文句に違わぬ辛口の音楽と言えます。1時間を飽きさせない構成力があり,音楽的完成度は高いです。
作曲者の意図はともかく,筆者は何度も聴き通してしまいました。(^^;)
説教する店主のいる料理店に通う人の気持ちが,少しだけわかったような気がします。A^^;
「New α Sound - [C] Inviting Good Luck, Realizing Your Wish Series [Instrumental]」
- 日本盤 J.F.ラピスクラブ事業部 NAS-90P-45CB (制作年不明)
- TT:42'49"
- 1.Subliminal Meditation(14'56") / 2.Realize Emotional Satisfaction(14'21") / 3.Possession of Good Fortune(13'30")
ジャケにも曲目程度の表示しかない(中にも解説書の類もない)という怪しさながら,何か感じるところあって,下記「Super Space Sound」とともに入手。こんなものが普通に置いてあるブックオフ,さすが。(^^;)
いずれの曲も,短いフレーズを繰り返しながら展開しています。
音色はそう凝ったところはなく,一見ベタなシンセ音楽のように思えます。しかし,アレンジが意外と巧妙で,長尺ながら飽きずに聴き通せます。
クレジットはありませんが,作者さんはクラシックの素養のある人だと思います。
ただ,1,2.が音質的にちょっと歪んでいるのが,玉に瑕か。
1.は,いわゆる"クリスタル・サウンド"風のキーボードの,緩いテンポでの短い中華メロディーの繰り返し。セミの声のような音色のシンセが入ったり,ピアノソロが絡んだりと,意外と飽きさせない構成の上手さが。
2.は,ふわ〜っとした音色のシンセの短いフレーズが繰り返し,それがパラフレーズされていき,また一つのフレーズに戻ってという展開。サウンド自体は,そう凝ったものではないのですが,曲作りの上手さを感じます。
3.は,ストリングシンセの短い繰り返しフレーズの上に,様々な音色のメロディーが乗っていきます。この曲だけは,リズミカル,かつ音が重なっていって盛り上がっていく構成があって,この種のCDにしては重厚な音です。
「The Super Space Sound - [Z] Innter Cosmos I - Subliminal Instrumental Only」
- 日本盤 J.F.ラピスクラブ事業部 NAS-90P-45ZB (制作年不明)
- TT:52'48"
- 1.Meditation(36'35") / 2.Creation(16'11")
例によって,CDのブラックホール「ブックオフ」にて,上記「[C]」とともに入手。(^^;)
「スーパー・スペース・サウンド」というタイトル,ジャケに「本物の宇宙サウンドによる深い瞑想・宇宙意識への到達を具現する」とまであり,十分怪しさ全開です^^;。
1.を聴くと「どぉぉぉぉぉ,しゅぅぅぅぅ」と,波のように長く緩くうねる持続音がしています。"NASA Space Sounds Recordings",「コスモサウンド」によく似た音ですが,筆者が聴く限り音はいずれとも別物です。(作曲者,音源提供等のクレジットもなく,オリジナル制作の可能性もあります。)その上に,ふわっと立ち上がるフルートのような高めの金属的な音色で,無調的なメロディーが緩いテンポで漂っています。めちゃ耽美的。
2.も1.同様のサウンドの上に,「ひりひりひりひり」と持続する高めのシンセ音,時折「ぐぉぉぉぉん」と効果音的な音もしています。
本物の"Space Sound"かは微妙ですが,本家に勝るとも劣らない刺激的な音響です。乗っているシンセ音も,その味を損なわないアレンジで,電子音楽的にも佳作です。
CDにも解説書はなく,ネット上でのこの盤に関する情報も乏しいです。
わずかな情報をまとめると,CDは効能別に何種類かあり,催眠誘導のナレーション入りのものと音楽のみのものが2枚1組になっていたこと(本盤と「[C]」にも"Instulmental"と表示がある),シリーズのCDの一部は1990年頃すでにあり,カセット版も存在したことが窺えます。
「ヘルスクエストCDライブラリー コ・ディペンデンシー<共依存症>からの回復」 "Health Quest Library - Recovering from Co-Dependency by Kazumi Nishio Ph. D"
- 日本盤 IFF出版部ヘルスワーク協会 HQC 002 (1997/2003)
- TT:
- 1.プロローグ(4'32") / 2.コ・ディペンデンシーとは(22'04") / 3.コ・ディペンデンシーから回復するには(30'54") / 4.問題解決は……show up / pay attention / be true to yourself / let go the result(3'01")
- TT:60'32"
- ナレーション:西尾和美
サイコセラピストの女性のナレーションのみで,BGMはありません。
内容は,共依存症についての解説,回復方法のレクチャーで,催眠CDではありません。(^^;)
ただ,ナレーションには,少しエコーがかかっていて,なんとなく怪しく聞こえてしまうのも事実ですが。(^^;)
「コ・ディペンデンシー(共依存症)」とは聞きなれない横文字ですが,1.の説明によると「自分のことより,他人の問題の世話に夢中になりすぎ,責任をとってしまうので,その結果,他人をますます無責任にしてしまう人たちのこと」だそうです。
3.には,他人からの感謝や賞賛を生きる糧にせず,自分のために生きようという趣旨もあって,一種の処世術として聞いてみてもなかなか興味深かったりします。(^^;)
「Chakra Breathing - Meditations from the World of Osho」
- 日本盤 Osho Haisai / Divine Music TAC-CD 2201
- (ドイツ盤 New Earth Records 9201-2, 1992)
- TT:58'53"
- 1.45 minutes Chakra Breathing(43'17") / 2.15 minutes Silence(15'00") / 3.(0'34")
- Music by Kamal
「7つのチャクラを強烈に活性化させるブレス・メソッド」(日本語解説)だそうです。
サブタイトルの"Osho"ですが,1931年インド生まれ(1990年没)のインド生まれの神秘家。漢字で「和尚」と表記されることもあるそうです。
1.は,ごく短いフレーズの繰り返し音が重ねられたり,変調がかけられたり,キーが変わっていったりという,テリー・ライリー風のミニマル音楽が延々45分続いています。途中,チャクラを変えるところで,合図のベルが入ります。
この種の音楽にしては,テンポは早めです。1970年代ドイツのシンセ音楽を思わせる展開もあります。
この種のものにしては珍しく,言葉を使ったインストラクションはなし。ただし,呼吸のタイミングの指示を,呼吸をする声そのもので「はあっ,はあっ」と,せわしなく入っています。音楽がけっこう良いので聞き続けたものの,ワタシは「はあっ,はあっ」には慣れることができませんでした。(^^;)
2.はなんと,タイトルどおり沈黙,何の音もしていません。ジョン・ケージの「4分33秒」をしのぐ長さです。(^^;)
3.は,セッションの終わりを告げるベルの音。お疲れ様でした。
「Visualized 1 - The Door to Your Real Self - 聞くだけ自己分析」
- 日本盤 Real Self Record (無番号) (2003)
- TT:36'35"
- 1.未来(17'37") / 2.過去そして未来(18'54")
- Lyrics & Vocal : Hiroyuki Miyake / music composition & programming : Mitsunobu Kohama
例によって中古で入手。ナレーションの入りCDですが,催眠やリラクセーションではなく「自己分析」のためのCD。
ジャケには制作スタッフ程度の情報しかありませんが,「我究館」という就職・転職支援,面接対策,自己分析などを業務にしている会社がプロデュースしたもののようです。
実はこのCDに限らず,ナレーション入りの催眠系やリラクセーションのCDのBGMは,環境音楽の傑作の宝庫で,筆者はそういうものを期待して買ってきたりします。(^^;)
1.は,まず波の音が聞こえてきます。ナレーションが「今から,あなたが理想とする,未来の自分に,会いに行くと,いうことを,イメージの中でやっていきます」と,区切るようにゆっくり語りかけてきて,BGMも流れ始めます。
BGMは,波の音をバックに,ゆったりした変調のかかったピアノのような繰り返し音に,長くたなびくストリングシンセが被る静謐な曲。環境音楽としては傑作。(ナレーションのないマイナスワンCD,激しく希望。^^;)
2.は「今から,あなたの人生の,過去を振り返り,未来を描くということを,イメージの中で行っていきます」で始まります。
ナレーション冒頭の背景には,微かに「ぴっぴっぴっぴっ」という音が入っていて,それがBGMにつながっていきます。
BGMはゆったりしたテンポの曲ですが,こちらはクラシックの弦楽合奏風音色のミニマル。だんだん盛り上がっていって,児童合唱風のコーラスまで入ってきます。こちらは環境音楽というには,盛り上がりすぎか。
「Chakra Healing Music I Bace Chakra」
- 日本盤 Triangle CH-01
- TT:37'38"
- 1.(19'53") / 2.(17'44")
- All music and engineering by Chris Odle and Clive Smart
- Recorded in Hackney London G.E.9.
解説によれば,生命の7つの要素を表す"チャクラ"のうち,脊椎の基部にあって生きるために最低必要なものに関連する第1のチャクラ「ベースチャクラ」(ジャケの"Bace"は"Base"の誤りではと^^;)の振動を表現したCD。
解説には「ヒーリングのためのエクササイズ」のほか,「お金を得るためのエクササイズ」なんてのもあります。(^^;)
それにしても,ナカミはめっちゃアンビエント。(^^;)
1.は,ゆっくりうねる低音が聞こえ始めます。4分目を過ぎた辺りから,パーカッシブな機械音のような規則的なノイズなどが入ってきます。そして,また10分目を過ぎるとまたうねる低音のみになり,少しずつ背景にうねるノイズっぽい音が入って変化していき,最後はフェードアウト。
2.でも,1.と同じうねる低音が聞こえてきますが,こちらは全く変化なし。1.のカラオケバージョンでしょうか。(^^;)
しかし,1.2.ともに実に単純な音響なのですが,それゆえに浸れます。
Kouki Ito / Tessho Daido「WeDO SPIRITUALIZE」
- 日本盤 WeDO Research Lab. WeDO-01 (1990)
- TT:73'29"
- 1.宇宙意識 Prologue WeDo's Field (前章 ウィドーの世界)(4'37") / 2.治癒のためのパルス Power Spot Holotropic Healing (パワフルの場へ 全体的な治癒)(18'27") / 3,4.目覚めのためのパルス Outer Spot Rebirthing Voice (外なる場へ 再誕生のさざめき)(9'59"/9'23") / 5.統一のためのパルス Integral Spot Unity (統合の場へ 統一)(10'03") / 6,7.睡眠のためのパルス Beyond The Light (内なる場へ 光りを越えて)(9'42"/11'15")
- all musics written by Kouki Ito / all musics arranged by Kouki Ito and George Wada / all titles written by Tessho Daido / Keyboard : Kouki Ito, Percussion : George Wada, Guitar synthesizer : Detlef Job, Voice for unity by Tessho Daido
「ウィドーパルシングセラピー」なるヒーリングのためのの曲集。
解説書には,曲ごとに聞く時間,呼吸法,瞑想法が指定されています。
曲は,ゲーム音楽の如きサブタイトルですが^^;,いずれもシンセ中心のアンビエントテクノ風。
随所に中華メロディーっぽいフレーズが練りこまれているのが特徴か。
1.は,冷たい音色のストリングシンセが静かに響いていて,いかにも幕開けといった感じ。
2,は,前半は,穏やかな中華メロディーの曲調の中に緩いマーチのリズム,後半はコーラスの音色を中心に緩く漂う曲調。
3,4.はクレジット上は1曲です。3.は緩い中華メロディー,4.はアコギターかハープのような音色の弦の繰り返し音の上に,ふわーっとコーラスの音色。
5.も,パーカッシブなシンセの短い繰り返し音の上に,緩くコーラスの音色で展開します。
6,7.もクレジット上は1曲。6.は,重た目の低音をともなって,ピアノの音色の繰り返しにたなびくコーラスの音色。7.は,音数は少なめに,笛のような音色が淡々と流れる曲。
クレジットされた曲作りのスタッフは,解説書にも詳細はないので確証はないのですが,Prismの伊藤幸毅,Flower Travellin' Bandの和田ジョージ,70年代ドイツのプログレバンド・NovalisのDetlef Jobらしき名前で,意外や意外な名前にちょっと驚かされたり。(^^;)
佐田弘幸「超瞑想CD すべてはうまくいっている」
- 日本盤 アイ信 (無番号,1999)
- TT:67'07"
- 1.超瞑想・すべてはうまくいっている(誘導瞑想・BGM)(22'20") / 2.Invitation from the sky(インストゥルメンタル)(22'22") / 3.Three Space Vibration(22'23")
- 作曲・編集:ヒーリングビレッジ KEN HATA
ジャケには「偶然の一致をコントロールし輝く未来を創る瞑想法」とサブタイトルがあります。
「ここは緑あふれる美しい高原。丘の向こうには山が連なって見え,頂上には雪が少し残っています。」と,男性の声で催眠誘導が始まります。
たいがいの"催眠CD"のナレーションは,淡々とした口調のものが多いのですが,この男性の声,ときどき感情が入って口調が強くなるところがあります。(^^;)
2.は,1.のバックに流れているシンセ演奏で,持続音が中心でリズム感は薄く,メロディーらしいものもありますが,ごく緩く演奏に溶け込んだ感じの音楽。
曲はトラックを通して演奏されていて,中盤に軽く転調するところや,終盤にマンドリンっぽい音色が入ってくるところもありますが,基本的にはさしたる展開はありません。
3.は,2.に呼吸のような緩いテンポ,リズムを感じさせる,ノイズっぽい音色の持続音が加えた,いわばリミックス版。
2.3.とも,流していて気持ちにひっかかるところはないので,BGM的にも悪くありません。(^^;)
それにしても,発売元の「アイ信」って,ビデオの卸販売の会社だと思っていたのですが,こんなCDも売っていたのですね。(^^;)
岩城和平「自己の根源への瞑想」
- アウル企画 (カタログNoなし) (2004)
- TT:39'20"
- 1.Introduction I(3'59") / 2.Introduction II(5'30") / 3.自己の根源への瞑想 I(7'35") / 4.自己の根源への瞑想 II(6'45") / 5.自己の根源への瞑想 III(5'30") / 6.回帰(7'40") / 7.Finale(2'15")
「さて,今から瞑想を始めます。目を閉じてゆったりと,楽に座ってください。体全体の力を,ゆったりと抜いていきます。…」という,男性の声で始まります。
この種のCDでは,たいがいBGMもあることが多いのですが,これはどのトラックもインストラクションをする男性の声だけです。直球ストレートで勝負^^;てなところでしょうか。
よって,筆者のような野次馬にはつまらないところはありますが,心から瞑想を求める人には,この飾りのなさは良さにも感じられるのでしょう。(^^;)
「宇宙人がくれた21世紀の英智と音楽」
- 大高良哉・著
- アルマット/190p/1,700円+税/2003年9月16日初版発行
- 音楽CD「はてな?」(TT:64'08") 1.(23'32") / 2.(9'12") / 3.(10'57") / 4.(20'25")
本書の内容は「想念観察」で自分のエネルギーをコントロールする,というもの。
それにしてもCDがなんと「宇宙の方が即興的に下ろした生演奏」なのだそうで。(^^;)
それに加えて,CDのタイトルが「はてな?」ときてます。何やら,とてつもないものの予感がします。^^;;
CDのナカミは,この種のCDにありがちなシンセ音楽です。
1.は,23分ありますが,何曲かが組になっています。
1曲目と2曲目はたなびくシンセのコーラスに,スペイシーな効果音的な音中心の曲です。が,冒頭からいきなり音が割れてます。まるでカセットから起こした音みたいに聞こえます。雰囲気的には,70年代のKlaus Schulzeの曲の冒頭部みたいに聞こえます。
ところが10分目から一転,繰り返しパターンの上に,軽く高音のメロディーが乗った明るさを感じる曲が。Ash Raの"Blackout"(1978)あたりに入ってても不思議のない曲です。(^^;)
さらに17分目からも同様のパターンの曲ですが,こちらはちょっと中華メロディーも入った,80年代のTangerine Dream風。
さらに,2.のコーラスの音色のメロディーなんて,モロSchulzeさんではないですか。^o^;
3.はまた,リズミカルな80年代タンジェリン風ですが,男性ボーカルがちょこっと入ります。何を言っているのか,わからないんですが。
4.は,法螺貝の音も聞こえる,静かな緩いフレーズで始まり,これまたゆったりしたテンポのシンセの繰り返し音の上に,葦笛のような音色のメロディーが乗った曲。(10分目くらいに時折聞こえる,「こっ」という動物の鳴き声のようなものは何?)12分目,曲の変わり目になんと,拍手が聞こえます。(って,ライブ音源?!)
ナゾの多いこの音源ですが,一つはっきりしているのは,作者の「宇宙の方」,ジャーマンエレクトロのファンということかと。A^^;
「ミュージック・カウンセラー・シリーズ 記憶力 (Orchestra Moonshadow "Voyage")」
- 日本盤 キング KICP-2182 (1991)
- TT:49'32"
- 1.Ocean(13'06") / 2.Mermaid(12'37") / 3.Seashell(12'47") / 4.Neptune(11'00")
- All composed by Orchestra Moonshadow
- Producer : Hiroshi Takami, Yuhki Nakajima
- Whisper Voice : Kensuke Ushijima
CDの帯には「α波・1/fゆらぎタップリのオリジナル・サウンドと,ウィスパー(やさしい ささやき)が,集中力を高め,記憶力を強化します。」とあります。
よくある"サブリミナル"ではなく,"ウィスパー"というのがミソですが,要は催眠系のバリエーションという感じです。
1.は冒頭波の音が入り,聞こえ始める音楽はむやみ重苦しい重低音ストリングスの持続音。これから怪獣が出てきそうな雰囲気です。(^^;)
さらに3'36"あたりからお待ちかね,"ウィスパー・ヴォイス"が入ってきます。
「あなたの気持ちを落ち着いていくように …(聴取不能)… 聞き入ってみましょう。落ち着いた心が記憶力を高めます…」
と,ゆっくりねっとりささやくのが男の声だったりして^^;,曲と相まってほとんどホラー映画のサントラのムードです。
2.以降も,音色こそシンセの爽やかそうな音色ながら,憂いある低音弦の唸る重めの曲が続きます。そこに1.同様,間欠的にウィスパー・ヴォイスが絡んできます。
プロデュースのクレジットには,キングの癒し系ではおなじみのキーボーディスト,中島優貴氏(と,たかみひろし氏の名前も)。
日本語と英語のタイトル(英語題は「海」絡み)のギャップは,営業と創作,それぞれの立場の違いの表れでしょうか。^^;A
「めざまCD 目覚ましいらずの不思議なCD」
- 日本盤 グリーンエナジー GECA-1048 (1993)
- TT:22'30"
- 1.リラックス練習(13'43") / 2.めざまCD(8'45")
- 企画・監修・催眠誘導:波音宏祐 / ナレーション:朝川僚介 / 音楽:エコシステムソフトウェア
「自己催眠を使うことによって,目覚まし時計を使わなくても起きたい時間にひとりでに目が覚める不思議なCD」。
手順としては,初めの1週間,1日に1度「1.リラックス練習」をして,「2.めざまCD」では時計をイメージして目的の時間に起きるというもの。初めのうちは,目的の時間の10分前くらいをイメージして,時間に目覚まし時計もかけておくという,いわば"保険"の指示もあります。(^^;)
音は,呼吸を整えたり,体の力を抜く指示をする「催眠誘導」のナレーションが主ですが,バックには例によって,ステキなアンビエント音楽のBGM入り。
BGMは,ごくゆったりしたテンポのオリエンタルなムードのフレーズを繰り返すシンセ音楽。前景に出ないこと前提で,手の込んだことをしていない分,優れたアンビエント音楽になっています。いつものことながら,これも声ヌキで聴きたいです。(^^;)
しかし,禁煙同様,苦行なんですねぇ,朝起きるのも。A^^;
「タイムトラベルシリーズ 前世体験 I Past Life Experience I」
- 日本盤 グリーンエナジー TT001 (1993)
- TT:51'23"
- 1.前世体験 I - 解説(17'55") / 2.前世体験 I - 導入編(33'26")
- 催眠誘導:桜井ゆみ
- 音楽:エコシステム・ソフトウェア
- 企画・監修:波音宏祐
「催眠誘導に慣れ,初歩的な前世体験をするためのCD」(解説から)。
全編にわたって流れるBGMは,少し中華メロディーの入った,ごくごく緩くほの明るいアンビエント。
1.は,「このCDでは,あなた自身の意識をタイムマシンにして,タイムトラベルを行います。今回はガイドとの遭遇と,簡単な前世移行体験をします。」と,桜井ゆみさんのやや早口ながら甘めの萌える声で始まります。(^^;)
冒頭で最近食べた食事の風景や感覚を思い出すことで,ちょっとしたイメージ誘導を試みるほか,イメージ体験の例などが話されています。
2.はいよいよ催眠誘導。催眠誘導は,まず自分の「内的ガイド」,さらに「スピリット」と呼ぶ"霊的存在"とやりとりする形で進行します。イメージや場面が変わるたびに「周波数スイッチ」を作動させるよう指示があります。
最後に,覚醒するときは1から3まで数えます。「3,気持ぉちよく目が覚めたぁ。」と。この萌える声,目覚まし時計にもほしいです。(^^;)
余談ですが,このCDのジャケは,ネット上の情報ではコミック風のものが見られますが,筆者が手に入れた盤のジャケは渦巻模様のCGです。
「タイムトラベルシリーズ パラレルワールド体験」
- 日本盤 グリーンエナジー TT005 (1993)
- TT:65'37"
- 1.解説:パラレル宇宙説(6'22) / 2.解説:タイムマシンとしての意識(1'39") / 3.解説:未来からのメッセージ説(2'51") / 4.解説:周波数スイッチとしての意識(1'56") / 5.解説:UFOとしての意識(1'22") / 6.解説:目覚めながら周波数スイッチを作動させよう(10'18") / 7.解説:パラレルワールドへ旅する前に(5'18") / 8.体験:パラレルワールドへの旅・UFO瞑想(35'49")
- 催眠誘導:桜井ゆみ
- 音楽:エコシステム・ソフトウェア
- 企画・監修:波音宏祐
ヒプノセラピスト・桜井ゆみさんの1枚。(下記「バック・トゥ・ザ・フューチャー」参照)
こちらは「パラレルワールド」で,違う選択をした別の世界の自分と会ってみる,という趣向。
トータルタイムの半分を占める1〜7.は解説のパート。解説書によれば,この盤とシリーズ1番の「前世体験I」が「タイムトラベル」について詳しく説明しているとのこと。
本編では,だいたいこんな手順で催眠誘導がされています。
目を閉じて深く静かに呼吸をし,リラックスし,UFOのように時空を自由に飛ぶ宇宙旅行のイメージで,タイムトンネルに入り,パラレルワールドに移行。
さらに「重要な体験」をしたり,状況を把握,自分から離れて観察,パラレルワールドの自分からメッセージを受けるため,話をしてみるなどの指示があります。
「バック・トゥ・ザ・フューチャー」ほど指示は細かくなく,各人のイメージに任されているところが多い感じです。そうした部分は,ナレーションはなくBGMだけが延々流れています。
そのBGMですが,キラキラした音色中心に繰り返すシンセ音楽。アンビエントと言えるほどでもなく,ナレーション抜きで聞きたくなるようなものでもありません。(^^;)
「タイムトラベルシリーズ バック・トゥ・ザ・フューチャー」
- 日本盤 グリーンエナジー TT006 (1993)
- TT:66'44"
- 1.解説(14'34") / 2.体験(52'10")
- 催眠誘導:桜井ゆみ
- 音楽:エコシステム・ソフトウェア
- 企画・監修:波音宏祐
CDの帯には「最新の催眠誘導があなたを意識の冒険旅行へ」とあります。
シリーズには,「前世」「未来」「来世」「パラレルワールド」と,考えられる組み合わせはみんな揃ってます。(^^;)
「こんにちは。催眠療法家の桜井ゆみです。」と始まる1.は,この"タイムトラベル"の解説で,「意識によるタイムトラベルは,物理学に反する特別なことではありません。普段の生活で,ごく自然にやっていることなのです。」と。(はあ…)
それにしても,桜井ゆみさん,うっかり萌えそうになる若々しくカワイイ声です。(^^;)
2.は,催眠誘導の本編。ナレーションは,よくあるゆっくり喋るものではなく,淡々と指示を出して行きます。
まずイメージに慣れるため,呼吸を整えてリラックスしてから,海辺にいるイメージに入ります。その際,天候や足の裏の浜辺の砂の感触まで思い起こさせるなど,芸が細かいです。このイメージのシーンだけで15分。
そして「人との関わりで,素晴らしい愛の体験をしたときに移行してください」などと指示が出ます。さらに「心の傷を受けた体験」「今の自分と過去の自分を引き離す」などして,28分目にやっと「これからバック・トゥ・ザ・フューチャーをしましょう。」となります。A^^;
そして,なぜか「傘」を想像してそれにつかまって,突風に吹かれて過去に行くという設定です。(メリー・ポピンズかよ^^;)しかも,突風に吹かれる際に,桜井さんがかわいい声で「くるりんぱっ」と言ったりするもんで,目が覚めてしまいそうに。(^^;)
そして,現在の自分が過去のネガティブな体験をしている自分,さらにポジティブな体験をしている自分と交流するというシカケです。
BGMは,この種のものによくある,アンビエントなもの。
効果音的なシンセの音がメインですが,2.では最初に海辺のシーンがあるからか,終始波のようなノイズの音がしています。
それにしても,キュートな声の桜井さん,どんな姿をしているのかとネットで検索しても,同姓同名の歌手やタレントさんは出てきますが,一向に情報はありません。
たどりついた,あまり確かではない情報は,1997年に死去,と…。(-人-;)
「自己催眠健康回復シリーズ(3) 自己催眠健康法による安眠レッスン編」
- 日本盤 日本コロムビア COCF-11232 (1993)
- TT:41'14"(1トラック)
- 催眠指導:生月誠 / 音声心理指導:鈴木松美 / 制作協力:日本音声研究所
- music by Yoshinari Nashiki / 制作:Music Inn
「音楽部分には特殊な超音波信号を使っており,その信号には,血液の流れ,脳の記憶,脳の思考など,人間の体内のイオンの移動速度に由来した」(解説から)"スーパー・サイコロジカル・ソニック・サウンド"なる音源を使用したというCD。(なんのこっちゃねん^^;)
クレジットされている生月誠,鈴木松美の両氏は,同じ年にリリースされた「コスモサウンド」のシリーズにも名前を連ねています。
最初に聴こえてくるのは,波の音とまばらに聞こえるチェレスタのような高い音色のメロディーの断片。
それからまもなく「それではこれから,心や体を休めて疲れをとって,ストレスを解消する練習を始めていきます。」と催眠指導の男声の声がし始めます。
後は催眠誘導にありがちな,体の力を抜いていく指示が続きます。
指示の声は,この種のものとしてもかなり穏やか,ゆっくり目の話し方で,ちょっと怖ささえ感じます。(^^;)
13分30秒から17分45秒にかけて「あーたーたーかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ〜〜〜〜〜〜〜いぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ〜〜〜〜〜〜〜」という,お経のようなフレーズを延々繰り返すところが白眉。(^^;)
バックのアンビエント・サウンドは,催眠誘導のある間は止まっていて,冒頭の30秒間,途中22分目から25分目,32分目から最後にかけて聴けます。
この手の音のクリエイターとしては知る人ぞ知る,梨木良成氏の名前が,解説書中の片隅に小さくクレジットされていました。(^^;)
「宇宙生命エネルギー音楽」
- 日本盤 日本コロムビア COCS-9549 (1992)
- TT:45'25"
- 1.はじめに(1'00") / 2.天の音楽−UFOからのメッセージ…感動・素直(6'59") / 3.空の音楽−我が魂は宇宙の彼方へ…安らぎ・快感(6'31") / 4.力の音楽−軌跡の生命エネルギー…愛・優しさ(7'13") / 5.法の音楽−白い光の宇宙精霊…信頼・尊敬(6'12") / 6.無の音楽−無限の星座を超えて…希望・期待(6'08") / 7.元の音楽−時間と肉体への帰還…喜び・感謝(4'32") / 8.主の音楽−地球はサンシャイン…自信・勇気(6'49")
- 監修・指導:渡部聖玄(宇宙エネルギー協会・会長)
- 演奏:The Cosmo α
- 作曲(2〜7)・編曲:大川友章 / 作詩:ひらい鶴竜(8) / 曲:新井栄一(8)
タイトルをはじめ,チープなジャケ,インレイの"宇宙生命体"の写真,解説書にもUFOのイラストと,見た目に怪しさ満載の一枚。(^^;)
ネットでググると,監修者もかなりナニな人のようですが,こんなCDがメジャーの日本コロムビアから出ていたのはもっと驚き。
1.は,監修者の渡部氏のナレーションのみ。
低くゆっくりと「では,これからあなたの,潜在意識に,奇跡の生命宇宙エネルギーを送ります」と話していますが,催眠誘導はなくご挨拶程度。
2〜8.は,繰り返しうねりながら持続する和音に,効果音的な音をキラキラまぶした,音色の明るい音楽。
安直なシンセ音楽と思いきや,意外とよく練られていて,それでいて自己主張もさしてなく,嫌いになれない音楽です。(^^;)
3.では,低く小さい声で,なにかぶつぶつ言っているのも聞こえます。
5.は,ちょっと暗い音色のアンビエント風。
7.は,コーラスの音色中心に,優雅なワルツ風。
8.は,歌は入っていませんが,解説書に歌詩も添えられています。このCDのテーマにしては妙に軽いノリの「みんなのうた」風なのが微妙。(^^;)
「幸運体質になれる瞑想CDブック」
- ウィリアム・レーネン・著/伊藤仁彦・訳
- ダイヤモンド社/172ページ/2009年3月12日第1刷発行
- 「チャクラ・バランスを実現する瞑想CD」(TT:74'28") 1.チャクラ・バランス Channeled Chakra Balancing(36'41") / 2.第1チャクラ[ルート・チャクラ](3'33") / 3.第2チャクラ[ルート・チャクラ](5'02") / 4.第3チャクラ[ソーラー・プレクサス](5'17") / 5.第4チャクラ[ハート・チャクラ](2'30") / 6.第5チャクラ[ハート・チャクラ](3'52") / 7.第6チャクラ[サード・アイ](2'38") / 8.第7チャクラ[クラウン・チャクラ](7'09") / 9.第8チャクラ[ゲートウェイ](7'44")
- 作曲・演奏:ケビン・ブラヘニー・フォーチュン
本書では,諸説あるチャクラの数を8として,それぞれに対応したエクササイズが解説されています。
付属CDも,そのチャクラの数に対応した曲数が収録されています。
1.は,最長の曲ですが,2.以下の曲をつなげたもの。
2.は,冒頭の鐘のような音,ドスドスいうパーカッションが実にアンビエントなのですが,その後はむしろ壮大な音楽。
以後は,瞑想と言うよりは,映画のサントラのような曲が続きます。
しかしなめてはいけません^^;。アンビエント的に注目曲もあります。
6.は,コーラスの音色のシンセの持続音だけで構成されています。
8.は,鐘の音のような倍音満載の音が,ゆったりと延々響いています。(クリスタル・ボウルの音か?)
9.は前半,瓶に息を吹き込んだようなノイズっぽい音が,呼吸をしているかのような超緩いリズム,テンポで延々続きます。そして,ラスト1分くらい深く静かにずっと上昇し続けるような「ひゅぅぅぅ」という音(「無限音階」か?)が現れてシメです。このCDのベストトラック。
ちなみに,帯と最初のページには,共著もある"よしもとばなな"の推薦文が寄せられています。
「ウェルビーイング ヨガ ザ・ミュージック・フォー・ピースフル・マインド」 "Wellbeing - Yoga - The Music for Peaceful Mind"
- 日本盤 デラ DW-1601 (2005)
- TT:60'36"
- 1.Start on a Journey(12'16") / 2.Blow Through(11'51") / 3.Set Free(10'18") / 4.The Flow of Water(10'11") / 5.Charge of Air (with Surf Sounds)(12'21") / 6.The Surf(3'38")
- Music Composed and Sound Produced by Shinji Kinoshita + Keitarou Kojima
「シタールやタブラー,ヒンディー語のヴォイスなど,ヒーリング効果が高い音色と共に心と身体を研ぎ澄まし,美しく健康になりましょう。」というCD。
ちょっと聞きには,売り文句の通り「ヨガ」に因んだインドをイメージさせる音を多用し,曲間には鳥の声や自然音と,一見ベタな癒し系音楽のように思えます。
ところが,曲想はニューエイジというより,アンビエント,テクノ,ワールドミュージック的なものが混在し,意外や意外,ハードな感触のある音楽です。
これは捨ておけません。(^^;)
1.では,緩やかなシンセの持続音とミニマル的なフレーズが繰り返され,その上に代わる代わるシタールやヒンディー語の女性ボーカルなどが入ってきます。
2.は,タブラが刻むリズムを中心に進行していますが,鋭さを感じるビートも入ったテクノっぽい曲。
3.は,シンセの持続音をバックに,冒頭男性のヒンディー語が聞こえ,タブラの他オリエンタルなパーカッションの音が淡々と乗っている曲。
4.は,ややアップテンポのポップス的なビートに,ヒンディー語の女性ボーカルや民族楽器の笛の音を絡ませながら進行します。
5.は,ゆったりうねるストリングシンセの上で,パーカッションやシタール,波の音,海鳥の声が,程よく隙間を埋めています。
ラスト6.は,5.から波の音だけを引き継いで締めてます。
「Aroma Meditation」
- 日本盤 バガリー・バカンス VGVK-1074 (2011)
- TT:69'13"
- 1.Nature Treatment(5'24") / 2.Into The Silence(5'50") / 3.Zen Essentials(6'34") / 4.Herbal Beauty(6'37") / 5.Alpha Blending(6'03") / 6.Silent Infection(7'19") / 7.Aroma Meditation Long Mix(30'24")
- 演奏:Stalag
「深く,深く,深化し,解き放たれるリラクシンメディテーションをお楽しみください」(帯より)という一枚。
波の音や鳥の声などを背景に,緩く響くオリエンタルなムードのパーカッション風の音とたなびくシンセ。
ピアノやシンセの音色がメロディーを奏でますが,メロディーはあってないくらい,テンポは緩いです。
そのせいか,どの曲もとりとめなく,途中で終わる感じにも聞こえます。
ただ,その緩さが魅力。(^^;)
睡眠用でもいいかも。
「サイコジェネシス・シリーズ 3 瞑想 Music for Meditation」
- 日本盤 ビクターエンタテインメント VICG-5061 (1990)
- TT:49'08"
- 1.Relaxation 1 "Stone Garden"(13'45") / 2.Meditation 1 "Aqua"(11'13") / 3.Relaxation 2 "Skies of Mandala"(11'57") / 4.Meditation 2 "Poseidon"(12'02")
- Composed, Arranged & Performed by Kyoji Ohno
ビクターが1990年代にリリースしていたシリーズの一枚。
作曲者,大野恭史氏は,1990年代前半にビクターでこの種の音楽を大量に制作していますが,その初期作品には「癒し系」からはみ出しかかった,突き詰めたものを感じる作品がいくつかあって,本作もその一つ。(「スリーピング・ミュージック」「トリップ」「覚醒」参照)
ムードだけの「癒し系音楽」よりも,そういう心意気の入った音楽でこそ聴き手は癒されるものです。
せせらぎや波の音に,緩いテンポの繰り返しの多いシンセ音楽が乗っています。
音楽はメロディーを歌わせすぎず,音数もほどほどで,自然音と音楽が互いに引き立て合っていて,どのトラックも耽美的です。「癒し系」というより,シンセ音楽として絶品です。
1.は,鳥の声とせせらぎの音とともに,民族楽器風の弦楽器の音色のゆったりと繰り返されるフレーズの上に,長くたなびくコーラスの音色のシンセが入ってきます。
2.もせせらぎの音が入ってますが,もう少し水量のある下流の音。音楽は,ゆっくりと隙間を埋めるように繰り返されるピアノの音色だけ。
3.からは,背景音が波の音になります。長くたなびくシンセのストリングスとコーラスの音色で構成されています。
4.は,エコーをともなって繰り返されるフレーズに,長く延ばされるシンセの音が絡みます。Ash Ra "Deep Distance"にちょっと似た音色がします^^;。
この盤は「スリーピング・ミュージック」と同時に発売されていた「Music for Meditation」(VDR-25201,1989年6月21日発売)と同一内容と思われます。
ビクターのこのシリーズは,既発のものをパッケージだけ変えて出し直したり,選曲・編集したものも多く,愛好者的にはけっこう悩まされます。^^;A
「サイコジェネシスシリーズ4 覚醒 Music for Awakening」
- 日本盤 ビクター VICG-5062 (1990)
- TT:41'25"
- 1.Brain Washer NO.1(21'05") / 2.Brain Washer NO.2(20'18")
- produced, composed & performed by Kyoji Ohno
1990年代前半に,ビクターの癒し系CDを多数制作していた作曲家,大野恭史氏の初期の実験的作品の一つ。(「スリーピング・ミュージック」参照)
「覚醒」と言うからには「人間の耳が一番敏感な左右の定位差を強調することによって聴覚を刺激する」(なんのこっちゃ^^;)というCD。例によって,サブリミナルメッセージ入り。
そんなわけで,1.はシンセで作ったごく短いフレーズを,繰り返しながらパターンを変えていく,Steve Reich風の曲。
よく聞くと,同様のフレーズをステレオの左右チャンネルで微妙にタイミングをずらして音の"モアレ"を起こす,いわゆる"ダブルモノ"の手法で音色が作られています。(解説で言うところの「左右の定位差」とは,これのことか。)
この手法は,1970年代のシンセ音楽の常套手段でしたが,1990年代の作品でこれほどアナログチックな音が聞けるとは,シンセ音楽ファンとして妙なうれしさに目が覚めてきます^^;。実際,非常に美しい瞬間に満ちています。
なのに,最後の2分間が,唐突にありきたりのピアノ,ドラム,ベースの音楽に変わって,しかもフェードアウト。どうしちゃったんでしょ。(T_T)
2.の前半は,イントロの後,高めの音色の和音の連打で1.同様の効果を見せています。
こちらには,持続するハーモニーが伴っていて,1.よりもメロディアスに聞こえます。
中盤以降は,波の音も入ってきたり,安っぽいエスニックなパーカッションの音が入ったり,音が目まぐるしく変わり,最後は波の音でシメ。この辺は,心理的効果狙いというよりは,ほとんどプログレ的展開としか思えません。(^^;)
1.の美しいミニマルを全編通してくれれば,と不満もあるものの,意外と筆者の部屋にしばし流れている一枚。^^;A
大塚慎吾「催眠 集中の方法」
- 日本盤 ビクターエンターテイメント VICG-60460 (2001)
- TT:31'19"
- 1.集中の方法1(12'42") / 2.集中の方法2(6'53") / 3.集中の方法3(11'31")
- 催眠プログラム・ナレーション:大塚慎吾 / 音楽・プロデュース:大野恭史
ビクターで数多くの「癒し系音楽」を手がけた,大野恭史氏プロデュースの「催眠」CD。
「集中」のほか「眠り」「癒し」が出ています。
1.は,波の音もする緩く続くストリングシンセの持続音のBGMが流れる中「これから,自己催眠の練習を,始めます。じゃまの,入らない場所で,始めましょう」と,大塚氏のやや鼻にかかった声がゆっくり語りかけてきます。
1.では基本的な,リラクセーションのための姿勢や呼吸,2.は本題の「集中」のためのイメージ作りで,BGMもシンセの速めのパッセージの繰り返し音,3.は自信を持たせるためのインストラクション,BGMは鳥の声に緩いストリングやコーラスの音色の音楽。
これも,ミニマルかつ緩いBGMが素晴らしいです。BGMだけでも,復刻してもらえないものでしょうか。(^^;)
ちなみに,解説書には大塚氏による「催眠術/催眠療法Q&A」という文章があって,世間一般の催眠に対するイメージは否定した上で「全ての催眠術は原理的には自己催眠です」としています。
「Inner Vision Series」
- 日本盤 ピラミッド・アーティスト(1997)
- 「Vol.1 リラクゼーション」
- PYRMD-1531
- TT:67'37"
- 1.Relaxation Masahiko Aoki(34'37") / 2.Blank(3'00") / 3.Relaxation Noriko Kadowaki(21'55") / 4.Blank(3'00") / 5.Ffrad Sync(5'00")
- 「Vol.2 インナー・チャイルド」
- PYRMD-1532
- TT:61'51"
- 1.Session Noriko Kadowaki(52'35") / 2.Blank(4'07") / 3.Ffrad Sync(5'07")
音楽なしの催眠CD。
「Vol.1 リラクゼーション」では,1.が男性,2.が女性,「Vol.2 インナー・チャイルド」では女性による催眠誘導です。
音楽はありませんが,催眠誘導の間,「ざぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛〜」という,背景に音を丸められたFMの局間ノイズのような音がしています。その音が各CDのラストに収められています。
ただノイズを延々流しているようですが,よく聞くと微妙にうねっています。
その"Ffrad Sync"という名称のノイズの由来は,解説書にも出ていません。
(2010/02/24 一部改定:2010/04/26) △上に戻る
宮下富実夫「瞑想 MEISOU」
- 日本盤 ビワレコード BW-6600 (1986)
- TT:52:35
- 1.水織音 Miorine - The Sound of Water Weaving(26'12") / 2.静寂郷 Seijyakukyo - A Region of Stillness(26'23")
1980年代から癒し系音楽のアルバムを100以上残したという,故・宮下富実夫の代表作の一つとされるCD。
この人の作品は,リズム,メロディー,ハーモニーとも兼ね備えた,筆者的にはベタに感じられる音楽^^;が多いのですが,この作品はひと味違います。
2曲ともゆったりしたテンポの数小節のフレーズを,音色を少し変えながら繰り返しています。
メロディーは,予想したほどねっとりしてなくて,さっぱり目。(^^;)
各曲のタイムも合わせるあたり,瞑想というよりはシステマティックな環境音楽っぽく,聞き流して気にひっかからないところが良さ。
「聴きながら眠るだけで7つのチャクラが開くCDブック」
- CD付書籍(ソフトカバーA4変/72p/1,300円+税)
- 永田兼一・著
- フォレスト出版 (2016年5月3日初版発行 / 2016年4月22日発売)
- CD (TT:67'29")
- 1.第1チャクラのための「胎動」(7'42") / 2.第2チャクラのための「愛と慈しみ」(6'31") / 3.第3チャクラのための「水の音」(6'33") / 4.第4チャクラのための「癒しと広がり」(6'39") / 5.第5チャクラのたねの「伝える心」(7'35") / 6.第6チャクラのための「覚ざめ」(7'25") / 7.第7チャクラのための「中心に生きる」(6'43") / 8.全チャクラ開放のための「完成」(18'18")
「クリスタルボウル」の演奏を収めたCDブック。
クリスタルボウルのCDはあまたありますが,こちらはクリスタルボウルで「チャクラ」を活性化するという触れ込み。
本書の帯には「神秘的な水晶の響きがあらゆる不調を整える!」とあります。
CDは8曲67分収録と,この種のCDブックとしては充実の内容。
肝心の音ですが,柔らかい音色で一音一音をじっくり聴かせる演奏。
他のクリスタルボウルのCDにありがちな,響く音が輻輳してカオスになるような瞬間は,あまりありません。
2.と5.では,鳥の声を一緒に入れていますが,お互い邪魔にもならず,隙間を埋めていくようないい響きになっています。
題名どおり,聴きながら寝ると,ホントに気持ちいいです。
書籍の内容は,チャクラとクリスタルボウルの解説,効能を謳っています。
例えば「私たちの体の37兆もの細胞の原子核に直接影響を与えることができるのです」(p.10)など,随所になかなか味わい深いものがあります。(^^;)
Star Sound Orchestra "Planets"
- 日本盤 プレム・プロモーション
- by Steve Schroyder & Jens Zygar
- Fonix Musik原盤(1991)
"Planets I"
- 108S1-(1)
- TT:31'13"
- 1.Mercury(10'41") / 2.Venus(7'21") / 3.Mars(7'01") / 4.Jupiter(6'08")
"Planets II"
- 108S1-(2)
- TT:35'25"
- 5.Uranus(7'32") / 6.Saturn(7'40") / 7.Neptune(9'40") / 8.Pluto(10'31")
惑星の名前を冠した作品は,ニューエイジ系などでは掃いて捨てるほどあるのですが,この2枚の収録曲は「ごわ〜ん,ごわ〜ん」と鳴り続けるドラの音を背景にシンセの音が舞っているという,ちょっと変わった芸風だったりします。(^^;)
作者の一人,Steve Schroyderは,Tangerine Dream "Alpha Centauri"(1971),"Zeit"(1972),Ash Ra Tempel"Seven Up"(1973)にキーボードで参加していた,ジャーマンエレクトロ伝説の人物,なおかつ現役というわけです。
もう一人のJens Zygarという人は,解説書の写真からパーカッション担当のようです。
付された日本語の解説によると「惑星からのメッセージを伝え,あなたの地上レベルでの能力開発のお手伝い」をする,"サブリミナルメッセージ"入りCD。(解説書には,メッセージの全文も書かれています。)
ただし,これはもともと1枚物のCDを2つに分けて売ったシロモノで,オリジナルは"サブリミナル"の意図もなさそうです。(^^;)
"I",1.のシンセはメロディーになるかならないかのアブストラクトですが,2〜4.は1980年代のタンジェリンのサントラ音楽風。
"II"は3.にオリエンタルなメロディーらしきものが聞こえるものの,全体にはアブストラクトなシンセ音が続いています。
それにしても,バックで響き続けるドラの音が異様で,SFチックな感じよりは惑星の荒涼とした風景を思わせる作風です。(^^;)
しかし,独特なカラーの音楽として佳作でもあります。
フランク・ローレンツェン「センタリング」 Frank Lorentzen "Centering"
- 日本盤 プレム・プロモーション PRF-8033 (1989/1993)
- TT:41'38"
- 1.親愛なる人々 Friends(12'00") / 2.薔薇の花飾り〜地球と全体の象徴 Rosetten(09'19") / 3.センタリング Centering(10'41") / 4.過去からの贈りもの Present from the past(09'36")
- All titles composed and played by Frank Lorentzen / Flute on "Centering" by Jorgen Halskov
- デンマーク・Fonix Musik原盤
ヒーリング・ミュージックのハシリの一人,Frank Lorentzenの"Hands"に続く,1989年発表の2作目。
「中心へと向かう音の波動で自分自身のセンターに戻るために創られた音楽」(解説)という1枚。(それって,なんじゃらほい^^;)
1.は,メロディーになるかならないかの,延々延びる金属的な音色で構成された曲。背後でチベタンボウルのような音も鳴っています。
2.は,水の音と虫の声で始まり,延々たなびくコーラスの音色のシンセの和音の上を,柔らかな音色のフルートの緩いメロディーが漂い,シメは波の音。
タイトル曲3.は,管楽器のような音色のシンセの音が緩いメロディーを奏で,その隙間を高めのオルガンのような音色がそっと埋めています。
4.は,お鈴のような音(チベタンベル?)で始まり,3.同様の音色のメロディー,音色が続きます。シメにふさわしく,緩い曲揃いの本作にあって最高に緩い曲。(^^;)
フランク・ローレンツェン「バランス・オブ・ガイア」 Frank Lorentzen "The Balance of Gaia"
- 日本盤 プレム・プロモーション PRF-8088 (1994/2000)
- TT:64'51"
- 1.暁の女神エオス Eos(6'51") / 2.プレアデス The Heavenly Flock of Doves(4'28") / 3.アクエリアスの夜明け The Dawn of Aquarius(5'33") / 4.ステラ・ポラリス Stella Polaris(5'54") / 5.カテドラル Cathedorals(4'26") / 6.バランス・オブ・ガイア The Balance of Gaia(5'55") / 7.月の女神セレネ Selene(14'33") / 8.太陽神ヘリオス Helios(13'20") / 9.イルカにのったアリオンの物語 Arion and the Dolphin(3'48")
- All music composed and played by Frank Lorenzen
- Fonix Musik(デンマーク)原盤
ニューエイジ音楽のオリジネーターの一人にして,ベテランのフランク・ローレンツェンの1994年作品。
いずれも緩いテンポの,せわしいところの全くない音楽ですが,良い意味で鈍い音色のした1980年代の作品に比べると,さすがにデジタルの時代になって,音色が清澄かつ色彩のあるものに変わってきています。
それでも,長尺の7,8.は緩さ故の心地よさと,聞き手を飽きさせないほどほどの展開があり,さらにシメの9.への流れは,手練手管を感じさせます。
フランク・ローレンツェン&ジョン・ヴィルクマン「クリスタル・ボウルの響 アルファ」 Frank Lorentzen & John Virkman "Alpha"
- 日本盤 プレム・プロモーション PRF-8097 (2008)
-
TT:50'19" (2トラック)
- 1. Part 1 今を奏でる〜せせらぎ〜 Improvising (27'16") 1.太陽神経叢,喉,クラウン・チャクラ 2.根のチャクラ 3.ハート・チャクラ 4.第三の眼のチャクラ 5.腹のチャクラ 6.根のチャクラ 7.ハート・チャクラ / 2.Part 2 調和への倍音〜波〜 Harmonising (23'01") 1.クラウン・チャクラ 2.第三の眼のチャクラ 3.喉のチャクラ 4.ハート・チャクラ 5.太陽神経叢のチャクラ 6.腹のチャクラ 7.根のチャクラ
-
デンマーク・Fonix Musik原盤 (1996)
クリスタル・ボウルを謳ったCDですが,実際は各インデックスの冒頭に1回鳴らされるクリスタル・ボウルの音程をキーにして,シンセ演奏を繰り広げています。
解説によると「全音階に近づけて調律した7個のシンギング・クォーツ・クリスタル・ボウル」を使って,各音程もチャクラに結び付けられているとのことです。
シンセの音色も,ボウルの長くたなびく音に合わせていて,ごくごく緩い音楽が流れています。そんななので,演奏中にボウルの音が入っていても,区別がつきにくいくらいです。(^^;)
同じクリスタル・ボウルを使っていても,不確定なボウルの響きそのままの牧野持侑作品(別項参照)とは,まるっきり発想が違います。
背景には自然音が流れていて,1.は川のせせらぎ+虫の声,2.はイルカの声。いずれもFonix Musikの音源で,自然音は"Ocean Waves",イルカの声はJaque Roux & Gay Boulanger "Les mysteriaux Language des Dauphins"から採られたと,ブックレットにクレジットされています。
曲想もそれぞ違い,1.はハープなどの楽音の音色も使った清澄な曲,2.は茫洋な海をイメージしているのか,笛のような音色が延々たなびく,瞑想的な作風。
細かいことですが,2.のインデックスにクレジットにない「8」があるのですが,なんなんでしょうか。(^^;)
カマール「イントゥー・サイレンス」 Kamal "Into Silence - A Meditation for Clarity and Purity"
- 日本盤 プレム・プロモーション PRN-0368 (1996)
- ドイツ・Nightingale Records原盤 (1993)
- TT:59'30"
- 1.ハミング Humming(30'06") / 2.エネルギーを宇宙に与える Spreding Out Energy(7'35") / 3.エナジーを宇宙から受け取る Receiving Energy(7'38") / 4.イントゥー・サイレンス(沈黙の後,鐘が鳴り終了) Silence, Ending With a Gong(14'09")
「これは,音楽を使ってエクササイズをしながら,心と体を浄化・純化する瞑想です。」とあります。
解説書には,それぞれのトラックごとの瞑想の方法が解説されています。
1.は,緩いテンポで断片的にオリエンタルなメロディーを奏でるチャイムの音に加えて,「ぅぅぅぅぅんんんん」と,鐘の音の残響ともタイトル通り人の声のハミングともつかない音が唸っています。実際,このトラックには「まわりに聞こえるくらいの声の大きさでハミングをしましょう。」と指示があります。
2,3.は,緩やかなシンセの持続音の上に,ピアノっぽい音がぽつりぽつりと,メロディーを繰り返すトラック。この2曲は,普通のニューエイジ風。
4.は,この手のCDのお約束の「沈黙」と,シメの鐘の音一発。^^;
「大宇宙」
- 日本盤 ポリドール DUO-1 (1989)
- TT:67'39"
- 1.イントロダクション 管弦楽組曲第3番より「アリア」(ヨハン・セバスチャン・バッハ作曲)(7'00") / 2.リラックス誘導(11'41") / 3.生命(INOCHI 梅谷忠洋作曲)(12'47") / 4.覚醒誘導(2'05") / 5.皇帝円舞曲(ヨハン・シュトラウス作曲)(1'36") / 6.イントロダクション(2'40") / 7.呼吸法「アダージョ」(ヨハン・スタンレー作曲)(2'33") / 8.イメージトレーニング(16'12) / 9.自然の舞(梅谷忠洋作曲)(4'50") / 10.覚醒誘導(1'53") / 11.夕暮れの街(作詞・歌:田中裕子,作・編曲:梅谷忠洋)(4'20")
- 企画・発売元:IMC株式会社 / 演奏:コンチネンタルムー・オーケストラ フルート・指揮:梅谷忠洋
いや〜,「大宇宙」とはストレートにでかくキテます。ジャケのチープな宇宙の絵にもシビれます。(^^;)
しかも,インレイカードを見ると,一枚物CDなのに「税込定価\6,000」です。(もっとも,私は中古で420円で入手したのですが。^^;)
そして,タタキ文句は「このCDは,あなたの潜在能力を見事に活性化します。」(「見事に」ですね^^;)。
1.はバッハの「アリア」に乗せて,女性のナレーションが入り,トラックの途中から男性の声で,体の各部分に注意を向けて,力を抜くよう誘導する声が入ってきます。
そして,そのままトラック2.に,誘導は続きます。随所で繰り返される「力が抜けるぅ〜」というフレーズが耳に残ります。^^;
だいたい全編こんな感じですが,特筆すべきは音楽です。
クラシック編成のオーケストラで奏される,トラック3,9.の梅谷忠洋氏の音楽が出色の出来です。
ロマンチックな音楽ですが,ゆったりしたテンポで俗っぽいメロディーもほどほどの,本格的なクラシックの作品です。もっとも,この音楽がCDの意図に沿っているかは微妙ですが。
あと,8.は,冒頭「こんっ,こんっ」とゆっくり繰り返されるウッドブロックの音で始まり,鳥の声や海の波や海鳥の音,機関車の音,教会の鐘の音,高原の鳥のさえずりなどが,次々と現れます。さながら,ストーリーのないサウンドドラマの趣です。
シメは,これまた意表をついた,NHK「みんなのうた」風の,前向きで爽やかな女性ボーカルのポップス^^;。
催眠系CDとは言え,様々なアイデアがぶち込まれ,手抜かりなく作られた印象を受けます。
意外にも,最後まで楽しめてしまいました。(^^;)
ジェフリー・トンプソン Jeffery Thompson 「チャクラ夢の世界 Dreams In The Minds Eye」
- 日本盤 マインドプレスマーケティング AISV-011 (1981?/1996)
- TT:43'07"
- 1.Summer Shadows 夏の影法師(10'15") / 2.Star Shower 舞い降る星(12'58") / 3.Child Of A Dream 夢見る子(19'52")
- 原盤:Audio Strobe (TAMAS Laboratorium)
別売の機器を使用して「同調した光と音の体験」ができるという,リラクセーションCD。
「1981年以降,心理学者,整体療法士,催眠療法士に広く愛用されて」きたそうです。
音は,これがまた極めてアナログチックなシンセ音楽。(^^;)ムード的には,1970年代ドイツのシンセ音楽,とくに1,2.はCluster & Enoに近い雰囲気で,そのスジのファンには堪えられないと思います(と,人ごとのように言ってみたり^^;)。
解説にも「1981年」とあるあたり,当時のアナログシンセで制作され,アルバムの構成からもカセットあるいはLPでリリースされていたことが推測できます。
1.は,オルガンのような音色の持続音の上に,テープを逆回転のような立ち上がりの音が乗ってます。メロディーになっているような,なっていないような音が延々続きます。
2.も,オルガン的な持続音の上に,一音一音が長く緩い,ちょっと哀愁のあるメロディーが乗っています。中盤の上から落ちてくるような「ひゅぅぅぅ,ひゅぅぅぅ」と音程が下降する音がタイトルの由来かと。^^;
3.は,せせらぎの音と鳥の囀りで始まり,パンフルートの音色でメロディーが入ってきます。じきにいくつかのメロディーが,ややこしく重なって絡まります。中盤,メインの音が低く立ちこめる持続音になってダークな雰囲気になりますが,後半はほのかに明るさを感じる節回しの音に。そして最後に,パンフルートの音色が再び現れてシメ。この展開,プログレでなくしてなんでありましょうか。^^;
それにしても,本作を制作した「ジェフリー・トンプソン博士」,解説によると音によるドラッグや不眠の治療,研究をしているそうですが,電子音楽の作曲を正業にすべきかと。(^^;)
「Space Meditation Vol.1 宇宙体感観想CDプログラム スペース・メディテーション」
- 日本盤 マリアコーポレーション MCSM-001 (制作年不明)
- TT:37'23"
- 1.スペース・メディテーションCD使用方法の説明(2'58") / 2.第一部 導入瞑想 コスモ・トリップの説明(1'39") / 3.コスモ・トリップ(8'47") / 4.第二部 誘導瞑想 コスモ・イメージングの説明(1'17") / 5.コスモ・イメージング(15'06") / 6.第三部 固定瞑想 コスモ・ランディングの説明(1'04") / 7.コスモ・ランディング(5'20") / 8.(1'10")
「広大で神秘的な宇宙空間に飛び立ち,段階的な悟りの境地を早期に体験」するためのCD。BGMはありますが,全編ナレーション入り。
全3部構成で,このCDはその第一部「宇宙空間にまであなたを導く導入瞑想部分」。
例えば,3.「コスモトリップ」は,こんな誘導のナレーションで始まります。
「目を軽く閉じてください。頭上前方からピンポン球ほどの大きさの,光の球体が降りてくるのを想像します…」
(その第一部しか持っていない筆者は,宇宙空間まで導かれたら帰ってこられないのでしょうか。^^;)
しかし,それよりも筆者的にはバックの音楽のアンビエントさに引きずり込まれています。(^^;)
いずれのトラックの音楽も,そう手の込んだものではありませんが,捨て置けない音ではあります。
3.では,波の音とともに,オルガンの和音のような音が繰り返される上に,ぽつぽつと音が乗っています。
5.では,ピアノの音色の繰り返しと,その上にコーラスのような和音,さらに時折「しゅわぁーっ」という感じのシンセの効果音的なサウンド。
出色なのは7.「コスモ・ランディング」で,宇宙空間の大きなスクリーンに,自分が迷惑をかけた人が映し出されていて,その人に向かって「ありがとうございます」と口にするという,コズミックなのかどうかよくわからないもの。(^^;)
しかし,そのナレーションがシンセのドローンのBGMとともに「ありがとうございます…ありがとうございます…」と繰り返していくところが,けっこう耽美的。(^^;)
「心身を浄化する瞑想「倍音声明」CDブック」
- 成瀬雅春(著)
- CD付書籍 マキノ出版(A5判ソフトカバー/147p/2010年11月25日第1刷発行)
- 「倍音声明CD」
- TT:31'39"
- 1.倍音声明トレーニング(11'41") / 2.倍音声明(19'56")
- 2010年7月11日東京・竹芝の「Rock Studio」にて収録
「声明」とはいっても,この「倍音声明」とは,母音を「ウー」「オー」「アー」「エー」「イー」の順で一定時間発声を続ける瞑想法。
よって,名称や響きに似たところはありますが,お経というわけではありません。
本書によると,その由来はチベット密教ニンマ派の呪術的行法で,それを著者が「だれにでも無理なくできるよう」単純化したものだそうです。それに加えて,ヨガの呼吸法や「チャクラ」の考えも絡めているのが特徴。
お楽しみの付録CD^^;は,大人数でのセッションのライブ録音。
音は,やや遠目のワンポイントで録られている感じで,若干場内のノイズも拾っていますが,それを差し引いても凄い音響です。
1.は,参加者全員が上記の順序で同じ発声を,鐘の音の合図があるまで各1分程度続けています。
本書では「メロディーはつけない」「なるべく低い声で」と指示はありますが,参加者の音程や持続はまちまちで,音が混濁して予想外の音響が現れています。(こういう音響が「倍音」の名称の由来のようです。)
2.では,参加者をグループ分けして違う音から始め,1.同様鐘の音で音を変えていきます。(ちなみに,どの音から始めても,上記母音の順序は守るそうです。)
聴き手にとってもセンターになる音はなく,ただ渦巻く凄まじい音響に浸るのみ。
同じような音響が延々続きますが,響きの中の音色は変化し続けていて,それがまた心地良いです。読経の陶酔感のみを抽出したサウンドとも言えるかもしれません。
一方,この延々続くトーンは,中途半端に音楽に心あると,いじり倒したくなること必至です。(^^;)
筆者もサンプリングしたものの,ただでさえ壮絶なサウンドを長時間モニターし続けたら,めまいが…。(@ @;)
どうでもいいことですが,本書の帯の「内田樹さん推薦!」って一体…。(^^;)
「ミスティカのガイドによるハート瞑想」"Mystica presents Relaxation and Meditation with the Unimysti Oils"
- 日本盤 ミスティカビューティー(番号なし・制作年不明)
- TT:34'51"
- 1.Introduction イントロダクション(3'12") / 2.Entering the Mystery 神秘に入っていく(14'50") / 3.Letting Go into the Mystery 神秘の中に明け渡していく(13'20") / 4.Waking Up in the Mystery 神秘の中に目覚める(3'27")
アロマオイルを使ったヒーリングのインストラクションCD。
そもそもオイルがなれけば,CDだけでは意味がないのかなと。(^^;)
しかも,日本盤なのに,CDの音声は全編英語という,日本人にはちょっと微妙な品物。
ブックレットにその全訳が出ているのですが,CDの立場は…と思ったりもします。(^^;)
もっとも,ミスティカと名乗る人物はカリスマのようでありますので,それなりにありがたいものらしいのですが…。
よって,中古レコ屋でこのCDを入手した筆者は,評しようがなかったりします。(^^;)
「Horace Dobbs' Dolphin Dreamtime」
- 日本盤 メルダック MECS-30001 (1991)
- TT:62'33"
- 1.(31'07") / 2.(31'24")
- supervised by Ph.D Horrace Dobbs / Taranath Andre (visualization) Glenda Lum
イルカ物CDですが,主目的はリラクセーションのようで,イルカの声は音楽の合間に聞こえているという感じです。
1.は女性のナレーションとBGMで,水中でイルカと遊ぶイメージを誘導しているのですが,いかんせん英語^^;。日本盤には,日本語訳が書かれているのですが,ブックレットを読みながらイメージに入っていくのは,ちょっとムリがあるのでは。(^^;)
というわけで,2.はナレーションなしのカラオケバージョン。この種の催眠誘導系CDのBGMはよくできたものが多いだけに,ありがたいことこのうえないです。
ごくごく緩いテンポのシンセの持続音を主にした,イルカの声が織り込まれたBGM。強いて言えば,Vangelisあたりの芸風に近いです。アンビエント音楽としては秀逸。
さらにラスト3分間の,音程を不安定にする変調のかかったパートのイカレ具合がたまりません。(^^;)
"Windows - Sound Frequency Patterns In Music For Deep Relaxation"
- 米国盤 Brain/Mind Research (無番号,1989)
- [日本発売:グリーンエナジー BM104]
- TT:42'28"
- 1.Approach - Ascent - Break Through - Ocean of Sky(21'08") / 2.Inner Heights - Window - Attainment - Return(21'18")
- Performed by Dr. Jeffery Thompson and Victor Zirak
この種のCDにしては珍しいライブ盤です。ただし,観客の反応は全く聞こえません。
全体に深くリヴァーブがかかっていて,薄く延ばされたシンセの音に,これまたぼんやりと音が被されています。
1.は虫の声で始まり,高い音色のシンセの持続音が入ってきます。トラック全体に,高めの音がヒリヒリしています。
2.の冒頭,"Inner Heights"で,たゆたうシンセ音の中を流れるストリングシンセの音が,ほとんどAsh Raの名作"New Age of Earth"収録の"Ocean of Tenderness"です。さらにラストの"Return"でも,同じく"Deep Distance"そっくりの音が聞こえます。(^^;)
その他のトラック,パートにも,1970年代のTangerine Dreamそっくりの音が感じられます。
もっとも,Thompson氏の作品(別項参照)には,1970年代ドイツのシンセ音楽の香りがぷんぷんするのですが(筆者的にはツボなんですが^^;)。
ちなみに,このCDを出しているBrain/Mind Researchは,Thompson氏が主宰していて,"NASA Space Sounds Recordings"という傑作も出しています。(^^;)
Frank Lorentzen "Hands"
- デンマーク盤 Fonix Musik FMF CD 1002 (1986) / 国内発売:プレム・プロモーション FMF-1002
- TT:60'43"
- 1.Accept-Transformation(17:21) / 2.Inspiration-Expression(14:21) / 3.Faith-Hope and Charity(15:10) / 4.Love-Light-Guidance(13:49)
- All music composed, played and produced by Frank Lorentzen
デンマークの作曲家,Frank Lorentzenが,瞑想,ヒーリングを謳った作品を出し始めた頃の作品。1986年制作で,この種の音楽としては,比較的早い時期のものでしょう。
本人による解説によると,1曲目と3曲目は「願い,切望,自信,自身の感情を解放」,2曲目と4曲目は「自身の持っているエネルギーを引き出す」ものとか。
音楽はいずれも,ゆっくり立ち上がってきて,延々たなびくシンセの和音がベースに,その上に音を重ねたり音色を変えていき,緩やかな変化をもって流れていきます。
シンプルな,しかもアナログチックな^^;シンセ音楽で,さして手が込んだものではないのですが,それゆえ曲の緩さとあいまって,どっぷり浸りきれます。
"Focus - Boost Your Concentration at The Touch of a Button"
- 米国盤 Immrama institute (カタログ番号なし) (2009)
- [Disc 1]
- TT:72'02"(1トラック)
- 1.Clarity
- [Disc 2]
- TT:72'04"
- 1.Focus(50'02") / 2.Envision(22'00")
"Focus Program"という「焦点と機敏さ,精神的明晰さと集中力を改善する」というCD。解説を見る限り,何かしながら聞いてて良さそうです。
が,それにしてもCD2枚組全部雨音というのがすごい。
他のこの種のCDでは,せめて他のCDは波の音にするとかあるものですが,これは徹頭徹尾は全く違いの感じられない,雨音だけ。これで2枚組CDというのは,他ではまずないのではないかと。(^^;)
効果のほどはともかく,雨音としては音量,トーンとも良い塩梅です。雨音が好きな人なら,見つけたら買っておきましょう。(^^;)
しかし,このImmramaという会社,すでにレビューした"Insight"も雨音だったりして,雨音だけでどれほど商売引っ張るのかと。(^^;)
"Insight"
- 米国盤(?) Immrama Institute (無番号,制作年不明)
- TT:72'18"
- 1.Journey(24'06") / 2.Exploration(24'06") / 3.Insight(24'04")
「ストレス軽減,瞑想・覚醒の拡張,深いレベルの自己覚醒,全体的な精神・感情の健康改善のための強力なツール」というCD。
解説書にはヘッドホンを使うこと,各トラックの聴き方(組み合わせもあるようです),呼吸法,脳波についての解説などが書かれています。
中身は,各トラックとも24分で統一,いずれも雨音が収録されていて,音楽等のシンセティックな音は入っていません。
各トラックの音の違いは,微妙すぎてよくわかりません。(^^;)
1.は,集中時のβ波からα波,θ波,深くリラックスしたδ波まで,2.はさらに低いδ波まで誘導,3.は,逆にθ波,α波に戻すそうです。
それにしても,音色の雨音,水のしたたる音が柔らかな音色で,他の「雨音」を謳ったCDよりずっと良かったりします。
これは効能を期待するより,良質の雨音のサウンドスケープとして聞くのが正解。(^^;)
Steven Halpern "Music for Savasana - Yoga Meditation & Deep Relaxation"
- 米国盤 Inner Peace Music IPM7866 (2002)
- TT'60'13"
- 1.Tibetan Bowl I(0'56") / 2.Eastern Peace(2'39") / 3.Moonlight On the Ganges(2'32") / 4.Sakura(5'15") / 5.Deep Bamboo(4'23") / 6.Earthrise I(3'03") / 7.Earthrise II(3'05") / 8.Tibetan Bowl II(1'42") / 9.Song of the Lotus(4'23") / 10.Tambura(1'51") / 11.Light In Your Eyes(14'24") / 12.Chakra Balancing(14'19") / 13.Tibetan Bowl III(1'38")
- produced by Steven Halpern / Steven Halpern : grand piano, electric piano, "angeric choir" and other keyboards / Schawkie Roth : bamboo flute
アメリカでのニューエイジ音楽の先駆者の一人で,1970年代半ばから50作以上のアルバムを発表している,Steven Halpernの作品。("Spectrum Suite"参照)
「サバサナ」とは,ヨガの基本ポーズの一つ「死体のポーズ」のこと。Halpern氏自身の解説によると,約15分を1セクションとして,15秒の沈黙を入れているとのこと。
1,8,13.は,鐘のような音色の「チベタン・ボウル」,2,9.は,オリエンタルな旋律のアコースティックピアノの音,3,5.は尺八とシンセ,10.はシタールのドローンの音色,それ以外はエレピの音中心のトラック。
白眉は,エレピに高めの音色のコーラスの音色で陰鬱なメロディーが絡む11.。
Halpern氏の音楽の聴きどころは,他ではありそうでない,音数の少ないピアノやエレピソロでのオリエンタリズムで,しかもそれが表面的な安直さ,軽薄さを排し,その道を求めて出た答えという感じの,心に染み入る音色がします。
ただ多作ゆえ,どれを聴いても同じように聞こえてしまうのも否定できませんが。(^^;)
"Hemi-Sync - Inner Journey"
- 米国盤 Metamusic (番号なし) (2004)
- TT:29'50"(1トラック)
- composed by Micah Sadigh
「脳全体を覚醒させる」というフレコミのCD。"Hemi-Sync"というのは,そういう作用を促す音響システムのことらしいです。(ほー)
なのですが,ナカミは極めてアナログチックな甘めメロディーが漂うシンセ音楽。しかし,それ故に愛聴盤になってます。(^^;)
全体的には,Tangerine Dream的な音ですが,メロディーラインがKlaus Schulze風でもあり,Eduard
Artemiev的に聞こえるところもあるという(悪く言えば古くさいシンセ音楽ではあるのですが^^;),シンセ音楽ファン的には捨ておけないものでもあります。
イマドキの癒し系音楽にしては,そんなねっとりした音の一枚。(^^;)
"Hemi-Sync - Higher"
- 米国盤 Metamusic 無番号 (2007)
- TT:47'49"(1トラック)
- 1.Higher
- Composed and performed by J. S. Epperson
特定の音の周波数を組み合わせて「人の意識状態」のコントロールを可能にするという音響技術「ヘミシンク」のCD。
最初に聞こえてくるのは,緩くうねるように続く低音で,これは最後まで基調になっています。
以降も緩いテンポで,コーラスや高いストリングスの音色で,波打つような動きのメロディーが出たり入ったりしてきます。
20分目あたりで,うねる低音のリズムがキモチ変わり,その上のシンセのメロディーも,少し節回しが変わってきますが,基本的な曲想は最後まで変わりません。
筆者好みの緩いシンセ音楽ではあるのですが,音や全体の構成に平板さがあって,物足りなさを感じます。
"Hemi-Sync - Dimensions in Time"
- 米国盤 Metamusic (番号なし) (2010)
- TT:62'11"
- 1.(5'29") / 2.(6'34") / 3.(6'53") / 4.(6'05") / 5.(5'13") / 6.(5'41") / 7.(3'35") / 8.(4'02") / 9.(5'32") / 10.(4'31") / 11.(4'48") / 12.(3'46")
- composed by Deborah Martin and Erik Wollo
「脳を活性化させる」という効能を謳う「ヘミシンク」の音楽CDの一枚。
たいがいの「ヘミシンク」の音楽CDは,典型的ニューエイジミュージックですが,これは「アメリカ先住民へのオマージュ」という,変わった趣向のある作品。曲中の随所にアメリカ先住民の音楽を取り込んでいます。
1.のみ,ポップス的バックビートを刻むドラムの音色がしています。メロトロンのフルートのような音色の陰鬱なメロディーは,モロにTangerine Dream^^;。そこに「1894年に蝋管録音されたオマハ族やキオワ族の音楽の断片」という,歪んだ音色の声が繰り返し挟まれます。
続く2.でも,アメリカ先住民の歌声がサンプリングされていて,Enigmaの"Return To Innocence"的なノリ,ミニマル的な3.は,短くリズムを刻むアメリカ先住民の弦楽器らしい音色がループしているなど,他のトラックでも随所にアメリカ先住民の音楽が取り込まれています。
この種のCDは,ともすると長尺で難解な陶酔的なサウンドになりがちですが,本作は各5分前後のトラックの構成もあって聴きやすいです。
ユニークなテーマながら音楽もよく練りこまれていて,(効能はともかく^^;)佳作です。
"Osho Dynamic Meditation"
- 米国盤 New Earth Records NE 9002-2 (1980/2002,日本発売元:市民出版社)
- TT:59'47"
- 1.First Stage-10 Minutes-Breath(9'45") / 2.Second Stage-10 Minutes-Body Movement(10'11") / 3.Third Stage-10 Minutes-Jumping(10'06") / 4.(0'10") / 5.Fourth Stage-15 Minutes-Silence(14'52") / 6.Fifth Stage-15 Minutes-Dance(14'43")
- music by Deuter
既にいくつか紹介している"Osho"の,"Active Meditation"シリーズの一枚。
本盤には,mpegムービーも付いていて,5分ほどのインストラクションビデオが見られます。
しかしそれが,"瞑想"のイメージからおよそかけ離れた激しいダンスにしか見えません。
実演している長髪のお姉さんが,ヘッドバンギングしているとしか思えないような箇所も。(^^;)
輸入盤に付された日本語の帯には,Oshoの「あなた方はとどこおったエネルギーをあまりに多く持ちすぎている そのエネルギーを流れさせなさい」という言葉が記されています。
音楽は,OshoのCDではおなじみ,B級クラウトロックの雄(^^;),Deuterの,Wikipediaによると1976年の作品。
曲は,いずれも激しい動きに即した,ミニマルなアップテンポのパーカッションがメイン。
既にニューエイジ的な音楽になりつつ,クラウトロックのムードを残してもいる一枚でもあります。(^^;)
1.は,幕開けのドラの音一発に続き,アップテンポのボンゴで始まり,パーカッションのみでミニマルな演奏が繰り広げられます。そして各トラックとも,区切りにはドラの音が一発鳴ります。
2.も同様ですが,シンセの音が加わっていて,テンポが一層速まり,サイケ感も増しています。(^^;)
3.は,少しテンポ,音数を落とし,シンセが繰り返す跳ねたリズムがメインになります。
そして"Stop!"という声が入り,4,5.のお約束の沈黙パートへ。ここでは,どんな姿勢になっていようと,静止するんだとか。これはこれできつそう。(^^;)
ラスト6.は,区切りのドラの音もなく,ゆったりと笛,シタールがエスニックなムードの音を奏で始め,やがてテンポを速め盛り上がりを見せます。
"Osho Kundarini Meditation"
- ドイツ盤 New Earth Records NE9003-2 (1978)
- TT:60'02"
- 1.First Stage(14'41") / 2.Second Stage(14'34") / 3.Third Stage(14'49") / 4.Fourth Stage(15'10") / 5.(0'46")
- Music by Deuter
"Osho Nadabrahma Meditation"
- ドイツ盤 New Earth Records NE9202-2 (1980)
- TT:61'14"
- 1.First Stage(30'00") / 2.Second Stage(15'12") / 3.Third Stage(16'00")
- Music by Deuter
このページでも,数種紹介しているインドの宗教家,神秘思想家"Osho"(1931-1990,本名バグワン・シュリ・ラジニーシ)の名を冠した,瞑想用CD。
いずれも,各曲ごとに瞑想方法を写真入りで解説しています。
それよりも筆者の関心は,OshoのCDの音楽としてクレジットされている,ドイツ出身の音楽家"Deuter"の作品。(^^;)
CDのリリースは2000年代のようですが,ここで採り上げた2作は,Wikipediaによると"Kundarini","Nadabrahma"とも1975年作。クラウトロックの香りがムンムンすると思ったら,まさにそのものだったわけです。(^^;)
"Kundarini"の1.は,アップテンポの木琴,パーカッション,シンセのライヒ風ミニマル。手の込んだ多重録音の曲ですが,重ねられた木琴の音から始まり,5分目から入ってくるシンセの疾走感がハンパではないです。これで瞑想になるんでしょうか^^;。ただ,フェードアウトで終わるのが惜しいです。
2.は,うって変わってギター,シタール,パーカッションなどアコ楽器での反復主体の東洋風音楽。初めはニューエイジっぽいのですが,曲が進むにつれ反復の陶酔感が増してきます。
3.は,冒頭様々な音程の鐘の音色が乱れ鳴り,中盤はメロディーのあるかないかの緩いオルガンの持続音の上にフルートの音色が舞っています。最後は繰り返されるシタールの音色とフルートの瞑想的なムード。
4.はお約束の沈黙,そして5.でセッション終了を告げる鐘の音数発。(^^;)
"Nadabrahma"の1.は,数種類の低めの音色の鐘の乱れ打ち。低いごろんごろんした音色が延々続くと,なかなかハイになってきます^^;。ところどころ,ウインドチャイムの音色も入ってきます。
2.は,ハーモニウムらしき音色の持続音を主に,前半は緩いフルートの音色,後半は男声のコーラスが絡んでいます。
3.は,これまた沈黙とシメの鐘の音。
"Meditations of Osho - Mandala Meditation"
- ドイツ盤 New Earth NE 9801-2 (1998) / 発売元:市民出版社
- TT:60'24"
- 1.First Stage(14'32") / 2.Second Stage(15'04") / 3.Third Stage(15'15") / 4.Fourth Stage(15'31")
- Music by Deuter
"Chakra Breathing"同様,これまた「和尚」瞑想CD。(^^;)
"第1ステージ"は「目を開けたまま,その場で動かずに駆け足をします」(日本語解説)という,禅問答のような指示。(^^;)
それに付いている音楽は,アップテンポな複数のパーカッション(手で打つボンゴのような音色)の演奏。複雑なリズムでもなく,洗練された音がすることが多いこの種のCDにしては,こういうプリミティブな音はちょっと斬新。
"第2ステージ"は「風に吹かれてそよぐ葦のように,体を腰の部分から柔らかく回転させます」という指示。前屈しても地ベタまで20cm届かない,硬い体の筆者ごたさんには苦行とか。(^^;)
音楽は,エコーのかかったギターのリフがぐるぐる繰り返される中,波の音もしています。後半は,オルガンのドローンも絡んできます。1970年代ドイツのシンセ音楽,初期のAsh Ra TempelやHarmoniaのような味と香り。(^^;)
"第3ステージ"は「頭を動かさずに,眼球を時計回りに回転させます。(中略)しかもできるだけ速く,眼孔いっぱいに両眼をぐるぐる回転させます」。指示を読むだけで,めまいがしてきます。(^^;)
音楽は,12弦ギターらしき音の速めのリフが繰り返される中,キーボードのメロディーが絡んできます。しかし,このギター,編曲も凝っていてテクニックもなかなか。これも,ドイツのEmtidiとか思い出してしまいました。^^;
"第4ステージ"は「目を閉じて静止しています」ということで,これならできる,と思ったら寝てしまいました。(^^;)
このトラックは,15分丸ごと沈黙。最後の最後にセッション終了を告げる鐘の音が一発して,目が覚めました。(^^;)
しかし,この盤の制作がドイツの会社だからなんでしょうか,音楽はどう聞いても1970年代のジャーマンプログレ^^;。このテーマでそういう音ということは,ジャーマンプログレがかくもサイキックな音楽だった証拠かもしれません^^;。そのスジのファンなら,見つけたら買っておきましょう。
Surajit Das & Swapan Bhattacharya "Chakra Yoga Meditation - Journey To Eternal Life"
- ドイツ盤 Oreade Music ORM 61942 (2001/2003)
- CD 1
- TT:70'11"
- 1.Bagisri - Ajna Chakra(14'19") / 2.Bilabal - Mulhadara Chakra(11'56") / 3.Yaman - Swadhistara Chakra(26'26") / 4.Gunkali - Manipura Chakra(17'28")
- CD 2
- TT:65'04"
- 1.Durga -Anahata Chakra(14'38") / 2.Jayjavanti - Vishudhi Chakra(18'30") / 3.Darbarikanara - Shahasra Chakra(31'54")
- Surajit Das (sitar) / Swapan Bhattacharya (tabra)
「ヨガ」のCDも,ずいぶんいろいろと聞きましたが,シタールとタブラという,インドの伝統楽器によるものは,アタリマエにありそうで案外なくて,これを手にしたときは意外な感じさえしましたが。(^^;)
解説書によると,音を通して瞑想に入る「ナーダ・ヨガ」のためのCDとか。
曲ごとに,姿勢や効能などが指示されています。
演奏は,おそらく即興と思われますが,シンセの音なども一切なく,手加減はなさそうです。(^^;)
概して緩いテンポで演奏されていて,最後の方で少しテンポが上がる曲も多いのですが,流れは自然に感じられて,すんなり聞き流せます。
こういう民族音楽への接し方も,悪くないのかもしれません。(^^;)
「Yoga ヨガ」
- カナダ盤 reflections 27298 (2001)
- TT:51'02"
- 1.太陽の挨拶 - Sun Salutation(8'27") / 2.蓮 - The Lotus(7'41") / 3.山 - The Mountain(9'12") / 4.シバ - Shiva(6'27") / 5.かけ橋(The Bridge)(9'23") / 6.樹 - The Tree(9'51")
- Composed and Performed by Tomas Walker
駅のワゴンで売られていそうなCDながら,なかなか高水準の癒し系音楽を出している,"reflections"レーベルの一枚。(「reflections Sleep スリープ」参照)
本盤は「ヨガ」のためのものとありますが,これもなかなかアンビエントな芸風です。
アルバム全体に,波の音が通して入っています。3.は「山」なのに,そこはお構いなしですが。(^^;)
ただ,曲全てに笛の音色でメロディーが通っていて,アバンギャルドになりきらないところに好みが割れるかもしれません。
筆者は,どちらかというとアバンギャルド好みですが,弱々しくもなく力強くもない微妙な表現のその笛の音色に捨てがたいものを感じます。
作曲者Thomas Walkerですが,ネットで調べてみるとAshtar Ron Allenというジャズミュージシャンで,世界各国の笛のマスターのようです。本盤でも,そんな民族楽器が使われていそうですし,深い哀愁のあるメロディーはジャズ仕込みかもと。
イージーリスニング的には,オススメできる一枚ではあります。
Dr. Jeffrey Thompson "Alpha Relaxation System 2.0"
- 米国盤 The Relaxation Company CD 3082 (1999)
- TT:60'22"
- 1.Clarity(29'50") / 2.In the Zone(30'30")
ものすごい数のリラクセーションや自己啓発のためのCDなどを出している,Dr. Jeffrey Thompson氏のCD。
タイトルに"2.0"とありますが,The Relaxation Companyからは,同名で別内容のCD,さらに酷似したタイトルのCDが多数存在していて,リリースが非常にややこしいです。(^^;)
1.は,低くこもった音色の波の音がする中,ごく緩い,オルガンっぽい音色のシンセの持続音が入ってきます。
両者の音のバランスも絶妙ですが,このこもった波の音が,なんとも異次元的です。(^^;)
2.も同様,こもった音色の波の音と,ごく緩いシンセのメロディーです。
このトラックでは,6分目からピアノの音色で,哀愁ただようええメロディーも入ってきます。(^^;)
その後も,割合輪郭の明瞭なシンセのメロディーとともに展開していきます。
筆者が知る範囲では,Thompson博士のCDで,こんな流麗なピアノのメロディーが入っているものはあまりないと思います。これもThompson博士の仕業だとすると,すごい音楽的才能です。
それにしても,このユルさ,極楽。(^^;)
Dr. Jeffrey Thompson "Awakened Mind System 2.0"
- 米国盤 The Relaxation Company CD 3094 (1999)
- TT:59'57"
- 1.(29'51") 2.(30:03)
リラクセーションや自己啓発のためのCDなどを多数リリースしている,Dr. Jeffrey Thompson氏のCD。
1,2,とも,調性ははっきりしない,ゆっくりうねるシンセのハーモニーの持続音が延々続いています。
あえて違いを言うと,1.のハーモニーはややマイナー寄り,2.はメジャー寄りという感じです。
ゆっくりと変化があって,途中からメロディーとも言いがたい緩い音がが入ってきたり,多少の展開はします。
それにしても,緩い,こうして聴きながらレビューを書こうとしていると,寝てしまいそうなくらいです。(^^;)
聞こえる音,曲の構成はごくシンプルですが,そう聞こえるように音を研ぎ澄まし,聞かせきれるように仕上げる技量は,相当なもののはずです。
Thompson博士,怪しい商売はやめて,電子音楽家一本でいきませんか。(^^;)
Dr. Jeffrey Thompson "Brainwave Music System"
- 米国盤 The Relaxation Company CD3500 (6CD/2009)
- Composed and Performed by Dr. Jeffrey Thompson
各CDに「リラクセーション」「瞑想」「睡眠」「癒し」「創造性」「覚醒」という効能を謳ったCD6枚組で,定価$39.98というお買い得セット。(余談ながら,パッケージ,ディスクとも"Made in China"。)
作者は,もはや音楽療法家というよりは,アンビエント音楽の鬼才といった方が確かな,我らがJeffrey Thompson博士。
ニューエイジよりはプログレファンの心を捉えて離さない^^;,その期待に違わない,長尺かつ陰鬱な響きの作品を存分に堪能できます。
別項で"Alpha Relaxation System 2.0","Awakened Mind System 2.0"をレビューしていますが,このセットのものとは別物です。ただし,これらを2枚1組にしたセットも存在するようで,リリースがややこしいです。(^^;)
[CD1] Alpha Relaxation System
- CD3501
- TT:62'06"
- 1.Deep Relaxation One(30'56") / 2.Deep Relaxation Two(31'08")
1.は,こもった音色の川のせせらぎらしき音と密林らしい鳥や動物の声と,メロディーとは言い難い,長くうっすら延びるグラスハープのような音色主体の音楽。
2.も,こもった音色で海とも川ともつかない水の流れの音と鳥の声,1.同様のグラスハープのような音色で始まります。
やがて緩く繰り返される,鈍いオルガンのような音色のシンセの和音が入ってきて,最後はコーラスの音色も加わり,さりげに盛り上がります。
[CD2] Theta Meditation System
- CD3502
- TT:60'04"
- 1.Renewal One(30'01") / 2.Renewal Two(30'01")
1.は,最初はオーケストラルな響きのシンセで,メロディーも和音もあるかの音の塊が,ゆっくりうねるように曲が進みます。
8分目に突如,手回しオルガン似の音色で欧州民謡風のフレーズが飛び出してきて驚かされますが,12分目には元のダークな音色に戻ります。
17分目からは,こもった水の音とともに,ベルの音色で哀愁を帯びた旋律が奏でられます。
この曲に関しては,展開が完全にブログレです。(^^;)
2.も,出だしにチャイムの音色の素朴なメロディーが流れますが,すぐ重い和音をともなった陰鬱なメロディーに変わり,コーラスの音色なども加わりながら曲が進み,最後はピアノ,ストリングシンセの音色なども加わってシメ。
[CD3] Delta Sleep System
- CD3503
- TT:60'42"
- 1.Delta Sleep One(30'20") / 2.Delta Sleep Two(30'19")
この盤は睡眠を意識してか,ほどほどの音量でさしたる展開もなく最後まで進む曲が収録されています。
1.は延々延びるシンセの和音に,音量小さめに短いフレーズを繰り返すピアノの音などで,終始静かに進行します。
2.は,ゆっくりうねるシンセの低音ベースで,緩くフレーズが繰り返されていきます。
20分目あたりから,"NASA Space Sounds Recordings"(別項参照)らしき電子音が聴こえます。
[CD4] Healing Mind System
- CD3504
- TT:60'09"
- 1.Revitalize(30'07") / 2.Retune(30'00")
Thompson博士のCDでは珍しく,メロディーの明瞭な音楽で,オリエンタルな節回しを持った数分の曲が数曲つながっています。
1.の最初の4分間はギターの音色中心,次の9分間のパートでは,これまた"Space Sounds"らしい「しゅわぁぁぁ」という音が入っています。その後はマリンバ風の音色の曲,ピアノ中心の曲,クラシカルな弦楽合奏風,最後はガムラン風でシメ。
2.の冒頭は,長くたなびくブラス風のシンセの音色ですが,その後"Space Sounds"の音を中心にしたアンビエントなパート,フルートの音色(初期Tangerine Dreamのメロトロンの音を思い起こさます^^;)を中心にしたメロディアスなパートなど,いくつかのパートが展開します。
[CD5] Creative Mind System
- CD3505
- TT:62'36"
- 1.Inspiration(33:41) / 2.Vision(28:53)
この盤も"Healing"同様のメロディーの明瞭な音楽。
1.の冒頭はピアノの音色で始まり,その後同一フレーズがストリングシンセやベル,ハープの音色などで変奏されていく,けっこう手の込んだ音楽。
2.も数分ごとに曲が入れ替わっていきます。アンビエントではないものの,1.よりは少し重くぼんやりしたフレーズを多用したトラック。冒頭低いストリングスの音が立ち込める中,"Space Sounds"らしい音,19分目からの最後のパートでは控えめながら珍しくパーカッシブな音もしています。最後の1分間は虫の声が「しぃぃぃぃぃ」としている夜の森林らしい音でシメ。
[CD6] Awakened Mind System
- CD3506
- TT:60'09"
- 1.Awakened Mind One(30'04") / 2.Awakened Mind Two(30'03")
1.は,オーケストラのチューニングのような音から始まり,ストリングシンセがうねりながら進行していきます。10分目あたりから,"Space Sounds"らしき音も聴こえます。
2.も同様,シンセの和音が静かにうねりながら,延々続いていきます。ただただ耽美的。
「一個人的瑜珈 冥想空間」 "Yoga Myself C.A.R.E.F.R.E.E."
- 台湾盤 Sun Disc Records SRD1156 (2011)
-
TT:54'16"
- 1.晩夢胡蝶 Butterfly Dreams(5'39") / 2.四風禅寺 Temple of Four Winds(6'46") / 3.大地微風 Worldwind(3'55") / 4.梵音聲脈 Mantra Rhythm(4'36") / 5.湛藍海洋 OCean Blue(14'55") / 6.漫歩青山 Ching Shan Walk(4'14") / 7.神奇東方 Magic East(5'04") / 8.温聲祥和 Flame of Peace(3'47") / 9.赤子情懐 Timeout(5'19")
台湾で買ってきた,作曲者不明の怪しい激安CD。(^^;)
「ヨガ」といいつつ,曲想にあまりまとまりがありません。
曲はいずれも典型的ニューエイジ音楽ですが,大別すると,シンセにピアノの響きを絡ませた1,3,9.,オリエンタルな旋律の2,4,6,8.,アンビエント的作風の5,7.といったところ。
英語のタイトルがあるので,それをネットで検索したところ,トラックNo.奇数番は,Steve Mandera & Friends "Wellness For Kids-Timeout"(2003),偶数番はMiyagi"Tai Chi"(2001)とあっけなく判明。(^^;)
しかし,2枚の既存のCDから,それぞれ偶数・奇数で振り分ける選曲といい,元々ヨガと関係ないものをヨガと称するとか,なかなか豪快なお仕事です。(^^;)
Steven Halpern "Spectrum Suite - A Personal and Planetary Attunement"
- 米国盤 Sound RX SRXD 7770 (1975/1994)
- TT:51'45"
- 1.Keynote C: Red(2:57) / 2.Keynote D: Orange(3:15) / 3.Keynote E: Yellow(3:01) / 4.Keynote F: Green(3:14) / 5.Keynote G: Blue(3:07) / 6.Keynote A: Indigo(3:43) / 7.Keynote B: Violet(5:00) / 8.Leviathan Blue(3:01) / 9.Sakura(6:26) / 10.Rainbows of Life(3:26) / 11.Crystal Cathedral(3:23) / 12.Earthrise, Pt. 1(3:00) / 13.Earthrise, Pt. 2(3:08) / 14.Harmonic Convergence(5:02)
- Steven Halpern (Fender Rhodes electric piano, Kurtzweil 250, Emulator, D-50) / Bettine Clemen-Ware(9,silver flute)
多数のリラクセーション音楽を作っている,アメリカの作曲家,Steven Halpern氏の初期作品。
解説によると,当初の録音は1975年らしいのですが,その頃はニュー・エイジなんて分野は影も形もなかった頃です。
全編氏の演奏するエレピ一丁の音がメインです。
アルバムタイトルの1〜7.は,各々7つのチャクラに対応するという曲。これらは,全てエレピの音だけで聞かせています。
8.以降は,エレピの演奏を中心に,シンセの音などが入ってきます。エレピ以外の音は,後々加えられたもののようですが,あくまでメインはエレピの音。
8.は,ほとんどエレピのソロですが,かすかにクジラの声らしきものが入っています。クレジットにも,Dr. Roger Payne氏のザトウクジラの録音(「海」ページ参照)をサンプリングした旨クレジットがあります。
延々続くエレピのチープな音色に,聞き飽きるかと思いきや,意外とすんなり聞き通せてしまいます。
曲,演奏もよくできているのですが,シンプルなエレピの音色がかえって斬新ということもあるかもしれません。
最初のインパクトはないけど,じわじわと聞き返すことになりそうな1枚。(^^;)
"Tibetian Highlands - Polysync Music Programs with Karma Moffett"
- 米国盤(?) SynchroVision PLS9303 (1994)
- TT:51'50
- 1.Data One(0'23") / 2.Program One "Soul of The Mountain"(24'28") / 3.Data Two(0'11") / 4.Program Two "Temple Timbres"(26'46")
詳細不明ですが,CDのジャケの解説を見る限り,このCDの音声出力を光を発する機器とつなぐように仕込まれていて,このCDの1.と3.に,機器を制御するデータ信号らしい「ぴーぎゃらら」という音が入っています。
名前を挙げられているKarma Moffettは,日本の仏具"お鈴"に似たチベット密教の法具,"チベタン・シンギング・ボウル"の奏者で,4.でボウルのみの演奏,2.の一部でもそれらしき音がしています。
2.は,まずチベット密教のお経らしき低く唸る人の声とともに,低くこもるボウルのらしき音が聞こえます。さらに,長くたなびくコーラスの音色のシンセの陰鬱な旋律が入ってきます。これらの音の絡まり方がなかなか絶妙で,筆者好み。(^^;)
4.では,ボウルのみの演奏が繰り広げられています。概して複雑な倍音を含んだ音響で,"クリスタル・ボウル"とよく似ています。音色は,概して高い音があまりしない,地味な音色です。
この演奏では,終始ごく低い音が「ぅ゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛」と立ちこめていて,その中を高低様々なボウルの音色が,メロディーもなく浮かんでは消えていきます。
この音色だけのCDも聞いてみたいと思ったり。(^^)
"Yes to the River - Music from the World of Osho"
- ドイツ盤 Tao Music TAO CD 9101 (1991)
- TT:57'22"
- 1.Manifesto(6:16) / 2.Festival of Lights(3:53) / 3.Pratiksha(3:42) / 4.Garden of the Beloved(5:24) / 5.Satsang Celebration(6:39) / 6.Here in My Heart(3:29) / 7.Doorway to the Heart(3:54) / 8.Chopping Wood(3:51) / 9.Lunar Eclipse(3:25) / 10.Journey East(6:19) / 11.Peacocks and Swans(3:28) / 12.Footsteps of Silence(3:58) / 13.Unsayable(3'02")
- Music created by the Osho Institute of Music and Celebration
ジャケ写には長い白ひげを生やした,怪しい見かけの爺さんが写っているものの^^;,音楽的には意外とシンセ音楽の良作がある,"Ohso"のCD。(本ページ別項参照)
解説によると,東洋風にインド,インドネシア,中国,日本のリズムを採り入れ,瞑想的儀式のムードを醸し出すとのこと。
内容は,シンセ,ギター,ベース,フルート,打楽器などの編成のオリエンタルなムードの音楽。他のシンセ中心のサイキックな"Osho"CDに比べて,ずっとニューエイジというかイージーリスニング的な,比較的短めの曲が並んでいます。
作曲者は示されていませんが,癒し系の大御所の一人,Steven Halpern(別項参照)あたりの芸風と似ている気がします^^;。ただ,曲想が曲によって違う感じもするので,作曲者は複数の可能性もありそうですが。
聞き所は,インド的シタールの音色やシンセのドローンの上にフルートのメロディー,タブラの音が響いている4.。
ちょっと意外なのは,アップテンポな曲もあって,パーカッションとキーボードの上に,サックス,フルートがメロディーを乗せているフュージョン的な5.や6.はちょっと意外。
余談ですが,このCDの製作プロセスを示すコードは,珍しい「DAD」。(別項参照)
「Dr.Jeffery Thompson 神奇α波1/f 潜意識音樂療法」("Brainwave Suite - Lush Ambient Music Combined with Brainwave Frequencies")
- 台湾盤 向緑唱片音樂 (Green Music) GM 1030 (4CD)
- 米The Relaxation Company原盤
なんと,わざわざ台湾で買った癒し音楽CD。(^^;)
CD4枚が紙箱に入って,繁体字中国語のブックレット付。
筆者ごたさん的にファンをしているDr.Jeffery Thompson氏の作品が,値段も安くてお買い得でした。ちなみに,CDに定価販売のない台湾での値段は,レコ屋によって800〜1,500台湾元(日本円約2,800〜5,250円)と幅がありました。
1970年代ドイツのシンセ音楽の香りのする,シンセの音色もアナクロな^^;傑作が詰まってます。
"ALPHA: Relaxation & Meditation"
- GM 1031
- TT:42'24"
- 1.(20'58") / 2.(21'24")
1枚目は,聴く人を「アルファ波・弛緩と瞑想」に導く1枚。
1.は,最初に鳥の声がする中,ギター,バイオリンの音色に特徴のある,メロディアスな1曲。
2.は,コオロギの声がしているらしいのですが,音としては目立ちません。
音楽しては,氏の作品の真骨頂,緩くうねりつつたなびくシンセが延々続きます。
"THETA: Insight & Institution"
- GW 1032
- TT:42'01"
- 1.(20'46") / 2.(21'13")
2枚目は「シータ波・内観と直観」の巻です。
1.は,Disc1の2.にもあったコオロギの声から始まり,「うにゅぅ〜」という感じの,高めの音色の緩いストリングシンセのメロディーが延々続きます。最後の方は,コーラスの音色で,この種の音楽にしては,妙な盛り上がりを見せます(^^;)。そして,ラストは"Tibetian Bell"の音一発。
2.は,鳥の声もする雨と遠雷の音から。シンセのうねる低音を背景に,ウィンドチャイムの音色がしていますが,メロディーのようなものはなく,全体にぼんやりした雰囲気です。
"DELTA: Sleep & Rejuvenation"
- GM 1033
- TT:42'06"
- 1.(21'00") / 2.(21'04")
3枚目のお題は「デルタ波・睡眠と元気回復」。
1.は,川のせせらぎの「ちょぽちょぽっ,たぽっ」とい感じの音に,ゆっくり立ち上がっては移ろうストリングシンセがいい感じ。後半は,シンセの金属的な音色が薄く静かに立ちこめています。
2.は鯨やイルカの声をバックに,低くたゆたうシンセの音が続いていきます。後半のストリングシンセがゆったり流れる様も耽美的。
"ALPHA-THETA: Awakened Mind"
- GM 1034
- TT:40'59"
- 1.(20'26") / 2.(20'31")
仕上げは,アルファ波とシータ波の組み合わせで,覚醒のレベルへと。(^^;)
この盤は自然音中心ですが,1.2.とも,背景で遠くでうなる風の音のような,低く立ちこめる「こぉぉぉぉ」という音がしています。各トラックが最後にフェードアウトする時この音が残り,シンセ音であることがわかります。
1.は,2枚目にもあった鳥の声もする密林の中らしい雨音。5分目くらいから,雨がちょっと激しくなってきて,遠雷も聞こえ始めます。手前で,雨が当たる音がぼとぼとしている,けっこうリアルな音です。
2.は「たぽたぽたぽ」とする水音の背景に,動物や虫,鳥の声がする密林的な音。
「神鼓・瞑想」 Firedancer "Spirit of the Drum"
- 台湾盤 貴族唱片 Noble Records NB-620 (制作年不明)
- TT:61'49"
- 1.晨・聽禪 Awakening(12'34") / 2.靜心太極 Tai chi(11'07") / 3.風舞琉璃 Dancing Liuli(9'55") / 4.暮・浴佛 Buddhist(12'24") / 5.神鼓再起 Spirit Of The Drum(13'46")
- 米Gemini Sun Records原盤 (2008)
台湾旅行の帰りの空港で,最後の買い物のどさくさまぎれに買った1枚。
インレイカードの売り文句に「日本新世紀傍冠軍」(=日本のニューエイジチャートトップ,ホンマかいな^^;)とあるあたり,典型的な日本大好きな台湾さんの品物。
ですが,これが大当たりでした。(^^;)
アメリカのニューエイジのレーベルがオリジナル。
リズミカルなパーカッションとフルートの編成という,この手の物にしては珍しい1枚。
特定のジャンルに括りにくい音楽で,ジャズか現代音楽でも通りそうですが,たまたまニューエイジのレーベルから出てしまっただけという感じです。
「ニューエイジ」の中には,こんなものもあるのですね。(^^;)
台湾盤では,中国語題は「瞑想」に因んだものになり,英語題も1.以外は変えられ,演奏者等のクレジットも,解説文に2名の名前があるだけです。
"CD Universe"の情報によると,原題と演奏者は以下のとおり。
- 1.Awakening / 2.Heartbeat of the World / 3.Rhythm Journey / 4.Shaman's Dream / 5.Firedance
- Firedancer: David Arkenstone (flute, marimba, bass instrument, drums, kalimba, percussion); Nicholas Gunn (flute); Greg Ellis , John Wakefield, David Leach, Seth Osburn (drums, percussion)
旋律的な要素はあまり感じられず,パーカッションの低音を中心に,リズムの組み合わせで聴かせています。
パーカッションの面白さが,すごくよくわかるアルバムです。
広く音楽ファンにオススメ。(^^;)
1.は,静謐なドラなどの現代音楽的な響きで始まり,じきにオリエンタルな節回しのボンゴやマリンバの音,さらにフルートのメロディーが入ってきます。
2.も同様ですが,即興的なフルートにジャズっぽいセンスを感じます。
3.は,ドスドスするパーカッションの上を,軽くフルートが舞う曲。
4.は,フルート抜きで,タブラ+低音のパーカッションが繰り返され展開する,本CDの白眉。
5.も,ほとんどのパートがパーカッションのみですが,隙間を埋めるように,時折フルートがオリエンタルな節回しを入れてきます。
[余談]
催眠系CDのナレーションを取り除いて音楽だけを聴きたい,という切たる願いには,楽曲ファイルからセンターにあるボーカルなどを消去して,擬似的にカラオケを作り出すソフトが役立ちます。
Windows対応のフリーソフトでは「ボーカルリデューサー」(http://limetarte.net/)の効き目が最高でした。(感謝<(_ _)>)
この種のCDを処理した場合,通常のボーカル入り音楽と違って,目的のBGMの音量が小さめなのと,ナレーションのリヴァーブの低音部分が目立って残る問題があります。
「ボーカルリデューサー」の場合で言うと「カラオケ化調整」の設定で「処理範囲」を「全て(0Hz〜)」にして低域も含めてカットして,処理後さらに音声編集ソフトでノーマライズして音量を十分にするのがコツのようです。
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