さらに成長？！プレイヤー付短波ラジオ(^^;)
DEGEN DE1126レビュー [2/2]

大幅に改善したプレイヤーの操作

DE1126で一番うれしかったのは，プレイヤーに大きな改善点があったことです。

ファイル名，タグ情報を表示

メモリプレイヤーも，従前はフォルダを選択するにも，画面の隅に番号でしか表示できなかったのですが，DE1126ではエクスプローラ風画面から選択できるようになりました。
しかも，前記設定で日本語を選択しなくても，フォルダやファイルの日本語はちゃんと表示します。

プレイヤーのフォルダ選択画面。 懐かしのDOSファイラ風^^;。

そして，これもこのシリーズ悲願だった，タグ情報も出せるようになりました。これも日本語を表示できます。(って，考えたら，それはできてアタリマエだけど。^^;)
ただし，表示できるタグの文字数には，英数半角で28文字(ということは，日本語の全角文字で14文字)の上限があるようで，文字数が長いと表示しきれません。

プレイヤー再生中。 タグ情報は，曲名，演奏者名，アルバム名の順にスクロールします。 スクロールの動きがちょっと鈍いのが，少し気にかかりますが。

メモリへのアクセスが軽くなった

DE1123，DE1125で最大の難点だった，異常に重かったメモリのアクセスが，速いとは言いませんが，だいぶストレスが減りました。(^^;)

操作も軽くなった

DE1123，DE1125で，プレイヤーのボタン操作の反応が鈍かったものが，やっときびきび動くようになりました。

メモリが4GBに

従前モデルの1GB，2GBでは不足気味でしたが，再生できるのが音声ファイルだけでもあり，これくらいあれば不便はなくなってきます。

イコライザがついた

従前は音質は調整できなかったのですが，イコライザがついて数種類のパターンから選べるようになりました。

歌詞の同期テキスト対応

あと，歌詞情報の同期テキスト(lrc形式ファイル)にも対応，演奏中に右側面のメニューキーから機能選択して歌詞を表示できます。設定で日本語を選択しておけば，日本語も表示できます。

ちなみに，出荷時にサンプル音源として，"Hotel California"と"Yesterday Once More"のMP3ファイルとlrcファイル(もちろん英語)が同梱されています。

一方，ラジオは…

もうひとつの要のラジオですが，従来とそう変わった感じはしません。

弱い電波で音が崩れたり，筆者自宅のような中波放送の送信所が近いところでの「お化け電波」は相変わらずです。それどころか，DE1125と比較して，お化け電波は少し悪くなっているようにさえ感じます。
ただし，電波がある程度以上の強さがあれば，いい音で鳴ります。

とにかくこの機種の魅力は，短波ラジオとプレイヤーが小さく一つにまとまっていることで，短波ラジオは，ある程度の性能であれば十分なわけですので。(^^;)

録音はやや改善，しかし…

従前から使い勝手の良くなかった録音機能ですが，まだ改善の途にあります。

ラジオのリアルタイム録音は，ビットレート128KBのWAV(4ビット，16kHz)，64KBのMP3(実際は，40kbps，8kHz)から選択できます(って，なんでこんな選択肢なんだよ^^;)。
音質を求めないラジオの録音なら，使えなくはないレベルです。

ただ，ラジオのリアルタイム録音中，出ている音量を強制的に一定のレベルにしてくるのは，ちょっと違和感があります。DE1125にはなかった挙動です。(もっとも，音量をフルに上げないと，録音できなかったDE1123よりは，ずっとマシなのですが…^^;。)

ラジオのタイマー録音もできることになっていますが，問題が多すぎます。
アラーム設定から自動ON/OFFの時間を別個に設定し，録音する局も電源を切る前に最後に選択しておかなければなりません。
しかも，筆者のDE1126(ファームウェアver0.1.7)では，できたWAVファイルに音がさっぱり入っていないばかりか，録音終了後電源が切れずフリーズするという，致命的な現象が発生しています。

よって，予約録音はあてにしない方が良いでしょう。^^;

新機能"E-BOOK"

この機種では，"E-BOOK"機能を謳っていますが，これはなんのことはない，テキストファイルの表示機能です。

言語設定を日本語にすれば，日本語も表示します。ブックマークの機能まであります。
ただし，画面が小さいので，表示できる文字数は少なく，しかも粗いです。まあ，オマケなんでしょうけど。(^^;)

E-BOOK機能で，日本語テキストを表示したところ。 「直ちに」の「直」の字が中国語のものだったりとか。(^^;)

ほか，気づいたこと

ほかにも良くなったところ，相変わらずのところなどあります。使い始めて一週間で気づいたことを挙げていきます。

○端子類が本体上に

DE1125で底面になっていたヘッドホン端子が，上に付きました。立てたり，ポケットに入れたときは扱いやすいです。
USB端子も上に付きましたが，これは従来の側面の方が扱いやすそうに思えますが。

×プレイヤーの曲順変更ができない

これも従来どおり，フォルダもファイルも書きこまれた順で，ファイルネーム順になりません。一度書きこむと，タイムスタンプの操作でも変わらないのも従来通り。

そこで，DE1126でもDE1123同様の方法でファイルを細工して，フォルダ，ファイルを書き込んでみました。 すると，フォルダ内のファイルはアルファベット順になりましたが，なぜかフォルダは逆に並びます。何がどう効いているのでしょうか…。(^^;)

×プレイヤーの再生方法に選択肢を

DE1123，DE1125でもそうなのですが，プレイヤーはフォルダ内のファイル再生が終わると，有無を言わさず次のフォルダのファイルの再生を始めてしまいます。ほかはリピートしかないので，フォルダ内の再生が終わると停止など，再生方法の設定の選択肢がほしいところです。

×スピーカの音がイマイチ

これも，従来機種からそうですが，せっかくスピーカから音が出るのに，低音の出がイマイチです。

△スタンドがやや不安定

DE1125から付いたスタンドですが，DE1126は底面が緩く湾曲したデザインなので，ちょっと傾きがあったり，イヤホンをつけていたりすると，落ち着きが悪くなります。

△乾電池が使えない

DE1125以降軽くなったことと表裏ですが，いざというとき単四2本くらいでも使えるとありがたいです。

○バッテリーの蓋がしっかり閉じる

DE1125では，ちょっとしたはずみでバッテリーの蓋が外れることが多かったのですが，しっかり閉まるようになっています。

△オフ時の時計表示に変更

DE1123とDE1125では，オフ時は時計をずっと表示していましたが，DE1126では何か電源以外のボタンを押したときだけ，バックライトとともに表示します。これの良し悪しは，使い方によるでしょうか。

×充電でFMの設定がリセット(T T)

充電し終わると，日本用に設定したFMバンドが，デフォルトの87MHz〜108MHzに戻ってしまいます。(アップデートしたファームウェア0.1.7でも直っていません。)
設定が変わっても，メモリーに打ち込んだ周波数は出せるので対処できますが…。

×長いファイルネームで再生不能？

ファイル名が長いファイルが，"Format Error"の表示を出して再生できなくなります。詳細はわかりませんが，半角英数で60文字程度以上になると発生するようです。

我が子のように成長するラジオ？！^^;

DE1123，DE1125，そして今回レビューしたDE1126と，やっとここまで来たという感じです。
デキの悪そうな我が子が，着実に育っているのを見守っているかのようです。(^^;)

DE1123，DE1125に比べれば，だいぶ使いやすくなりました。
ただ，とくにプレイヤーにまだ課題が多く，欠点を意識しておかないとつきあいにくい，というレベルにとどまっています。

問題点の中には，最初からきちんとして出すべき，致命的なものもあることも確かです。
しかし，今の中国製品に求められているものが，ただ安くということばかりなのも確かです。開発に時間とコストがかけられず，走りながら考えていそうです。

それでも，このレビューでも記したように，欠点と思えるところを出す度に直してくるところに，現場の人たちの良心が窺えるようにも思えます。
日米欧の企業が投げ出してしまった短波ラジオを作り続けてくれている中国の各社に，あらためてエールを送りたいと思います。

電源を切ると，画面に"Bye-Bye"の文字と，なぜかお馬さんが走ってきます。(^^;)